電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレスフロアタッカ N3604DMを2022年3月3日(木)より全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。リチウムイオンバッテリーの充電式フロアタッカとしては業界初。
目次
HiKOKI コードレスフロアタッカ N3604DM
電動工具ブランド HiKOKIを展開する工機ホールディングス株式会社は、2022年3月3日(木)よりコードレスフロアタッカ N3604DMを発売します。
N3604DMは業界初の充電式のコードレスフロアタッカで用タッカです。コードレスなのでコンプレッサとホースが不要になり、取り回し性に優れ、作業現場をきれいに保ちます。反動低減機構と強力なスプリングを採用により、さまざまな木材にもしっかり打てるパワフルな打込み力を実現します。
1充電当たりの作業量はBSL36A18装着時で約2,200本。38mmまでのフロア用ステープルの打ち込み作業に対応します。
販売仕様はバッテリー充電器が付属する(XP)仕様と本体のみの(NN)で展開します。
- N3604DM(XP) バッテリーBSL36A18・充電器UC18YDL・ケース付属 希望小売価格89,000円(税抜)
- N3604DM(NNK) ケース付属 希望小売価格61,800円(税抜)
N3604DM製品仕様
製品名 | N3604DM |
---|---|
外観 | |
ステープル幅 | 4mm(MA線) |
ステープル長さ | 16, 19, 25, 32, 38mm |
装填本数 | 90本(1連+15本) |
バッテリー | マルチボルト |
モーター | ブラシレスモーター |
重量 | 3.1kg |
寸法 | 282×321×87mm |
本体価格 | 61,800円(税抜) |
販売年月 | 2022年3月 |
製品の特徴
「業界初のコードレスフロア用タッカ」
フロア用ステープルに対応する釘打ち機として、業界初のリチウムイオンバッテリーコードレス化を実現。
コンプレッサとホースが不要になり、ホースによる引っ掛かりやフロア材へのキズや汚れの心配も無くなります。現場や車内のスペース確保の必要もありません。
2 階での作業やマンション内装、リフォームにも最適で、住宅街でのリフォームや早朝・夕方の施工にも配慮できます。
壁際から5mmの隅打ちが可能な本体形状
巾木で隠れる隅打ち5mm が可能です。ハウジング前方を斜めに切り欠き、150 ㎜フローリング施工の際、壁への干渉を防ぎ、フロアの張り始め、張り終い施工など、壁際周りでもしっかりと打てます。
防振ゴム配置で打ち込み時の衝撃を緩和
動力部とハンドル部の間に防振ゴムを配置する防振ハンドル構造を採用。防振ゴムで打込み時の衝撃を緩和し、作業者の負担を軽減します。
ステープル残量が見やすいマガジン
左右両側からステーブル残量が見やすく、作業時のステープル残量切れを防止します。
J線(4mm)ステープルとの違いについて
N3604DMは4mm幅のステープルを打ち込むタッカですが、形状が類似する4mm J線のステープルの打ち込みには使用できません。
フロア用ステープルはMA線と呼ばれ、4mm J線よりも若干太いステープルです。同じように見えますが、寸法は僅かに異なるため、J線専用タッカとフロアタッカと間違えて装填しないようにしましょう。
エアフロアタッカとの違い
今回のN3604DMの発売によって、フロア張り作業は大きく変わるかもしれません。
フロア材の張り込みには接着剤を使用しますが、それだけで作業を行うと、吸水等を原因とする反り・突き上げ・暴れ等が発生して施工後の外観を損なう場合があります。その防止のためにフロア用のステープルやフィニッシュネイラを使った仮止め作業が行われます。
従来の作業工具ではエア工具のフロアタッカーしか選択肢が無かったため、単純なフローリングの張り替え作業でもコンプレッサーを用意しなければならず、コンプレッサーの設置やホース引き回しなど手間が掛かりましたが、これらの段取り作業が一気になくなるのは大きな強みです。
エア工具のフロアタッカーと比較すると工具本体で2倍超の重量増は若干重い印象があるものの、基本的に下向き作業で使う工具なので、実作業上はあまり気になるものでは無いと予想しています。
作業 | コードレスフロアタッカ | エアフロアタッカ |
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外観 | ||
参考製品 | N3604DM | N3804HMF |
必要なもの | バッテリー 充電器 |
コンプレッサー エアホース |
ステープル幅 | 4mm(MA線) | |
ステープル長さ | 16, 19, 25, 32, 38mm | 16, 19, 25, 32, 38mm N5004HMF:25, 32, 38, 45, 50mm |
隅打ち性能 | 5mm | 3mm |
動力 | バッテリー | エア |
エアダスタ機能 | × | 〇 |
重量 | 3.1kg | 1.2kg |
工具寸法 | 282×321×87mm | 296×241×60mm |
初期導入費用 (参考) |
一式:89,000円(税抜) | 本体:61,000円(税抜) コンプ:168,000円(税抜) |
HiKOKIの強みが活きる製品、リフォーム需要への答えの一つ
最近はパッとしない新製品展開が続いていたHiKOKIですが、現在のHiKOKIが得意とする電動釘打ち機の分野で業界初の製品投入が行われたので、やっとらしくなってきた感があります。
製品の需要的な面で評価すると、昨今の住宅事情としては、新設住宅着工自体は減少気味にあるものの、コロナ禍で高まった住空間への関心を背景にリフォーム市場については僅かに微増傾向にあり、これらのリフォーム需要を満たす製品として要注目の製品と言えるでしょう。
住宅用床材の分野としても、無垢材フローリングや建具・収納、キッチン、サニタリーも含めたトータルコーディネート志向によるフローリング材の普及などが進んでおり、住宅・非住宅用途に捉われない広い用途でリフォーム需要が広まっています。
フロア張り替えの作業に従事するユーザーは、既にコンプレッサとエアフロアタッカを持っているので、劇的な買い替え需要が起こるかは少し難しいと見ていますが、コロナ禍における住宅事情の変化によってリフォーム中心の作業が増えてくるとするならば、直ぐに段取りができて機動力の高い本製品は見逃せない1台となりそうです。