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2019年版|電動工具ブランド・メーカー徹底解説ガイド

2019年版|電動工具ブランド・メーカー徹底解説ガイド

2017年から2018年かけては数多くの電動工具メーカー買収、資本変更され前回の記事を執筆した時から市場も大きく変化しました、今回は電動工具メーカーや変更されたブランドについて再調査を行いました。

本記事では、国内主力の電動工具メーカーと、海外電動工具メーカーの一部ブランドをピックアップして紹介します。

本企業から発せられる投資家向け資料や海外情報を元に構成していますが、販売店の意見や私的見解等多数含まれるため、参考程度にご覧ください。

電動工具メーカーは北米、欧州、日本市場に集中

電動工具はマキタHiKOKIRYOBIPanasonicなど日本のメーカーをはじめ、 Black & DeckerBOSCHHILTIMilwaukeeなど欧米を中心とした有名な電動工具ブランドがあります。

これらの電動工具メーカーは歴史的に欧米で設立された企業が多く、これらの企業は買収や再編を繰り返し今日まで高いシェアを維持し続けたメーカーです。

日本の電動工具メーカーはマキタと工機ホールディングスを中心に、個人販売中心の金物屋による販売形態が強く残り、海外とは違った市場を形成しています。

電動工具は工具事業の1分野としての位置づけ

海外メーカーを中心とする多くの電動工具ブランドが工具事業の1分野として電動工具開発を行っています。工具メーカーは手工具や産業用工具その他機器など数多く開発分野を持ち、電動工具はその中の1分野としての位置づけとなっています。

電動工具ブランド自体も複数のブランドを持っている場合が多く「産業向け」「電工向け」「プロ向け」「DIY向け」等の複数ブランドで展開されており、対象ユーザーを明確に分けた戦略を取っています。

例外となるのはマキタとHILTIで、この2社のみ電動工具を中心とする単一の事業のみを持ち、社名を冠する1つのブランドしか持ちません。

電動工具ブランドの世界シェア

先述の通り、海外電動工具は電動工具販売を工具事業の1分野に位置付けているため、電動工具単体の売上額は公表されておらず世界シェアの詳細は不明となっています。

各メーカーが公表する株主向けの資料やアナリストによる予想は公表されていますが、複数社に渡る子会社の情報やセグメント毎の細かい売上・生産台数などは公表されていないことも多く、電動工具シェアの明確なシェアは不明確となっています。

電動工具の世界シェアは「Stanley Black & Decker」「BOSCH」「TTI」「マキタ」の4社がシェアの多くを占有していますが、電動工具単体のセグメント売上額を公開していないため、どのメーカーが電動工具の分野でトップのシェアを持っているのかは不明です。

最近では電動工具業界の再編も進み、中国工具メーカーのCHERVONによるSKILブランドの買収や、工機ホールディングス(旧日立工機)の非上場化などもあり、電動工具市場の全貌はより不明確な状態となっています。今後は中国工具メーカーのCHERVONを筆頭に中国企業などの新興国市場の拡大も予想される事から、今後の電動工具市場予測はより一層複雑なものになるものと推測されます。

Stanley Black & Deckerが毎年公表する工具業界のシェア率。これらのデータは手工具・電動工具・ストレージ・消耗品等を累計した売上額を元にしており、電動工具のみのシェアは不明の状態となっている。
参考:Investor Presentation_May 2019 | Stanley Black & Decker

独特構造の日本電動工具市場

日本の電動工具市場はマキタHiKOKIがトップメーカーとして君臨しており、その下にRYOBIMAXPanasonicなどのメーカーが続きます。海外の電動工具メーカーも日本市場に展開していますが、製品を見る機会は多くありません。

街中ではマキタやHiKOKIのロゴが入った営業車を見る事も多いと思います。これは日本の電動工具販売が地域密着型の金物屋などが大半を占めているためであり、電動工具メーカーは営業所を各地域に配置して営業マンが直接販売店へ納入して販売を行っています。

米国市場などでは工具販売に強い販売網を持つ「The Home Depot」や「Lowe’s」などの大型ホームセンターで販路を確保すれば一定の販売量が構築できます。しかし、日本市場では全国展開を行う大型ホームセンターやプロショップがなく、金物屋販売が中心の営業マンに依存する日本市場は海外メーカーの新規参入が難しい市場となっています。

Stanley Black & Decker

世界最大の工具メーカーは「Stanley Black & Decker(スタンレーブラックアンドデッカー)」です。2009年にStanlyがBlack&Deckerを買収し、その後は18を超える工具関連ブランドを持ち、幅広い事業領域と広大な販売地域によって大きなシェアを持っています。

