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当記事で紹介する製品はマキタブランド製品ではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。
目次
マキタ18Vバッテリー互換 ターボジェットファン
今回紹介する製品は、香港の工具屋で購入したメーカー不祥のマキタ18Vバッテリー互換のターボジェットファンです。
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最近はこの手のハンディタイプの高出力ブロワが流行っており、今回の製品は高出力ブロワのマキタ18Vバッテリーで動作する製品です。
このタイプのブロワはエアダスタに近い形状ながら、圧倒的なファン回転数による高い風量と風速を兼ね備えた製品なのが特徴です。その強力な風量を活かして除雪や落ち葉除去作業などにも使えるようです。
本製品は香港のとある工具店で購入したものですが、同じ製品は日本の通販サイトでも購入できます。
製品の特徴
「強い風速と大風量のエアダスタ型ブロワ」
このブロワは、小型の片手で持てるハンディサイズのブロワながらも園芸向けブロワ並のパワーを持つ充電式ブロワです。
詳しい製品仕様は開示されていないものの、120,000rpmのファン回転と60m/sの風速によって除雪から落ち葉掃除まで幅広い吹き飛ばし作業に対応できます。
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冗談とか誇張表現ではなく、軽く握った状態でトリガーを引いてしまうと反動で手が持ってかれてしまうくらいの風量があります。
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風量の測定は難しいので、台はかりから5cm程度浮かして吹付を行った時の重量を計ってみます。満充電状態のバッテリーを装着した時には約1,000gの重量になりました。
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AC電源のブロワでは約500gの計測だったので、このブロワは一般的な手持ちサイズのACブロワよりも高いパワーがあるようです。
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ちなみに、トリガーを引き続けると重量は目に見えて減ってしまい、1,000gもの性能が出せるのは最初の10秒程度なので、このブロワの性能はバッテリーの放電能力に大きく依存するもので、バッテリーの放電や劣化が進んでいると性能は下がってしまうようです。
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とにかく騒音が酷い
このブロワは動作時の騒音が酷く、とにかく五月蠅い製品です。
満充電直後の最も風量が高い動作域では、ファンの回転数も特別高く、風切り音がとにかく耳につくので耳栓をしなければ耐えられないので注意が必要です。
ブラシレスモータ搭載のブロワ
中国マキタ互換の格安電動工具ではあるものの、ブラシレスモータを搭載する意外と高性能な製品となっています。
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コントローラはアルミケースに収めてある冷却を考慮したような設計になっています。日本ブランドならもうこの時点で3,000円台の価格では絶対収まらないような設計になっています。
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基板側はエポキシで固められています。はんだ付け部分がそのまま露出しているのは気になるものの、結構手間のかかった基板になっています。
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ターミナルには、2pin構造の互換ターミナルが採用されています。マキタの高出力電動工具は3pin仕様のターミナルを用いているため、この製品の2pinターミナル仕様は少し不安があります。
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モータは3端子仕様のブラシレスモータが装着していました。位置検出の信号線は無いので、センサレス駆動のモーターと考えられます。
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スイッチはQIANTENG社の工具用スイッチが搭載されていました。スイッチ自体に電源線やトランジスタは搭載しておらず、抵抗のみの可変抵抗スイッチと想定されます。
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配線を見てみると、切断された配線がありました。これはLED点灯用の配線と推測されますが、本ブロワはLEDが無いモデルなのでこのような処置で済ませたのかもしれません。
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本機に搭載しているモータはブラシレスモータですが、高度なモータ制御などは搭載していないようです。LED配線や変速スイッチなどを見る限り、本モータはブロワに限らずインパクトやドリルなど汎用的に使われる低価格なコントローラと予想しています。
バッテリーへの負荷は高いので連続使用には注意
販売している製品名にはターボジェットファンと書いてあるものの、本来のターボの意味は排気を利用して吸気を向上するエンジンに関する用語です。本製品のファン構造は軸流ファンで羽も一か所しか搭載していないので、ターボジェット的な構造ではありません。
今回のマキタ互換製品に関しては香港で購入したものなのですが、日本のAmazonや楽天でも取り扱っているネットモールもあり入手は容易です。古い製品だとブラシモータ仕様のものもあるようなので、実際に購入する際には注意は必要かもしれません。
マキタバッテリー互換電動工具に関してはグレーな製品も多いのですが、マキタバッテリーは構造的に転用しやすい仕様なのでこういう互換工具が普及してしまうのも仕方ないかなと思っています。とは言え、製品本体の耐久性が未知数で出力も高い製品であるため、必ず純正バッテリーを使用しゴーグルも装着して使用した方が良いです。
風の強さで比較すれば、園芸用の大型ブロワを除いて風量、風速、共にマキタ純正を大きく超える性能を搭載しており、これを一回使ってしまえばマキタ AS001GやHiKOKI RA18DAに物足りなさを感じてしまうほどです。しかしながら、この互換ブロワはバッテリー性能や安全を無視して作られた印象が強いので、連続動作などは避けた方が良さそうです。
安全面に関しては、申し訳程度にファン部分にガードが装着されているものの、小指を差し込めばファンに触れてしまう程度の網目なので注意が必要です。回転数が速くモータ出力も高いので、万が一ファンが人体に触れると悲惨なことになるので、髪の長い方や子供には絶対に触らせないようにしましょう。
制御回路や挙動を見る限り、回転数を抑える制御が入っている感じが無いので性能は装着バッテリーの出力性能に依存していると予想しています。十数秒回しただけで性能は目に見えて落ちますし、バッテリーもほんのり暖かくなるのでバッテリーや回路への負担は相当なものと想定しているので、ずっとトリガーを引いて使うような動作はしない方が良いでしょう。
よく比較される工具
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2023年1月発売
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2021年10月発売
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2021年3月発売
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2022年9月発売