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2021年11月4日

HiKOKI WR36DC コードレスインパクトレンチ、木工モード搭載で大工作業に活躍

HiKOKI WR36DC コードレスインパクトレンチ、木工モード搭載で大工作業に活躍

HiKOKIから2018年9月に発売された新製品のインパクトレンチ『WR36DC』は、木造住宅に使うコーチスクリューや接合金物の締め付けに最適な『木工モード』を搭載した新製品です。今までのインパクトレンチは単管の組み立てなど、ボルト締結の作業性をウリにした製品が多かった印象ですが、今回新製品となるWR36DCはコーチボルトや土台緊結座金、羽子板ボルトなど大工さんにも最適なモードを搭載したインパクトレンチです。

新木工モードを新たに搭載 WR36DC

インパクトレンチWR36DCはマルチボルトに対応した小型・軽量タイプの新型インパクトレンチです。

WR36DCはインパクトレンチの新しい機能として『木工モード』を搭載しています。木工モードを使用すればコーチボルトや土台緊結皿座金の締付作業で、前モデルのWR18DBDL2やACブラシレスのWR16SEよりも素早い締め付けができるようになっています。

これまでのインパクトレンチが足場や鉄骨の締結力をアピールしていたのに対し、WR36DCでは木造住宅での作業前面にアピールポイントとしていることから、大工さん向けに考えられた製品です。

  • WR36DC(2XP) 充電器・バッテリー・ケース付属 希望小売価格79,800円(税抜)
  • WR36DC(NN) 本体のみ 希望小売価格34,700円(税抜)

木工モードが追加

今回のWR36DCでは木工モードという機能が追加されていますが、強モードだけでもよさそうなのに、なぜ新しく木工モードが追加されたのでしょうか。

それは、ボルトと木ねじの締付ける時の締付ける力の違いに理由があります。

例えば、スペック上1000N・m以上の締め付けトルクがある大型のインパクトレンチに6.35mmのプラスビットを装着して木ねじを締付けたとしても、180N・m前後のインパクトドライバーと作業時間はさほど変わりません。これは、ハンマーの構造やモーターの特性からそれぞれの作業に最適化されているためです。

WR36DCでは、ボルトと木ねじでモーター動作を切り替えられるようにすることで、最適な作業を行えるようにしているものと考えられます。

新モードだけじゃない、サイズそのままで取り回しやすく!

WR36DCでは、近いスペックのWR16SEと比較すると83mmも小さくなって取り回しやすくなっています。重量もバッテリー込みで1.9kgと軽くなっており、コードレスの電動工具である点も加えて非常に使いやすいインパクトレンチとなっています。

過去モデルとのカタログスペック比較

WR36DCと同クラスの過去モデルのインパクトレンチ比較すると、無負荷回転数と打撃数が大きく向上しているのがポイントになります。その一方で、ACブラシレスのWR16SEと比べると締め付けトルクは低くなっていますが、これは締め付けトルクの大きさと木ねじの締め付け速度は大きく関係していないことをそのまま表しています。

本体のサイズは18VモデルのWR18DBDL2と同サイズとなっていて、既存のケースやホルダーをそのまま使いまわすことができます。

製品名 WR36DC WR16SE WR18DBDL2
外観
締め付けトルク 300N・m 360N・m 280N・m
無負荷回転数 3,000min-1 1,600min-1 2,700min-1
打撃数 4,000min-1 1,900min-1 3,600min-1
機体寸法 145mm×244mm 228mm×260mm 145mm×244mm
重量 1.9kg 2.5kg 1.8kg
電源 マルチボルト36V AC100V 18V

足場や鉄骨組立もOK、新スタンダードインパクトレンチ

WR36DCは「木工モード」を搭載したことで木ねじ向けのインパクトレンチという印象を受けますが、モード切替で「強モード」にすれば、鉄骨や足場の組立などのこれまで通りのボルト締結にも使用することが可能です。

またカタログを見て気づいたのが、これまでのインパクトレンチの定番の謳い文句となっていた「最大締め付けトルク」のアピールが抑えられているところです。そのため今回のWR36DCでは締め付けトルクではなく木ねじの締め付け速度をアピールしていたのが特徴的です。実際にカタログを比較すると、前モデルのWR18DBDL2に見られたようなトルク表記は無くなっています。

(左)WR36DCと(右)WR18DBDL2の製品カタログ。これまでのインパクトレンチと言えば、最大締め付けトルクを大きくアピールしていたが、WR36DCのカタログでは締め付けスピードが強調されている。

現在主流の最大締付けトルクによるスペック表記は、メーカー各社で測定条件も統一されておらず、測定誤差も大きいので個人的には不適切なやり方であると考えています。今回のようにトルクは参考値として留め、新しく締め付け時間前面に記載したことは、ある意味でユーザー目線の新しいアピール方法と言えるのかもしれません。

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