Black & Decker世界初となるピストルグリップ形状の電動ドリルを制作し、据え置き式の電動工具を持ち運べるようにした革新的な製品となりました。このピストルグリップ形状の電動工具は現在まで受け継がれています。

成長を続けるStanley Black & Deckerは現在も積極的な事業展開と買収を続けており、2016年にはIrwinLenoxHilmorのツールブランドを、2017年には電動工具メーカーのCraftsman、2018年には造園機器メーカーであるMTD Products Incの買収を進め、事業の拡大を続けています。

展開するブランドは18ブランド。それぞれのブランドが各市場で強い影響力を持つ。今後も買収案件があることから更にブランドは増加するだろう。欧米市場中心のブランドだが、中国向けを代表とする新興国向けのブランドも持つ。
参考:Investor Presentation_May 2019 | Stanley Black & Decker
Stanley Black & Decker はグレードと用途によってブランドを明確に使い分けている。様々なブランドで各事業領域をカバーしており、様々なユーザーのニーズをつかんでいる。
参考:Investor Presentation_May 2019 | Stanley Black & Decker
Stanley Black & Decker は電動工具から手工具やアクセサリーに渡るまで広い商材を持つ。米国最大の小売店WalmartやホームセンターThe HOME DEPOTの他、AmazonやAlibabaなどECルートでも強い販路を持っている。
参考:Investor Presentation_May 2019 | Stanley Black & Decker

DeWALT

Stanley Black & Decker のプロ向け電動工具ブランドが「DeWALT」です。

DeWALTブランドは大工からプラント設備向けまで幅広いプロ向け電動工具を揃えており、近年では現場向け高耐久スマホDeWALT Phoneやプラント向けネットワーク端末Jobsite WiFi Systems、Bluetoothを活用したTOOL CONNECTなど電動工具の概念に縛られない工具に関連する分野への積極的な展開を行っています。電動工具業界のみならず建設業界の新たな労働モデルをも牽引するブランドと言えるでしょう。

DeWALT最大の特徴となるFLEXVOLTは18Vと54Vを切り替えられるバッテリーで、バッテリーを2本差して使用する108Vの電動工具まで展開しており、電動工具としては圧倒的なパワーと工具ラインナップを誇っています。

かつては日本国内においてもMAXが代理店となり購入する事が可能でしたが、現在ではポップリベットファスナー株式会社による日本向けの一部製品が国内販売されているのみとなります。

DeWALTのラインナップは電動工具から消耗品まで幅広く、製品ラインナップやコンセプトは他社の基本となっている。
参考:Investor Presentation_May 2019 | Stanley Black & Decker

Black & Decker

Stanley Black & Decker の社名を冠した電動工具ブランドがDIY向けのエントリーモデルを中心としたラインナップを特徴とする「Black & Decker」です。

エントリー向けのDIY向けブランドのBlack & Deckerですが、DIY本場の米国発のブランドであるため、他社のDIYモデルとは一線を画す本格的な性能を持つ電動工具をラインナップし、DIY用の工具から園芸工具まで幅広い製品を備えているのが特徴です。

更にはペット用品やキッチン用品などの機器も販売しており、米国市場の大規模ホームセンターの需要を満たすために様々な製品を展開しています。

日本で販売しているBlack + DeckerのマルチツールEVO18。先端を交換する事でインパクトドライバからドリル、丸のこまで対応する万能工具
参考: ブラックアンドデッカー マルチツール プラス 18V EVO183P1 |Amazon
BLACK+DECKERロゴの入ったトースター。4枚入る所やパンの厚さを感じるところがアメリカらしい。コードレスではない。
参考:4-Slice Toaster| BLACK+DECKER

TTI

電動工具メーカーの買収や積極的な展開によって、この10年間で最もシェアを伸ばしたのがTTIグループです。

TTIは正式名称Techtronic Industries Company Limited(創科實業有限公司)と呼ばれる企業で、1985年に香港で設立されました。電動工具、ハンドツール、消耗品や計測機器を販売する総合工具メーカーです。

この10年間で急激に売上を伸ばし、現在ではStanley Black & Deckerに次ぐ世界2位のシェアとなっています。

TTI傘下のブランド。電動工具ブランドはMilwaukee, AEG, RYOBIで、他にもハンドツールや測定ツールメーカーなどを傘下に収める。多くのクリーナーブランドを傘下に収める。

Milwaukee

Milwaukee」は米国ウィスコンシン州に本社を置く電動工具メーカーです。

18V電動工具の高品質高耐久性の電動工具と12V(10.8Vリチウムイオン)のラインナップ数には定評があります。特にBluetoothを搭載した本格的なスマート電動工具「One-Key」や、豊富なライトのラインナップは他社電動工具メーカーの中でも革新的な存在です。

