電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレスインパクトレンチ WR36DHを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。2kg以下のクラスで業界最大の締結トルクが特長。希望小売価格は38,500円(税抜)
目次
HiKOKI コードレスインパクトレンチ WR36DH
電動工具ブランド HiKOKIを展開する工機ホールディングス株式会社は、コードレスインパクトレンチ WR36DHを発売します。
WR36DHは、本体重量2kg以下クラスで業界トップの性能を持つコードレスインパクトレンチです。
最大締付トルク 350N・m、最大緩めトルク650N・mのトルクを持ち、従来モデル WR36DC比較で約1.3倍の作業スピードを実現しています。
ボルトの締め過ぎを防止するオートストップ機能(正転)、緩め過ぎによるナットの落下防止を補助するオートスロー機能(逆転)などの制御機能を追加したほか、Bluetooth®で連動することでスマートフォンの専用アプリから回転数、オートストップ時間やLEDライト点灯時間などを調整でき、作業に応じた使いやすさを追求できる製品仕様になっています。
18VモデルのWR18DHも同時発売し、販売仕様はバッテリー充電器が付属する(2XPSZ)(2XPZ)と本体のみの(NN)で展開します。
- WR36DH(2XPSZ) マルチボルト蓄電池 BSL36A18BX×2・充電器UC18YDL2・ケース付属 希望小売価格90,800円(税抜)
- WR36DH(NN) 本体のみ 希望小売価格38,500円(税抜)
- WR18DH(2XPZ) マルチボルト蓄電池 BSL36A18X×2・充電器UC18YDL2・ケース付属 希望小売価格83,800円(税抜)
- WR18DH(NN) 本体のみ 希望小売価格35,200円(税抜)
製品仕様 (従来モデル WR36DC比較)
製品名 | WR36DH | WR18DH | WR36DC |
---|---|---|---|
外観 | |||
締付能力 | 普通ボルト:M10~M20 高力ボルト:M10~M16 |
普通ボルト:M10~M20 高力ボルト:M10~M16 |
普通ボルト:M10~M20 高力ボルト:M10~M16 |
最大締付トルク | 350N・m (M20高力ボルト) |
310N・m (M20高力ボルト) |
300N1・m (M20高力ボルト) |
最大緩めトルク | 650N・m | 550N・m | – |
先端形状 | 12.7sq | 12.7sq | 12.7sq |
モーター | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
無負荷回転数 | 3,000min-1 | 2,800min-1 | 3,000min-1 |
打撃数 | 4.100min-1 | 4,000min-1 | 4,000min-1 |
Bluetooth | 〇 | × | × |
振動3軸合成値 | 14.9m/s2 | 14.4m/s2 | 15.6m/s2 |
防じん防水 | IP56 | IP56 | IP56 |
重量 | 2.0kg | 2.0kg | 1.9kg |
寸法 | 144×251×32mm | 144×251×32mm | 145×251×32mm |
本体価格 | 38,500円(税別) | 35,300円(税別) | 36,200円(税別) |
販売年月 | 近日発売 | 2023年8月 | 2018年9月 |
製品の特徴
「2.0kgクラスのインパクトレンチでトップクラスの性能」
マルチボルトバッテリーとブラシレスモーターを搭載によって、2kg以下のインパクトレンチクラスで最速のスピードとトルクを実現しています。
従来製品WR 36DCに比べ締付けスピードが約1.3倍、ボルト緩めスピードが約2倍以上速くなりました。
オートストップ機能でボルトの絞め過ぎを防止
様々な作業に対応できる4段階設定で、あらかじめ設定された時間で自動停止するので、締め過ぎによるボルトの破損を防止します。
オートスロー機能でナットの脱落防止を補助
逆転時は、ボルトのゆるみを検知した後、一時停止し、その後、低速で再起動するオートスローモードも搭載。設定された時間・回転速度に自動で停止・変速し、ナットの脱落防止を補助します。(スイッチ引き量が最大の時のみ。)
Bluetoothアプリ連携で動作カスタマイズに対応 (WR36DHのみ)
お手持ちのスマートフォンに専用アプリ「HiKOKI TOOLS」をダウンロードしてBluetooth®蓄電池を取り付けると、4段階で「オートストップ機能の回転数(パワー)」、0.1~10秒(0.1秒刻み)で「オートストップ時間」の調整ができます。
