電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2022年8月にスプリットモータ別売アクセサリ ポンプアタッチメント PF400MPを発売する。揚水・排水・散水など水のくみあげが可能で、40Vmaxスプリットモータ装着時には最大揚程15.0m・最大流量150L/minの能力を備える。本体希望販売価格は25,000円(税抜)
目次
マキタ ポンプアタッチメント PF400MP
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2021年8月にスプリットモータ用の別売アクセサリ ポンプアタッチメント PF400MPを発売します。
PF400MPは、先端を交換できるスプリットモータに装着するアタッチメントです。先端にポンプを搭載しており、揚水・排水・散水など水をくみ上げる作業が行えるようになります。
くみ上げ能力は装着するスプリットモータによって変わり、40VmaxシリーズのMUX01G装着時では最大揚程15.0m・最大流量150L/minの能力を備えています。
くみ上げできる最小水位は20mmからで、連続運転時では残水位10mmまで水の吸込みが可能です。
販売仕様は本体のみのPF400MPのみ展開し、スプリットモータ本体とツールバッグは別売です。
- PF400MP 本体のみ 希望小売価格25,000円(税抜)
製品仕様 (各スプリットモータ装着時)
装着製品 | MUX01G | MUX60D | MUX18D |
---|---|---|---|
外観 | |||
バッテリー | 40Vmax | 18V+18V | 18V |
揚程能力 | 高速:15.0m 中速:11.0m 低速: 6.0m |
高速:14.0m 中速:11.0m 低速: 6.0m |
高速:11.0m 低速: 6.0m |
流量 | 高速:150L/min 中速:140L/min 低速: 95L/min |
高速:150L/min 中速:140L/min 低速: 95L/min |
高速:140L/min 低速:100L/min |
無負荷回転数 | 高速:9,500min-1 中速:8,100min-1 低速:5,600min-1 |
高速:9,100min-1 中速:8,100min-1 低速:5,600min-1 |
高速:7,700min-1 低速:6,700min-1 |
揚水可能水位 | 20mm | ||
残水位 | 10mm | ||
重量 | 5.4kg | 5.5kg | 4.0kg |
寸法 | 1,652×225×385mm | 1,662×225×385mm | 1,633×225×385mm |
工具価格 | 52,900円(税別) | 52,900円(税別) | 28,000円(税別) |
製品の特徴
「スプリットモータに装着する揚水ポンプ」
PF400MPは先端を差し替えられるスプリットモータシリーズに装着可能なポンプです。
スプリットモータシリーズは、先端交換によって草刈からポールソー・ブロワなどさまざまな用途に使用できる多目的工具です。
今回のPF400MPの登場によって、マキタのスプリットモータシリーズは揚水・排水・散水などの水回りの作業にも対応できるようになりました。
水の高さ20mmから水のくみ上げが可能
PF400MPは、水位20mmの高さから水のくみ上げが可能です。連続運転を行っていれば残水位10mmまで水を吸い上げることができます。
吐出口のホースは市販品の内径Φ25mmホースが装着可能で、製品仕様上の最大揚程は15.0mです。(MUX01G使用時)
濁り水も吐出可能な金属製ストレーナを装備
本体下部には金属製のストレーナを標準装備しています。
Φ5mm以上の小石の浸入を防ぎ、水田の用水路や貯水池の濁り水等の吐出が可能です。(泥水・海水は使用不可)
難点も多いが、現場・園芸維持管理向けツールとして新需要に期待
今回のスプリットモータ向けのポンプアタッチメント PF400MPは、面白い試みの製品と感心しています。
ベースが刈払機なので散水や洗浄用途では作業者を2人必要とする欠点はあるものの、バッテリー式で最大流量150L/minの製品は前例が無く、スピーディに排水できる能力は新たな需要が期待できると言えます。
導入費用を考えると、スプリットモータに加えて別売のアタッチメントも必要なので高くついてしまいますが、ポンプの能力が他社製の水中ポンプよりも頭一つ抜き出ているのに加え、ブロワやパワーブラシなども使えるスプリットモータの汎用性を考えれば、清掃維持管理ツールとして一式揃えてしまうのも十分アリな製品と言えるのではないでしょうか。
既に廃番になっているエンジン式スプリット MEX2650LH(廃番)を使用すれば山間部や僻地での使い道もありそうです。もちろんポータブル電源 PDC1200などを使用すれば、1充電当たりの稼働時間の短さのカバーも可能なので、大規模現場での水抜き作業などにも適用できるかもしれません。
スプリットモータにポンプアクセサリが追加したのであれば、スプリットモータ側にAWSを応用した遠隔操作機能も追加しても良いと考えています。市場に需要があるかは別の話ですが、マキタ運搬車にスプリットモータホルダを備えた専用タンクアクセサリなども追加して、無線連動による遠隔操作で作業者1人で散水ができるような新しい農作業アクセサリ群も揃えてほしいところです。