Milwaukeeはストレージや消耗品の領域でも数多くのラインナップを誇り、その中でもPACKOUTシリーズは高耐久、高汎用性で人気を博しています。

赤のコーポレートカラーが特徴のMilwaukeeはプロ向けの電動工具ラインナップとして多種多様な製品を揃える。左側に見えるライトのラインナップが豊富で、据え置き型の投光器など他社にないものも揃えている。
電動工具の他、ストレージボックスやハンドツールなど数多くの工具関連の製品を揃えているのも特徴だ。

RYOBI

TTIグループが北米地域を中心に展開するDIY向けブランドが「RYOBI」です。当サイトでは日本のRYOBIと区別するためにTTI RYOBIや北米RYOBIと呼称しています。ロゴは同じ形状のものを使用していますが、日本のRYOBIと異なり蛍光緑色の本体が特徴です。

同じブランドに京セラインダストリアルツールズが展開する「RYOBI」がありますが、2000年代に北米地域のRYOBIブランドをTTIに売却して独立した別会社となっており、現在の京セラ傘下RYOBIブランド及び本来のRYOBIと北米地域に展開するRYOBIに関係性はありません。

TTI RYOBIは家庭で使用するDIY工具のほとんどを網羅しているのが特徴で、コードレスはんだごてやスマホと連動させるRYOBI Phone Worksシリーズなど他社にはない特徴的な製品ラインナップを揃えています。

TTI RYOBIは低価格クラスのDIY向け電動工具だが揃える製品は多岐に渡る。タッカーからドレンクリーナーまでDIYクラスの製品としては他社が製品化していない電動工具が数多く揃う。

BOSCH

ドイツの世界的な機械メーカーが「BOSCH(Robert Bosch GmbH)」です。自動車部品と電動工具を事業の柱とし、家電製品や産業機器、近年ではIoTを主軸とするindustry4.0の研究開発なども進め手広く事業を広げています。

電動工具の歴史には常にBOSCHが強い影響力を持ち、ハンマードリルやジグソーの開発や、世界で初となるリチウムイオンバッテリーを搭載した電動ドライバーIXOを開発するなど、電動工具の新たなコンセプトにBOSCH抜きに語ることはできません。

規格においてもハンマードリルの世界的標準規格であるSDS-maxを策定し、最近では新しい電動工具であるマルチツールと標準規格であるOISを展開するなど、BOSCHが開発する電動工具は常に他の電動工具メーカーの標準規格となる存在です。

日本市場においては正式に日本展開が行われている海外電動工具ブランドであり、販売店は限られていますが大手ホームセンターやネットショップにおいて購入が可能です。

ボッシュの持つ工具ブランドは16に及び、測定機器のブランドが多い。日本国内では手芸工具のDOREMELなどが有名なブランドだ。

マキタ

日本が誇る世界的な電動工具メーカーこそ「マキタ」です。他メーカーのように工具に関連する他の事業やブランドは持たずMAKITAブランド1つで世界を戦うトップメーカーです。

マキタの電動工具展開は良く言えば堅実的、悪く言うなら消極的で、新製品に過度な新技術採用や新構造の導入をあまり行わない傾向にあり、実用範囲内での製品を展開するのが特徴です。しかしそれを余りある営業力やブランド構築力、アフターサポートによって世界的な電動工具メーカーとして名を連ねる事に成功したメーカーです。

国内市場においては電動工具開発の他、兼松の買収による空気工具分野の強化、OPE戦略による園芸工具の電動化、マキタのターボを代表とするクリーナーでの一般ユーザーへのブランド認知など、ユーザーニーズの把握と営業力、堅実な製品展開によるブランド力強化を行っています。

マキタの電動工具は18Vバッテリーを2本差し込んで36V化させるLXT×2があり、同一のバッテリーで対応する電動工具のラインナップとしては随一の機種数を誇ります。近年展開されたスライド10.8Vも3年程で普及したことから、マキタの営業戦略の優秀さには目を見張るものがあります。

製造業としては無借金高収益企業として有名であり、国内2番手の日立工機と比較して売上高約4倍、利益10倍と健全な企業体質を維持し続けている企業でもあります。

近年のマキタは園芸工具を中心にOPEに注力している。草刈正雄の地上波CMに始まりハリセンボンの箕輪はるかによるキャンペーンも実施しており、プロ向け電動工具ブランドから一般認知度も高いブランドとなった。