HiKOKI TOOLS
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防水防じんIP56に適合
防じん防水保護等級IP56に適合、屋外作業時の急な雨天や粉じんの舞う環境下での作業にも対応します。
自分好みにカスタマイズできるカラープレート
インパクトドライバ WH36DCと同じカラープレートを装着可能。
18Vモデル WR18DH 7月20日先行発売
18V動作のコードレスインパクトドライバ WR18DHは2023年7月20日に先行発売します。
従来モデルのWR18DBDL2よりも締付、緩めともに作業スピードが向上しています。ただし、こちらのモデルはBluetooth接続によるカスタマイズには対応していません。
マキタ 充電式インパクトレンチ TW004Gとの比較
WR36DHと同じクラスのコードレスインパクトレンチとしては、マキタ TW004Gが挙げられます。
製品仕様の比較として、HiKOKI WR36DHとマキタTW004Gはほぼ同じスペックを持つ製品です。締付トルクの数値ではWR36DHの方が高くなっていますが、この値はほとんど誤差のような数値と考えられます。
製品の印象としてそれぞれの製品カタログを見ると、WR36DHは作業スピード重視、TW004Gは耐久性重視と言えるのかもしれません。特にTW004Gはカタログ上で明確に「高負荷連続作業に強い」「バッテリ2本連続使用可能」と書いているので、連続した締結作業においてはマキタ TW004Gの方が優勢かもしれません。
WR36DHに関しては、作業スピードとBluetooth接続によるカスタマイズ性が魅力的な製品です。素早い作業スピードと動作カスタマイズで幅広い作業に対応できるので、使い勝手の面においてはWR36DHの方が優勢と言えそうです。
製品名 | WR36DH | マキタ TW004G |
---|---|---|
外観 | ||
締付能力 | 普通ボルト:M10~M20 高力ボルト:M10~M16 |
普通ボルト:M10~M20 高力ボルト:M10~M16 |
最大締付トルク | 350N・m (M20高力ボルト) |
320N・m (M20高力ボルト) |
最大緩めトルク | 650N・m | – |
先端形状 | 12.7sq | 12.7sq |
モーター | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
無負荷回転数 | 3,000min-1 | 3,200min-1 |
打撃数 | 4.100min-1 | 4.000min-1 |
Bluetooth | 〇 | × |
振動3軸合成値 | 14.9m/s2 | 16.5m/s2 |
防じん防水 | IP56 | IP56 |
重量 | 2.0kg | 1.9kg |
寸法 | 144×251mm | 144×248mm |
本体価格 | 38,500円(税別) | 31,900円(税別) |
販売年月 | 2023年8月発売予定 | 2020年8月 |
締付モード切替で木工モードが無くなった点に注意
今回のWR36DHは、2018年発売のWR36DCの後継となるモデルです。
当時のWR36DCは土台緊結皿座金、羽子板ボルト、コーチボルトと言った太径木工ネジ向けの「木工モード」を搭載しているのが売りでしたが、今回のWR36DHでは木工モードのような機能は無くなっています。木工ネジ向けの作業を行う場合であれば、オートストップ機能モードをOFFにすれば普通に連続打撃するようになります。
付加機能面こそ若干変わりましたが、性能面では確実に向上しているので、WR36DCを使っていた方であれば買い替えを検討しても良さそうな製品です。Bluetooth接続やカラープレート装着など面白い機能もあるので、HiKOKIの最新機能を試すにも丁度良いと言えるでしょう。
18Vモデルは先行発売ですぐに入手できるモデルではあるものの、購入するなら36VモデルのWR36DH一択と言えます。BSL1850CやBSL1840Mなどのスリムバッテリーが付属する販売仕様ならまた話も違うのですが、工機HDのマルチボルト戦略に対する意図はいまいち理解できません。
ちなみに、カタログに書かれている従来機種比較のグラフですが、WR36DHの比較のみ数値と図表の割合が異なるグラフになっています。この描き方は、俗に言う「詐欺グラフ」に近い表示とも言えます。今回の製品はこんなことをしなくても十分な性能向上を図れている製品なので、変な事をする必要は無かったのになと少し残念に思ったりしています。
よく比較される工具
2020年8月発売
2021年10月発売