電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年10月に充電式ジグソー JV002Gを発売する。40Vmaxバッテリー搭載により従来モデル比較で約20%の切断スピード向上を実現し、ベース面積が広くなったことで切断作業時の安定性も向上した。本体標準小売価格は45,300円(税抜)
目次
マキタ 充電式ジグソー JV002G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年10月に充電式ジグソー JV002Gを発売します。
JV002Gは、40Vmaxバッテリーに対応する充電式ジグソーです。
40Vmaxバッテリーによる36V動作によって、従来18Vモデル比で約20%切断スピードが向上しているのが特徴です。またベース面積も広くなりバタつきを抑制することで安定した切断作業を実現します。
オービタル3段階切替と6段階の切断スピード切替機能を搭載し、持ちやすいボディ形状やロックオンスイッチによって使い勝手にも優れています。
販売仕様は、バッテリー充電器が付属するJV002GRDXと本体のみのJV002GZで展開します。
- JV002GRDX 本体のみ 希望小売価格104,700円(税抜)
- JV002GZ 本体のみ 希望小売価格45,300円(税抜)
JV002G製品仕様 (18Vモデル JV182D比較)
製品名 | JV002G | JV182D |
---|---|---|
外観 |
||
切断能力 | 木材:135mm アルミ:20mm 難鋼板:10mm |
木材:135mm アルミ:20mm 難鋼板:10mm |
傾斜角度 | 左右45° | 左右45° |
オービタル | 3段階 | 3段階 |
ストローク量 | 26mm | 26mm |
ストローク数 | 0~3,500min-1 | 0~3,500min-1 |
1充電作業量 | 合板:約516枚 軟鋼板:約77枚 |
合板:約290枚 軟鋼板:約90枚 |
振動3軸合成値 | 木工:6.1m/s2 金工:4.2m/s2 |
木工:7.0m/s2 金工:3.5m/s2 |
重量 | 2.6kg | 2.5kg |
寸法 | 272×84×208mm | 266×77×208mm |
本体価格 | 45,300円(税抜) | 42,600円(税抜) |
販売年月 | 2023年10月 | 2014年 |
製品の特徴
「40Vmaxバッテリーに対応した充電式ジグソー」
JV002Gは、ハイパワーブラシレスモータの搭載によって従来18Vモデル比較で約20%の切断スピード向上を実現しています。
また1充電当たりの作業量は、合板切断作業時において約516枚の作業量を実現しており、従来18Vモデルの1.5倍以上の作業量に対応します。
オービタル3段階+スピード6段階調整ダイヤル搭載
ブレードを前後させて切断材の食い込みを向上させるオービタル機構の3段階切替と6段階スピード調整ダイヤルを搭載。
用途や材料、作業に合わせた柔軟に対応できます。
ベース面積が拡大でバタつき抑制
従来モデルよりもベース面積を拡大することで、切断作業時に発生するバタつきを抑制。安定した切断作業を実現します。
切断時以外は回転数を抑えるソフトノーロード機能搭載
切断時の負荷を検知するまでストローク数を抑制するソフトノーロード機能を搭載。
本体の振動を抑えられるので、切断を始めるまでの墨線位置合わせなどが簡単に行えます。
LED光量3段階調整機能を搭載
作業面を照らす白色LEDを搭載。主電源ボタンを押すことでLEDの点灯状態を3段階で切り替えることができます。
防水防じんIP56適合
屋外でも安心して使用できる防水保護投球IP56に適合。
HiKOKI コードレスジグソーCJ36DAとの違い
36V動作の充電式ジグソーで競合するのは、HiKOKI コードレスジグソー CJ36DAです。
製品仕様的に両社のモデルはほとんど違いが無く、実用上の違いもほとんど無いものと考えられます。この辺りに関しては手持ちのバッテリープラットフォームに合わせた製品を選ぶのが良いと言えるでしょう
ほぼ同じ仕様の製品ではあるものの、決定的な違いとして電源環境の差が挙げられます。
マキタVJ002Gに関しては、大型のバッテリーBL4050FやBL4080Fがあるので1充電作業量を向上できるのが特徴です。一方のHiKOKI CJ36DAに関しては、マルチボルト対応のAC電源 ET36Aが使用できるのでAC電源のジグソーとして使える利点があります。
取り回しの面を考えればAC電源が直接使用できるHiKOKI CJ36DAの方が便利なのですが、ジグソーは元々連続切断作業を行うような製品ではなく、AC電源コードにしろ大型バッテリーにしろ取り回しを悪化させてしまうことには変わりありません。この辺りを考慮すると、結局手持ちのバッテリープラットフォームに合わせた方が無難、と言えるのでしょう。
製品名 | VJ002G | CJ36DA |
---|---|---|
外観 |
||
切断能力 | 木材:135mm アルミ:20mm 難鋼板:10mm |
木材:135mm 難鋼板:10mm ステンレス:3.2mm |
傾斜角度 | 左右45° | 左右45° |
オービタル | 3段階 | 3段階 |
ストローク量 | 26mm | 26mm |
ストローク数 | 0~3,500min-1 | 800~3,500min-1 |
1充電作業量 | 合板:約516枚 軟鋼板:約77枚 |
– |
振動3軸合成値 | 木工:6.1m/s2 金工:4.2m/s2 |
木工:8.4m/s2 金工:4.5m/s2 |
重量 | 2.6kg | 2.7kg |
寸法 | 272×84×208mm | 277×81×206mm |
本体価格 | 45,300円(税抜) | 48,300円(税抜) |
販売年月 | 2023年10月 | 2019年11月 |
40Vmaxのシリーズ拡充としては申し分ない製品だが
今回の40Vmax充電式ジグソーに関しては、海外市場でバレルハンドルタイプのJV001Gが先行して販売されており、日本仕様に合わせたJV002Gが展開されたものとなります。
これまで、36V充電式ジグソーに関しては長らくHiKOKI CJ36DA一強であり、これまでの40maxシリーズにもなかった製品なのでシリーズ拡充としては申し分ない製品ではあるものの、もうちょっとユーザーが必要している製品を先に出しておくべきなんじゃないかな、と思ってしまうのが正直なところです。出力的に40Vmaxを必要としていないのはわかるのですが、40Vmaxマルチツールの要望の声は無いのでしょうか。
さて、製品的な所感としては、とりあえず無難なジグソーと言えます。ベース面積の拡大については、安定性は確かに向上しているのでしょうが、どちらかと言えばBL4040バッテリー装着時における重心位置のズレの対策のついでに思いついたフレーズのような気がしています。
また製品操作に対する個人的な心情なのですが、1つの操作スイッチに複数の機能を持たせるのは操作系が複雑になってしまうため、可能な限り避けるべき実装方法だと思っています。今回の製品で言えば、主電源スイッチにLEDライトが該当する訳ですが、LED光量調整と電源ボタンを兼ねさせるくらいなら、ADP11を使ったスマホ通信によるカスタマイズでも良かったと思っています。
40Vmaxバッテリー対応による機能向上は当然のものとも言えるため、40Vmaxの更なる付加価値としてスマホ通信による各種機能のカスタマイズは40Vmaxのマスト機能にしても良いと思っています。
この辺りは色々と賛否両論になってしまうのでしょうが、筆者は色々な40Vmax製品をADP11に対応して、スマホカスタマイズを実装しておけば40Vmaxシリーズのポテンシャルをもう一段階上がると思っています。未だにTD002Gにしか対応させていないマキタの適当なアクセサリ展開に関しては、いい加減何とかならないのかと思っています。