HILTI

ハンマーなど土木分野のプロユーザーに圧倒的な人気を誇り、リヒテンシュタイン公国を本社とする電動工具メーカーが「HILTI(ヒルティ)」です。

比較的高価な価格帯の製品が多く、製品もハンマーや鋲打機などが中心で一般ユーザーが使用する機会は少ないメーカーですが、ハンマーなどを使用する土木・建設関連のプロユーザーからは圧倒的な信頼を誇り、奇跡72時間とも称される修理体制などにも定評があります。

他社より製品ラインナップの小さいHILTIが工具業界の中で確立した地位を維持し続けているのは、サービス方面でブランド力を強めている点にあります。

HILTIは現場ごとに営業担当者が直接出向く方式を採用しており、現場での最適な製品の選定や迅速な修理対応、 最新技術やイノベーションの紹介 、製品の試用、フリートマネジメントなど他社が行っていないサービス領域での活動がHILTIのブランド力を高める一因となっています。

工機ホールディングス

2017年に日立製作所からの資本を抜け、外資系ファンドKKR傘下の持ち株会社として発足したのが工機ホールディングスです。旧日立工機のブランドを継承する「HiKOKI」ブランド、2015年に買収した欧州「metabo」、ダイヤモンドカッターを製造する「三京ダイヤモンド」など複数の関連企業を持ちます。

かつては「TANAKA」ブランドでエンジン工具の積極的な販売を行っていましたが、現在はTANAKAブランドによるエンジン機器の新規開発も無くなり保守のみとなっています。

電動工具事業の他にも遠心機を製造販売するライフサイエンス事業を持ち、過去にはプリンター事業も持っていましたが、米データプロダクツ社の買収失敗を切っ掛けに2002年から2004年の間に日立製作所経由でRICOHへの事業譲渡を行っています。

現在はKKR傘下の元、再上場を果たすべく新ブランド「HiKOKI」「metabo HPT」の販売強化を行っており、今後の動向が注目されるメーカーです。

工機ホールディングスはいくつかのブランドを持つが、工機ホールディングスで影響力が大きいのはHiKOKIとmetaboのみ。他のブランドは動向が不明で、事実上の廃止や小規模に留まっているブランドが多い。

HiKOKI

日立グループからの売却によって「日立工機」及び「HITACHI」のブランド名を使用できなくなったため、日立工機のブランドを継承する新ブランドとなったのが「HiKOKI(ハイコーキ)」です。以前と変わらず緑色のコーポレートカラーが特徴で、電動工具も緑色を中心としたラインナップが多いブランドです。

独自技術とスペックに強い電動工具ブランドで、独自技術では「卓上スライド丸のこ特許」「ACブラシレス」「トリプルハンマ」、スペックでは18Vと互換性を持つ36Vバッテリー「マルチボルト」を中心にしたハイパワーの電動工具を前面に出した戦略を進め、特徴的な電動工具は業界内での存在感を増しています。

独自技術以外の製品展開は他社の後追いが目立ち、マキタや海外メーカーでよく売れた製品やコンセプトを改良して1~2年のうちに市場に投入する傾向が多くみられます。直近ではマキタのスライド10.8VシリーズBluetooth集じん機連動などがそれを象徴しています。

ブランド変更については残念ながら約2年経った現在でもブランド変更を認知していないユーザーが多く、さらには旧「日立工機」ブランドを惜しむ声も多数聞かれるため、今後も「HiKOKI」ブランドの定着には時間がかかるものと考えられます。

HiKOKIが展開する18Vと36Vの互換性を持つマルチボルトバッテリー。18Vサイズながら36V出力となっているのが特徴で、コンパクトサイズながらも高出力な電動工具を実現している。

metabo

ドイツを本社に置く電動工具メーカーが「metabo」です。2016年に当時の日立工機に買収され、現在は工機ホールディングスグループの傘下となっています。

日本では聞きなれない電動工具ブランドですが、metaboは欧州市場で強い影響力を持ち、金工工具と建築工具を得意とするメーカーです。電動工具の他に切断砥石なども取り扱っています。

海外市場では「metabo」ブランドの他に「metabo HPT」も使用されていますが、添え字の「HPT (Hitachi Power Tools)」が示す通りその実態は海外市場におけるHITACHIブランドの後継ブラントとなっています。

海外市場でのHITACHIブランドはmetabo HPTへ継承されている。この点を察すると日立脱退の直前に進められたmetabo買収は海外市場でのHITACHIブランド問題を見越しての事だったのだろう。

