電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレス冷温庫 UL18DCを2022年6月10日(金)より全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。横幅を小さくした18Lコンパクトモデルで2部屋セパレート時の温度差は60℃まで向上。出力端子にUSB Type-Cやシガーソケット12V出力などを備える。本体希望小売価格は68,800円(税別)
目次
HiKOKI コードレス冷温庫 UL18DC
電動工具ブランド HiKOKIを展開する工機ホールディングス株式会社は、2022年6月10日(金)よりコードレス冷温庫 UL18DCを発売します。
UL18DCは、昨年6月に発売したUL18DBの性能向上・コンパクトサイズモデルです。着脱可能な仕切板の庫内2部屋機能をそのままに、庫内温度差を最大60℃まで向上し、新たに冷蔵と冷凍の同時使用に対応します。
コンセントや車載用電源に接続した際の蓄電池(バッテリー)の充電時間が約1時間40分短縮され、バッテリー充電機能も強化されています。付加機能としてUSB PD出力やシガーソケット端子12Vも追加され、スマートフォンの急速充電や市販の12V機器などの電源としても活用できます。
カラー展開は、アグレッシブグリーンとフォレストグリーンに加え、新たにサンドベージュを加えた3色で展開します。
販売仕様は、マルチボルトバッテリー BSL36B18が付属する(WM)と本体のみの(NM)で販売します。
- UL18DC(WM) アグレッシブグリーン バッテリーBSL36B18付属 85,600円(税別)
- UL18DC(NM) アグレッシブグリーン 本体のみ 68,800円(税別)
- UL18DC(WMG) フォレストグリーン バッテリーBSL36B18付属 85,600円(税別)
- UL18DC(NMG) フォレストグリーン 本体のみ 68,800円(税別)
- UL18DC(WMB) サンドベージュ バッテリーBSL36B18付属 85,600円(税別)
- UL18DC(NMB) サンドベージュ 本体のみ 68,800円(税別)
製品仕様 (2021年モデル UL18DB比較)
製品名 | UL18DC | UL18DB |
---|---|---|
外観 | ||
内容積 | 仕切り板なし: 18L 仕切り板あり:8L+8L |
仕切り板なし: 25L 仕切り板あり:8L+15L |
庫内最大温度差 | 60℃ | 30℃ |
温度設定(保温) | 10~60℃(5℃単位) | 10~60℃(5℃単位) |
温度設定(保冷) | -18/-15/-10/-5/0/5/10℃ | -18/-15/-10/-5/0/5/10℃ |
対応電源 | 14.4V/18V AC100V/DC12-24V |
14.4V/18V AC100V/DC12-24V |
バッテリ差込数 | 2本 | 2本 |
バッテリ充電機能 | 〇 | 〇 |
冷却方式 | コンプレッサ | コンプレッサ |
温蔵方式 | ワイヤヒーター | ワイヤヒーター |
USB出力 | Type-A: 5V-2.4A Type-C:5V-2.4A/9V-2.2A |
Type-A:5V-2.4A |
シガーソケット出力 | 12V | × |
カラー | アグレッシブグリーン フォレストグリーン サンドベージュ |
アグレッシブグリーン フォレストグリーン |
重量 | 15.2kg (BSL36B18 装着時) |
16.6kg (BSL36B18 装着時) |
寸法 | 553×340×450mm | 653×340×450mm |
本体価格 | 68,800円(税別) | 69,800円(税別) |
販売年月 | 2022年6月 | 2022年4月 |
製品の特徴
「横幅がスリムになったコンパクトサイズ充電式冷温庫」
従来モデルのUL18DBよりも軽量・コンパクトになり、コンパクトカーにも収納しやすいサイズ感になりました。
庫内容量は18Lで、仕切り板使用時でも2Lペットボトルを4本、仕切り板未使用時では500mLペットボトルを最大20本収納できます。
庫内の最大温度差が60℃まで向上
庫内を付属の仕切板で2部屋にセパレートでき、左右で異なる温度を設定できます。
UL18DCでは2部屋間の最大温度差が従来モデルの30℃から60℃へ向上し、1つの冷温庫で冷蔵と保温の同時使用にも対応できるようになりました。
新色「サンドベージュ」が追加
UL18DCでは新たにサンドベージュが加わりました。
装着バッテリーの充電時間が短縮
コンセントや車載用電源に接続した状態で蓄電池をセットすると、保冷・保温しながら蓄電池を充電することができます。従来モデルのUL18DBよりも充電時間を約1時間40分短縮しています。
USB PD出力に対応、スマホの急速充電に対応
新たにUSB Type-C端子を搭載し、USB PD対応のスマートフォンなどの急速充電に対応します。
USB PDの出力仕様は、5V-3A/9V-2.2Vの2種です。
