電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年10月に18V×2本シリーズの充電式ケトルKT360DZを発売する。希望小売価格は19,800円(税抜)。18Vバッテリー×2本で動作しタンク容量は0.8L、6.0Ahバッテリー2本挿し時では約1.7Lの湯沸かしに対応する。
目次
マキタ 充電式ケトル KT360DZ
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2021年10月に18V×2本シリーズ充電式ケトルKT360DZを発売する。希望小売価格は19,800円(税抜)。
18Vバッテリーの2本挿しで動作する充電式のケトルで、一回で湯沸かしできるタンク容量は0.8L。6.0Ahバッテリー2本挿し時では1充電でタンク2.1回分になる約1.7Lの湯沸かしに対応。
屋外でも使用しやすい持ち運びやすい台座構造と外側が熱くならず保温に優れた二重構造を持つのが特徴。電源が取れない現場での食事や、火気厳禁のアウトドア用途での使用が期待される。
製品仕様は本体カラーの異なるマキタブルーKT360DZとホワイトKT360DZWの2仕様で展開される。販売仕様は本体のみ。
- KT360DZ 本体のみ 希望小売価格19,800円(税抜)
- KT360DZW 本体のみ 希望小売価格19,800円(税抜)
製品仕様
製品名 | KT360D |
容量 | 0.8L |
湯沸かし時間 | 約7分 |
電源 | 18V×2 |
打撃数 | ソフト:0~2,000min-1 |
重量 | 全体3.3kg 台座1.0kg ケトル1.0kg |
寸法 | 233×263×307mm |
製品の特徴「電動工具メーカーバッテリーシリーズ初のケトル」
KT360DZは工具メーカーの充電式バッテリーシリーズ初のケトルです。
マキタ18Vバッテリー×2本で動作し、1回の動作で0.8Lのお湯を沸かすことができます。6.0Ahバッテリーでは約1.7L、3.0Ahバッテリーでは約0.8L分の動作が可能です。(条件 水温23度・外気温23℃における参考値)
タンク1回当たりの湯沸かしで作れるインスタント食品の量は下記の表の通り。
項目 | 湯沸かし容量 |
---|---|
インスタント味噌汁 | 約4杯分(約160mL×4) |
カップ麺 | 約2杯分(約300~400mL×2) |
メガ盛りカップ麺 | 約1杯分(約800mL) |
コーヒー | 約4杯分(約120~180mL×4) |
手軽に運べる持ち運びやすい設計
充電式なので持ち運びやすい取っ手を搭載。ケトルを台座に乗せて持ち運べるので水が入っていても安定。
保温できる二重構造(樹脂+ステンレス)
樹脂+ステンレスの二重構造でしっかり保温。外側は熱くならず、沸かしたお湯を暖かくキープします。
沸騰30分後では約85℃、60分後でも約70℃の水温を維持します。
ホコリの浸入や漏れを塞ぐ蓋
屋外使用でもタンクの中にホコリの浸入や漏れを防ぐ蓋を採用。
注ぎ口フィルタを搭載しているので、現場に舞うホコリや漏れを防ぎます。
コンセプトは期待できる製品だが
以前、当サイトでは現在のリチウムイオンバッテリー技術で実用的な充電式ケトルを作るのは難しい、と見解を出したものの、その予想は見事マキタにしてやられてしまいました。
さて、実際に製品化してしまった充電式ケトルですが、実用性とコストの面を考えると少し眉唾物の製品です。
予想していたよりも多い0.8Lのタンクを備えるKT360DZですが、電動工具と併用しているバッテリーの劣化度合いを考慮すると6.0Ah×2本バッテリーを使用しても1回~程度の動作量が現実的な所です。1回の動作でバッテリーを放電しきってしまう充電式製品が本当に実用的なのかについては、購入する前にしっかり熟考するのがおすすめです。
マキタブランドと言うことで現場へは持ち運びやすくなりましたが、すぐにバッテリーを充電できるような環境であれば普通に電源コード式のケトルを使った方が良く、本体価格やランニングコスト共に充電式のケトルを使用する利点はほとんどありません。
アウトドア用途に関しても、1~2回の動作でバッテリーを使い切って残量が空になったバッテリーを持て余すよりも、終日使用できるガスボンベの方が使い勝手に優れており、充電式ケトルをアウトドアで活躍できるシーンはほとんど無いと考えられます。
この手の高出力家電製品を展開していくのであれば、問題になるのはバッテリー再充電の方法です。今後、マキタがアウトドア用途に視野を伸ばしていくのであれば車載の急速充電器や充電器対応のソーラーパネルなどが求められてくるでしょう。