京セラインダストリアルツールズ

京セラインダストリアルツールズは、2018年にRYOBIの電動工具事業を京セラが買収したことにより発足した新会社です。

近年の京セラは機械工具事業での多角化を進めており、2017年には米国の工具メーカーSENCOを買収し、その後も事業拡大としてRYOBIの電動工具ブランドの買収も進められました。

当時の一部報道では、京セラは旧日立工機の買収にも意欲的だったとの記事がありますが、当時の日立製作所はKKRへの売却を決定し、日立工機はKKR資本での独立路線を歩むこととなり京セラ傘下となる事はありませんでした。

RYOBI

RYOBIブランドは広島県のリョービ株式会社によって創設された電動工具ブランドです。現在のRYOBIブランドは京セラ傘下の京セラインダストリアルツールズが継承しており、リョービ株式会社は関わっていません。

近年はプロ向け充電工具の最上位となる「XRシリーズ」の展開によるプロ向けの新規ユーザー獲得戦略を進めており、丸のこなども重心のバランスやフィーリングの良さが評価されていて、RYOBIは愛用者も多いブランドです。

隠れた名機を展開するRYOBIですが、国内電動工具市場においては同業他社と比較して販路が弱く、金物屋やECルートではRYOBI製品を見かける事が多くありません。主なRYOBI製品は大型ホームセンターやプロショップで販売されています。

RYOBIが新しく展開するプロ向け新ブランド「XR」シリーズ。他社との根本的な差別化が難しいプロ向け電動工具であるが、この先どのように製品展開を行っているのかが注目される。

Panasonic

Panasonicの電動工具は金物屋やホームセンタープロショップ等での販売が少なく、Panasonicが取り扱う電材販売による独自の販売ルートを持ちます。

製品ラインナップも電材や管財など電気関係の設備向け工具が多く、インフラ関係を中心に電気工事業などのプロユーザーに高いシェアを持つ電動工具メーカーとなっています。

全体的に優れた製品を輩出するPanasonicですが、電動工具開発には競合他社ほど力を入れておらず、製品展開も他メーカーと比べて遅い傾向があります。ラインナップもコードレスが中心で電材中心のニッチ戦略を取っているメーカーです。

Panasonicが販売する電動工具は電材の規格に合わせて設計されている事も多い。全ネジカッタなどはそれに合わせて設計されており、電工業にとっては必須の製品となっている。

MAX

事務用品と空気工具の印象の強いMAXですが、電動工具も展開しています。

MAX米国の釘打ち機メーカーの製品を参考に国産エアタッカを販売したのを皮切りに、国内における空気工具トップシェアとなったメーカーです。その後は電動工具の開発も進め、現在では電動フィニッシュネイラや鉄筋結束機など独特な製品を展開するメーカーです。

製品ラインナップは鉄筋工や型枠大工向けのプロ向け製品を数多く揃えており、建築関係の分野で高いシェアを確保しています。

技術的開発においても、ベクトル制御ブラシレスモーターや早い時期のBluetooth搭載機種など意欲的な機能を搭載する事が多く、独自路線を歩み他社の追随を行わない挑戦的なメーカーです。

MAXが販売する鉄筋結束機「TWINTIER(ツインタイア)」結束スピード、結束力共にトップクラスの製品で、釘打ち工具とともにこの分野ではトップシェアを誇る。鉄筋工からの需要は高く、熟練度によらない鉄筋結束機の需要は今後も増えるだろう。

Chervon

新興国向けの電動工具メーカーとして頭角を現し始めているのが1993年に中国南京で設立された「Chervon」です。

日本では知名度の低いメーカーですが、北米、欧州、中国を中心に展開している電動工具メーカーで、北米のホームセンターLowe’sが所有するブランドKOBALTのOEM製造などでも知られています。

2017年にはBOSCHが所有していた「SKIL」ブランドを買収し、新たな電動工具メーカーとしてシェアを確実に増やしています。現在はアジア市場を中心とした新興国で展開が行われており、電動工具業界の新星として今後の発展が注目されます。

Chervonは多くの工具と機械ブランドを持つ。2017年にSKILブランドを買収したことから、今後も電動工具分野での拡大路線は続くことだろう。

参考資料

Discover Your State’s Favorite Tool Brand | PRESSURE WASHR
Tool Industry Behemoths: The Tool Companies Who Make and Own Most Tool Brands | PRESSURE WASHR
Which is the Best Cordless Power Tool Brand? | ToolGuyd
Top 5 Power Tool Brands | Shop for Power Tools
海外企業買収 失敗の本質:戦略的アプローチ|東洋経済新聞社
資本財企業による先進国の需要開拓 電動工具企業のマキタの事例研究 |神戸学院大学
工具各社 投資家向け資料

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