工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)から新型のコードレスロータリハンマドリル DH3628DAを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。ジャイロセンサによる垂直サポート機能を備え、従来モデルより振動を低減している。発売日は2022年11月29日(火)。本体希望小売価格は53,900円(税別)
目次
HiKOKI コードレスロータリハンマドリル DH3628DA
HiKOKIは、2022年11月29日(火)からコードレスロータリハンマドリル DH3628DAを発売します。
DH3628DAは、2017年に発売したDH36DPAの後継モデルとなる新型のマルチボルト36Vコードレスロータリハンマドリルです。LED垂直サポートやオートストップ機能で作業をサポートし、振動も低減され好フィーリングでスピーディーな穴あけを実現します。
1充電当たりの作業量は、コンクリート穴あけ時(深さ40mm)に約75回(錐径12.5mm)/約40回(錐径18mm)です。
製品仕様は集じんシステムが付属するDH3628DBも展開します(発売日未定)。販売仕様ではバッテリーBSL36A18X×2個・急速充電器・システムケースが付属する(2XPZ)と付属品がバッテリーBSL36B18X×2に変わった(2WPZ)で販売します。
- DH3628DA(2XPZ) バッテリーBSL36A18X×2個・急速充電器 UC18YDL2・システムケース(No.3)付属 希望小売価格100,400円(税抜)
- DH3628DA(2WPZ) バッテリーBSL36B18X×2個・急速充電器 UC18YDL2・システムケース(No.3)付属 希望小売価格107,900円(税抜)
- DH3628DA(NN) 本体のみ 希望小売価格53,900円(税抜)
製品仕様 (前機種 DH36DPA比較)
製品名 | DH3628DA | DH36DPA |
---|---|---|
外観 | ||
能力 | コンクリート:3.4~28mm 鉄工:13mm 木工:32mm コアビット: 25~50mm ダイアモンドコアビット:65mm |
|
モード | 回転/打撃/回転+打撃 | |
モーター | 直流ブラシレスモーター | |
動作電圧 | 36V | |
無負荷回転数 | NORMALモード:0~950min-1 LOWモード:0~700min-1 |
0~1,100min-1 |
全負荷打撃数 | NORMALモード:0~4,300min-1 LOWモード:0~3,170min-1 |
0~4,300min-1 |
適合ビット | SDSプラス | |
RFC | 〇 | 〇 |
集じんシステム | 〇(品番不明) | 〇 (0037-0104) |
オートストップ | 〇 | × |
LED垂直サポート | 〇 | × |
大型フック | 〇(別売) | × |
3軸合成値 | 12.1m/s2 | 16.0m/s2 |
重量 | 4.0kg | 3.7kg |
寸法 | 356×232×91mm | 351×220×85mm |
本体価格 | 53,900円(税別) | 55,000円(税別) |
販売年月 | 2022年06月 | 2017年11月 |
製品の特徴
「使い勝手が向上したマイナーチェンジモデル」
今回発売するDH3628DAは、基本的な能力値は従来モデルのDH36DPAと変わりませんが、付加機能や振動低減機能を向上したマイナーチェンジモデルとなっています。
動作的な制御では回転数を2段階で切り替えられる切り替え機能を搭載し、もろい材料への穴あけもしやすくなっています。
またトリガスイッチの接着部をレーザー溶着タイプのスイッチへの変更により、防じん・耐水性も向上しています。
LED垂直サポート機能を搭載
穴あけ作業時に便利なLED垂直サポート機能を搭載。対象から垂直±5度以下の時に緑LEDが点灯し、まっすぐにビットが当てられていることを確認できます。
地面に対して水平の状態でもサポート機能は働きますが、その場合、左右面の傾きは検知できないので注意が必要です。
防振性能が向上して使い勝手がUP
防振ハンドル、動吸振器により振動を低減し、好フィーリングでスピーディーな穴あけができます。
従来モデル DH36DPAの16.0m/s2の振動値に対し、本機 DH3628DAでは12.1m/s2まで低減しています。
リアクティブフォースコントロール機能で安全性も向上
先端に急激な負荷がかかるとスリップクラッチが作動するか、もしくは、工具本体に内蔵されたコントローラーがモーターを停止させ、工具本体が振られてしまう現象を軽減します。
オートストップ機能を搭載、作業時間を記録して自動停止
連続して穴あけをする際に便利なオートストップ機能を搭載。穴あけ時間を記憶し、記憶した時間で自動的にモーターを停止させ、安定した穴あけをサポートします。
別売の大型フックが装着可能
別売の大形フックを装着可能で、使いやすさが向上しました。
集じんシステムが付属するDH3628DBも発売予定
本体装着型の集じんシステムが付属するDH3628DBも今後発売予定です。2022年11月時点で発売日は未定です。
