電動工具ブランド「HiKOKI」を展開する工機ホールディングスは、クラッチ構造の改善と無接点スイッチを採用した新型のボード用ドライバ「W4SE2」「W5SE2」の2機種を販売します。前モデルのW4SEにも搭載された「無音クラッチ」の改善によりネジの浮き沈みを安定させ、トリガスイッチの「無接点化」でスイッチの不良を防止する構造など、様々な改良が施された期待の製品です。
目次
HiKOKIブランド、ボード用ドライバ 期待の新型が登場
電動工具ブランドHiKOKIを展開する工機ホールディングスは、2020年2月に石膏ボード張りに使用するボード用ドライバの新製品「W4SE2」と「W5SE2」を販売します。希望小売価格は32,600円(税別)
W4SE2は、2016年に販売したボード用ドライバW4SEの後継機種になる新モデルで、AC100Vで動作するAC電源のボード用ドライバです。
「ACブラシレスモーター」搭載による軽量化と「無音クラッチ」による作業性をそのままに、「クラッチプレートの大型化」でネジの浮き沈み量を安定させ「無接点スイッチ」の搭載による粉じんへの耐久性を向上したモデルです。
- W4SE2 希望小売価格32,600円(税抜)
- W5SE2 希望小売価格32,600円(税抜)
前モデル「W4SE」との違い
W4SE2は、2016年に発売して好評を博したW4SEの後継モデルです。
スペック的には前モデルのW4SEと大きな変更はありませんが、ネジの浮き沈みの改善や、スイッチの変更、全長の短縮による業界最小最軽量ボディなど、使い勝手の部分に細かな改善点が随所にみられるモデルです。
「クラッチプレートの大型化」でネジ浮き沈みの安定化
W4SE2では、クラッチプレートの構造が変わり、W4SEのΦ17からW4SE2ではΦ21に大径化しています。
ボード張りでは、ボードを止めた時のネジの浮き沈みのバラつきが小さい方が良いので、各社様々な構造や制御によってバラつきが小さくなるよう工夫を凝らしています。W4SE2では、クラッチプレートの大径化によって適切なネジ沈み量で駆動力を切るように改善されています。
「9mmの全長短縮」で取り回しの向上
W4SE2では全長サイズが254mmと短くなり、前モデルのW4SEから-9mmの全長短縮を実現しています。
更に、電動工具の取り回しで重要な重心モーメントの位置も約20mmグリップ側に近づき、操作しやすく疲れにくい構造になっています。
「無接点スイッチ」の採用で耐久性アップ
W4SE2で最も大きな改善が「無接点スイッチ」の搭載です。
スイッチ内部の接点が無くなり、磁力の検知による無接点スイッチになったことで接点不良が無くなり、粉じんの舞いやすいボード張り作業でも耐久性の高い製品になりました。
製品仕様
形名 | W4SE2 | W5SE2 |
製品外観 | ||
能力 (ドライウォールネジ) | 4mm | 5mm |
無負荷回転数 | 6,500min-1(回/分) | 5,000min-1(回/分) |
電源 | 単相交流 50/60Hz 電圧 100V | 単相交流 50/60Hz 電圧 100V |
モーター | ブラシレスモーター | ブラシレスモーター |
電力 | 4.7A | 4.7A |
消費電力 | 400W | 400W |
寸法(全長×全高×全幅) | 254×152×60mm | 254×152×60mm |
質量 | 0.9kg | 0.9kg |
コード長 | 2 心・20m | 2 心・20m |
カラー | グリーン ブラック ホワイト | グリーン ブラック ホワイト |
前モデル「W4SE」との比較
形名 | W4SE2 | W4SE |
外観 | ||
能力 (ドライウォールネジ) | 4mm | 4mm |
無負荷回転数 | 6,500min-1(回/分) | 6,500min-1(回/分) |
無音クラッチ | Φ21mm×?枚 | Φ17mm×24枚 |
スイッチ | 無接点スイッチ | 接点スイッチ |
オンロックスイッチ | ? | 〇 |
電源 | 単相交流 50/60Hz 電圧 100V | 単相交流 50/60Hz 電圧 100V |
逆転ドリル構造 | 〇 | 〇 |
モーター | ブラシレスモーター | ブラシレスモーター |
電力 | 4.7A | 4.7A |
消費電力 | 400W | 400W |
寸法(全長×全高×全幅) | 254×152×60mm | 263×141×61mm |
カラー | グリーン ブラック ホワイト | グリーン ブラック ホワイト レッド |
堅実に進歩したボード張りの専用工具
W4SE2は前モデルのW4SEから大きな変更こそないものの、前モデルの課題や問題点を確実に克服したマイナーチェンジモデルです。特に無接点スイッチの搭載は、ボード張りを行うユーザーにとって、接点不良のスイッチ故障が発生しなくなる待望のスイッチです。
HiKOKIのボード用ドライバは、マキタ FS600Dと人気を二分するモデルですが、今回の無接点スイッチの搭載や、クラッチプレートの大径化によるネジの浮き沈みのバラつきの改善によって、作業性も大きく改善されたボード用ドライバの決定版モデルと言えそうです。
AC電源で動作する電動工具でマキタユーザーの方も導入しやすいので、ボード張りを行う職人にとって必見の製品になりそうです。