最大120Wの12Vシガーソケット出力端子を搭載
12V出力ソケットを搭載したことで市販の12V出力機器(ファン、電気毛布など)を使えます。
別売でケトルも発売
HiKOKI純正のアクセサリとして、12Vシガーソケット電源のケトルも展開します。
ただし12V電源のケトルは最大電力が100W程度しか取れない仕様上、500mlの水を沸かす場合でも30分ほど必要なので家庭用のケトルと同じような使用は難しいと考えられます。
【別売部品】ケトル コードNo.0000-4600 9,000円(税別)
マキタ 充電式保冷温庫 CW003Gとの違い
UL18DCとコンパクトモデルの保冷温庫として競合するのは、先月発売されたばかりのマキタ 充電式保冷温庫 CW003Gです。
昨年発売の25Lモデルのクラスでは根本的なコンセプトに大きな違いは生まれなかったものの、2022年モデルの小型サイズのクラスに関してはマキタとHiKOKIで大きく方針が分かれました。
マキタ CW003Gに関してはコンパクトサイズを突き詰めた庫内容量を大きく削った7Lモデルですが、HiKOKI UL18DCに関しては、実用上問題とならない程度の18Lモデルであり、倍以上の容量差があります。
個人的な印象としては、今回のUL18DCに関しては25Lクラスの後継に当たる製品であり、本当の意味でコンパクトサイズの保冷温庫と言える製品はマキタCW003Gだけであると考えられます。
とは言っても、CW003Gのサイズ感に関してはコンパクトに攻めすぎているので、実用途や汎用性を考慮した場合UL18DCに軍配が上がりそうです。
この辺りはユーザーの用途によりけりなので断言はできませんが、この2製品はサイズ的に競合する製品ではないため、それぞれの用途において最適なサイズを選ぶのが良いでしょう。
製品名 | UL18DC | CW003G |
---|---|---|
外観 | ||
内容積 | 仕切り板なし: 18L 仕切り板あり:8L+8L |
7L |
庫内寸法 | – | 210×150×220mm |
能力 | – | 冷却時:65W 加熱時:36W |
温度設定(保温) | 10~60℃(5℃単位) | 30/35/40/45/50/55/60℃ |
温度設定(保冷) | -18/-15/-10/-5/0/5/10℃ | -18/-15/-10/-5/0/5/10℃ |
対応電源 | 14.4V/18V AC100V/DC12-24V |
40Vmax/18V/AC100V/DC12-24V |
バッテリ差込数 | 2本 | 1本 |
バッテリ充電機能 | 〇 | × |
冷却方式 | コンプレッサ | コンプレッサ |
温蔵方式 | ワイヤヒーター | ワイヤヒーター |
USB出力 | Type-A 5V-2.4A Type-C 5V-2.4A/9V-2.2A |
Type-A 5V-2.4A |
シガーソケット出力 | 12V | × |
防水保護等級 | – | IPX4 |
カラー | アグレッシブグリーン フォレストグリーン サンドベージュ |
マキタブルー・オリーブ |
重量 | 15.2kg (BSL36B18 装着時) |
8.8kg (BL4050F 装着時) |
寸法 | 553×340×450mm | 456×245×308mm |
本体価格 | 68,800円(税別) | 69,800円(税別) |
販売年月 | 2022年6月 | 2022年4月 |
順当なUL18DBの後継モデル、これ1台でほとんどの用途は満たせる
製品リリースではコンパクトモデルと謳っているものの、製品コンセプトとしてはUL18DBの順当な後継モデルの印象です。
従来モデルのUL18DBに関しては、2020年発売のマキタ CW180Dを強く意識したサイズでしたが、マキタ以前にHiKOKIが展開していた冷温庫はUL18DAのサイズだったので、外観サイズをそれに合わせることでペルチェ式モデルのUL18DSL/UL18DAユーザーからの買い替え需要を狙っているのかもしれません。
庫内容量に関しては少なくなってしまったものの、現場での冷えた飲み物確保やアウトドア用途であれば18Lでも十分実用的と考えられ、性能向上的な面も含み、HiKOKIの主力冷温庫はUL18DBからUL18DCに移行するのではないかと予想しています。
さてUL18DCは全体的に優秀な製品であり、USB PDの搭載やシガーソケット出力などの新たな付加機能も評価できるものの、別売品のケトルに関してだけはHiKOKIの製品展開戦略としては節操が無く、余計だったと思っています。
HiKOKIはマルチボルトシリーズの展開以降、プロユーザーに絞った電動工具の製品展開を続け、直近も「MVの拡販に取り組む」と公言していますが、マキタのアウトドア製品が話題と知るやいなや、非電動工具・非充電式の製品をHiKOKI販路に加えて市場の話題性に便乗しようとするやり方は安直であり、もう少し別の手段もあったのではないかと考えてしまいます。
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