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マキタ新製品|ポータブル電源ユニットPDC01

マキタ新製品|ポータブル電源ユニットPDC01

先日、海外の電動工具フォーラムからマキタのバッテリーパック試作品を紹介しましたが、2019年の6月に日本国内でも正式販売となったようです。

今回紹介するマキタの新製品は、バッテリーを4本装着して大容量バッテリーとして使えるポータブル電源ユニット「PDC01(A-69098)」です。

Screenshot

マキタ、『40V MAX』電動工具の新シリーズを発表

2019年10月6日にマキタは、Youtube上に新しい電動工具シリーズとして『40V MAX』シリーズのPVを公表しました。 『40V MAX』シリーズはマキタが展開する新しい電動工具シリーズで、専用設計による新36Vバッテリーで電動工具の高性能化を実現しています。

マキタ充電式電動工具の欠点を克服、連続動作時間の向上へ

2019年7月にマキタが販売するのは、電動工具のバッテリーを4本装着して1つのバッテリーパックにできる電源ユニット「 PDC01(A-69098) 」です。

PDC01はマキタの18Vバッテリーに対応しており、BL1860Bを4本装着する事によって18V 24Ahのバッテリーまたは18V×2 12Ahのバッテリーとして使用できるようになります。

18V電動工具にも使える、18Vと18V×2の切り替え機能

PDC01は18Vバッテリーを装着する電源ユニットですが、装着するアダプタを付け替える事で18Vと18V×2の2モードで使用する事が可能です。

18V×2はもちろんの事、18V電動工具にも対応するため様々な電動工具に使用する事が可能で、丸のこやボード用ドライバなど充電不要で丸一日使用する事もできます。

ちなみに36V用アダプタ[A-69076]18V用アダプタ[A-69082]は別売りなので、必要とする電圧に応じて別途アダプタの購入が必要になるので注意が必要です。

現行での業界最大容量バッテリー

今回のマキタの電源ユニットの18V 6.0Ahのバッテリーを4本搭載となったことで、18Vバッテリーとして24Ahの大容量バッテリーとして扱えるようになり、業界随一の容量を持つバッテリーユニットとなっています。

ちなみに、本体の装着する電動工具バッテリーの最大容量は、海外電動工具メーカーではDeWALTのFLEXVOLTとMilwaukee のM18 REDLITHIUMが共に18V 12Ah、国内工具メーカーではHiKOKIのBSL36B18が18V 8Ahで最大容量となっています。

背負い式のバッテリーとしては、HiKOKIから大容量バッテリーパック「BL36200(SA)」が販売されており、36Vで21Ah(756Wh)と他社を凌駕する大容量バッテリーです。ただ、BSL36200(SA)の製品カテゴリは園芸工具に属しており、対応している製品も刈払機やバリカンに使用するよう指定されています。

ハンマドリルなどの工具に使用できる背負い式バッテリーパックとしては、マキタの「PDC01」が最大容量のバッテリーパックとなります。

※2019/07/12 「BL36200はマルチボルトシリーズに非対応」と記載しておりましたが、正しくは「BL36200(SA)はマルチボルト対応、BSL36200(S)及び(N)が非対応」となります。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

初期コストも安く、導入しやすい

PDC01の最大の利点は、バッテリーが内蔵されておらず別売りとなっている点です。これは2つの意味で大きな利点を持ちます。

1つ目の利点は、既存のバッテリーを流用する点です。

これまでの大容量バッテリーは初めから多数のバッテリーセルを内蔵しており、価格が非常に高い欠点がありました。その上にユーザーは既にバッテリーを持っている事も多く、背負い式電源は非常に高い初期コストを支払う必要がありました。

今回のPDC01は、手持ちのバッテリーをそのまま流用する事が可能で、18Vと18V×2の両方に対応しているためラインナップ数の多いマキタバッテリーの強みを十分生かせる電源ユニットとなっているのが特徴です。

もう1つの利点が、バッテリーの故障に強い点です。

高電圧大容量のバッテリーを構成する場合、何本ものバッテリーセルを構成しなければならないため、その中の1本でも不良になると他のセル全てが正常であってもバッテリーパックとして使用できなくなってしまいます。

PDC01はバッテリーを交換できる構造になっているため、バッテリーセルが不良となった場合でも該当するバッテリーを1つ交換すれば対応可能で、バッテリーセルに関する修理が不要で、不良発生時の作業停止の時間を最低限にできる特徴を持ちます。

従来の大容量バッテリーパックとPDC01の構造を比較した図。従来の大容量パックは大量のリチウムイオンセルをそのまま内蔵していたため、セル1本でも不良になればバッテリーを丸ごとを交換しなければならない。PDC01であれば不良セルが発生したバッテリーだけを交換すればよいので、運用面で有利と考えられる。

他社モデルとの比較

製品名 マキタ試作品 BL36200
製品外観
バッテリー電圧 18V, 36V 36V
電池プラットフォーム 18V, 18V×2 旧36Vシリーズ(N)(S)
マルチボルト(SA)
バッテリー容量 BL1860時432Wh 756Wh
質量 7.0kg 7.8kg
備考 USB5V(500mA)出力

欠点は充電器、業界全体の課題となる充電時間

マキタの36V充電式電動工具は18Vバッテリーを2本使用する方式を採用しているため、他社のように安易なバッテリーサイズを変更はバッテリー互換性が失われマキタ最大の優位性である製品ラインナップを損ねる可能性がありました。マキタで大容量化させるには外付けのバッテリーユニットしかなかったものと考えられます。

今後、この手の大容量バッテリーが問題となるのはバッテリーの充電時間と電力許容だと考えられます。マキタ最速の充電器「DC18RF」で実用充電した場合でも27分×4本で2時間近い充電時間を必要とし、しかも27分に1度バッテリーを差し替えなければならず作業性が良いとは言えません。

解決策として、4台の充電器を用意して同時に使用方法もありますが、最高330WのDC18RFを4台使用すると最高1320Wとなり電源の許容量を超えてしまう可能性も高く、ブレーカーの遮断や発火等の原因にもなります。

同社からは4本充電のDC18SFも販売されており、バッテリー差し替えの手間はないものの充電時間260分と充電時間については改善されていません。今後、電動工具メーカー各社は大容量バッテリーに対する充電速度に対して何らかのアクションが必要になってくるでしょう。

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