
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2025年8月に40Vmaxシリーズの充電式ヒートガン HG001Gを発売する。最大温度600℃に最大風量200L/minの使用を備え、液晶ディスプレイ搭載で10℃単位の温度調整機能を備える。本体標準小売価格は29.600円(税別)
当記事は2025年8月5日に公開した海外製品情報を国内販売にあたって差し替えています。
差替え前の公開当時の記事はこちらになります(→ Makita HG001G Cordless Heat Gunを発売、40Vmaxバッテリ対応の充電式ヒートガンが登場)
目次
マキタ 充電式ヒートガン HG001G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、40Vmaxバッテリに対応する充電式ヒートガン HG001Gを発表しました。

HG001Gはマキタ40Vmaxシリーズ初の充電式ヒートガンです。
従来18Vモデル HG181Dの最大温度 550℃よりも高い600℃仕様を備えており、4段階の風量調節機能と液晶パネル搭載の温度操作による10℃単位の調整機能を搭載しています。
40Vmaxバッテリの採用によって約1分で最高温度の600℃に到達する性能を備えており、バッテリ残量が低下した場合でも温度・風量が低下し難い制御を搭載しています。
販売仕様は、ケースのみが付属するHG001GZKのみ販売します。
- HG001GZK ケース付属 希望小売価格29,600円(税抜)
製品仕様 (18Vモデル HG181DG比較)
製品名 | HG001G | HG181D |
---|---|---|
外観 | ![]() |
![]() |
温度 | ~600℃ | ~550℃ |
風量 | 風量1:120L/min 風量2:150L/min 風量3:180L/min 風量4:200L/min |
風量1:70L/min 風量2:110L/min ※風量仕様値が改定 |
ノズル径 | 34.5mm | 34.5mm |
バッテリ | 40Vmax | 18V |
重量 | 1.7 kg | 1.3kg |
寸法 | 191x86x272 mm | 173×79×255mm |
本体価格 | 29,600円(税抜) | 22,600円(税抜) |
販売年月 | 2025年8月 | 2022年2月 |
製品の特徴
「40Vmaxバッテリ対応のマキタ充電式ヒートガン」

HG001Gは、40Vmaxバッテリ対応の充電式ヒートガンです。
最大温度が従来18Vモデルの550℃から600℃に向上しており、風量も1.8倍※となる200L/min仕様を備え熱収縮フィルムの加熱収縮からシーリング材の剥離、シール剥がしなど幅広い作業を効率的に行えます
40Vmax対応による大容量バッテリの装着で1充電当たりの使用量も向上できるようになり、18Vモデルの時よりも長時間使用できるようになりました。
※HG001Gの発売に合わせ、従来18VモデルHG181Dの最大風量仕様値を120L/minに改定
バックライト付きの液晶画面を搭載

本体上面後方にバックライト付きの液晶パネルと操作ダイヤルを搭載。
50~600℃の範囲で10℃単位の温度調整と4段階の風量切替にも新たに対応しています。
バッテリ残量が少なくなっても温度を維持

バッテリ残量が少なくなっても温度・風量が低下せずバッテリ放電間際まで均一な作業性を実現します。
40Vmax化で順当に性能アップ、風量の解釈が変わったので業界トップの製品かは仕様値だけでは不明に
HG001Gは40Vmaxバッテリの採用によって大幅な性能向上を実現しているのが特徴の製品です。
充電式のヒートガンは風量が控えめで電源コード式ほどの作業性は期待できない製品ではありましたが、今回のヒートガンの登場に関しては若干期待して良いかもしれません。
さて、今回の充電式ヒートガンに関してですが、風量の表記周りが色々とややこしいことになっていて、今回のHG001Gの発売にあたって、従来18Vモデル HG181Dの風量が変わっていたりします。
マキタの18Vモデル HG181Dは発売当初こそ風量200L/minとしていましたが、今回のHG001Gの風量仕様値では「周囲の空気を巻き込んだ風量」の注記を追加しており、それに伴いHG181Dの最大風量値を110L/minに改定しました。

これがマキタ1社だけの都合であれば、風量の仕様値を変えたことを一方的に攻められるのですが、筆者はこの風量仕様値の表記に関してはマキタだけに留まらず、同じく充電式ヒートガンを販売する京セラやHiKOKIも同じ状況ではないかなと考えています。
ヒートガンは、基本的にニクロム線のヒーターに送風用のファンが付いているだけのシンプルな製品であり、各社の製品に技術的な差異はほとんどありません。そのため、温度が高く風量が大きくなるほど消費電力も大きくなり、1充電あたりの使用時間も短くなる特徴があります。
例えば、各社の充電式ヒートガンの使用条件と装着バッテリ、1充電あたりの使用時間を表にすると下記のようになります。
製品名 | 使用条件 | バッテリ条件 | 1充電使用時間 | 発売日 |
---|---|---|---|---|
マキタ HG001G | 600℃ 200L/min | 144Wh (BL4040) | 約14分 | 2025年8月 |
マキタ HG181D | 500℃ 110L/min | 108Wh (BL1860) | 約21分 | 2022年2月 |
HiKOKI RH18DA | 550℃ 300L/min | 90Wh (BSL36A18) | 約17分 | 2022年4月 |
京セラ DHAG180 | 500℃ 200L/min | 108Wh (B-1860LA) | 約22分 | 2020年1月 |
ミルウォーキー M18 BHG | 470℃ 170L/min | 記載なし | 記載なし | 2021年9月 |
こうして一覧で見ると、今回のマキタ HG001Gは各社仕様表の中で最も容量の大きいバッテリを採用しているのにも関わらず、使用時間では14分と短い値になっています。つまり、HG001Gは現時点の充電式ヒートガンの中で最も高出力な製品と言える根拠になります。
そして、今回のマキタ充電式ヒートガンの使用条件を基準にして他社ヒートガンの1充電使用時間を比較すると、HiKOKIと京セラの1充電あたりの使用時間は長すぎる印象を受けます。
この点から、マキタに限らず他社製品もヒートガンの風量値も「周囲の空気を巻き込んだ風量」で表しており、実力値と製品仕様値には大きな乖離があるのかもしれません。
電源コード式のヒートガンであれば消費電力の表記が義務付けられているため、ワット数から製品の能力を想定することはできるのですが、充電式の製品は基本的に消費電力を表記する必要が無いため、ユーザーにとって実際の出力値が分かり難くなってしまったのではないかなと思っています。。
推測としてはここまでなのですが「何故、マキタは今更になって風量の表記方法を変えたのか」「製品仕様を変えてもマキタがしれっとしてる理由は何故か」などを考えると、こういう他社の実態も含んだ色々な事情があるのかな、と考えたりします。
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