本機の集じんシステムは、既存モデルのハンマドリルに装着する(0037-0104)とは別仕様の製品になると予想され、2022年11月時点では集じんシステム単体の発売日も未定です。
システムケース3 (0040-2658)が標準付属
バッテリー・充電器が付属する(2XPZ)・(2WPZ)では、システムケース3が付属します。同シリーズのケースやマキタ マックパックとも連結できるので収納・運搬も容易です。
BSL36B18Xバッテリー (36V-4.0Ah/18V-8.0Ah)も発売
先日、新型マルチボルトバッテリー BSL36A18Xシリーズを発表しましたが、今回のDH3628DAの発売に伴い、大容量のBSL36B18Xバッテリーの発売も予告されました。
これにより、X仕様の新型バッテリーの大容量B仕様も発売が確定となります。
マキタ 28mm 充電式ハンマドリル HR001Gとの違い
28mmクラスの充電式ハンマドリルで競合するモデルは、マキタ HR001Gです。
2社の製品は基本的な製品能力に大きな違いはないものの、付加価値の部分では僅かに違いが見られます。
例えば、今回のHiKOKI DH3628DAは垂直サポートやオートストップなど機能的な面で優れており、マキタ HR001Gは低振動・防じん防水・本体重量の使い勝手の面で優れています。
これらを踏まえて、使い勝手だけを見て純粋に評価した場合、マキタHR001Gの方に分がありそうなのですが、HiKOKi DH3628DAの方が低価格設定となっているため、その価格の分も考えると悩んでしまいます。
とはいえ、実使用的にはどちらの製品も一定の能力を有している製品なので、結局のところはバッテリープラットフォーム次第になってしまうと言えるでしょう。
製品名 | DH3628DA | マキタ HR001G |
---|---|---|
外観 | ||
能力 | コンクリート:3.4~28mm 鉄工:13mm 木工:32mm コアビット: 25~50mm ダイアモンドコアビット:65mm |
コンクリート:28mm 鉄工:13mm 木工:32mm コアビット: 54mm ダイアモンドコアビット:65mm |
モード | 回転/打撃/回転+打撃 | |
モーター | 直流ブラシレスモーター | |
動作バッテリー | マルチボルト36V | 40Vmax |
無負荷回転数 | NORMALモード:0~950min-1 LOWモード:0~700min-1 |
0~980min-1 |
全負荷打撃数 | NORMALモード:0~4,300min-1 LOWモード:0~3,170min-1 |
0~5,000min-1 |
適合ビット | SDSプラス | |
振り回され低減 | RFC | AFT |
集じんシステム | 〇(品番不明) | 〇 (DX12) |
オートストップ | 〇 | × |
LED垂直サポート | 〇 | × |
大型フック | 〇(別売) | × |
Bluetooth連動 | 〇 | 〇 |
防水防じん適合 | × | IP56 |
3軸合成値 | 12.1m/s2 | 7.0m/s2 |
付属ケース (セット品仕様) |
システムケース3 | マックパック4 |
カラー | 緑 | 青・黒 |
重量 | 4.0kg | 3.7kg |
寸法 | 356×232×91mm | 358×232×102mm |
本体価格 | 53,900円(税別) | 59,400円(税別) |
販売年月 | 2022年06月 | 2019年12月 |
製品仕様的には大きな変更なし、使いやすさの向上に期待
DH3628DAは、基本的な能力向上が伴っていない新製品であり、マルチボルトコードレスハンマドリルの性能向上に関しては一区切りついてしまった印象があります。
今回の新製品発売も従来モデル DH36DPAの発売から5年経過してしまったために、モデルチェンジの必要に迫られた上でのマイナーチェンジだったと推測しています。他カテゴリの電動工具にも言えることですが、この5年間においては、モータ・バッテリー共に電動工具に適用できるような技術革新が発生していないことから、もはや性能向上も限界目前であり、これ以上の最適設計は難しいのではないかとも思っています。
色々な付加価値が追加されたDH3628DAですが、いろいろな機能も慣れたユーザー的には無くても困らない機能であるため、その分の重量増をどう思うかはユーザーそれぞれの評価となりそうです。とは言え、原価低減で安くなっているモデルでもあるので、そのあたりも含めればプラマイゼロでしょうか。
ちなみに、LED垂直サポート機能については「業界初」と謳っているものの、ジャイロセンサを用いて角度を検出する機能はボッシュのドライバドリルの “Electronic Angle Detection”機能が初出です。工機HDの言い分は「ハンマドリルは業界初」としていますが、業界初とするには色々と苦しいと思っています。
製品自体の話ではありませんが、本機からハンマドリル形名の規則性も変わったようで、従来の記載方法である”DH (電圧2桁) D (補助英字)” から”DH (電圧2桁) (穴あけ径2桁) D (補助英字)”の4桁数字の形名に変更されています。この変更で形名だけでも最大穴あけ能力も把握できるようになったので、地味に良い変更なのではないかと思っています。
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