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マキタ、『TD001G』充電式インパクトドライバを発売、「40V MAX」シリーズ初となる電動工具

マキタ、『TD001G』充電式インパクトドライバを発売、「40V MAX」シリーズ初となる電動工具

2019年10月にマキタは電動工具の新シリーズである『40V MAX』(XGT)に、新たな充電式インパクトドライバとなる『TD001G』を販売する。

これまでの18Vシリーズ(LXT)と異なり、新たな高出力バッテリー(XGT)を搭載し、これまでのインパクトドライバとは一線を画すスペックを実現している。

また、今回の工具収納ケースには大きな変更点があり、屋外での工具の保護や持ち運びについて改良が見られている。

クラス最強220N・mを実現、金物ビスを最速で締め付け

2019年10月にマキタが新しく販売するのは、クラス最強の220N・mを実現したインパクトドライバ『TD001G』だ。

『TD001G』は、先日公表されたばかりの新シリーズ「40V MAX」バッテリーを採用しており、従来の18Vバッテリーインパクトと比べて、国内クラス最強となる締め付けトルク220N・mを実現し、これまで国内電動工具メーカーが足並みをそろえて180N・mと設定していたのを大きく塗り替える形となった。

ただし、このクラス最強となる220N・mを活用させるためには、現在のプラスビットだと強度が明らかに不足するのは明白で、四角スクエアビット六角ソケットビットでなければこのパワーを活かす事はできないと考えられる。カタログの写真からも木造建築の金物工法に使うビスを想定しているようだ。

40V MAXバッテリー採用、締付けスピードと連続作業量がアップ

TD001Gは40V MAXバッテリーの採用によって、バッテリー残量が少なくなっても締め付け速度が低下しなくなり、高い負荷においてもモーター発熱が抑えられ2倍以上の連続作業量を実現している。

これは、バッテリー電圧が高くなったことでモーター効率を上昇させたもので、同じ消費電力でも電圧を高くすればその分電流が下がり、電流による損失を低減できる効果がある。

特に、長いビスや大口径ボルトの締付作業などはモーターへの負荷が非常に高く、加熱によるモーター保護で停止してしまう場合もあるため、TD001Gでは作業効率を大幅に向上させる事ができる。

新たな「楽らくモード6」、ボルト締結作業のモード2種を追加

マキタのインパクトに搭載されている「楽らくモード」はマキタ独自の作業者を補助するソフトによる補助機能だ。打撃力の切り替えや、モーター停止などを自動で行い、作業者の負担を低減できる。

TD171Dには木材の締め付けやテクスネジに最適化されたモードが搭載されていたが、今回のTD001Gには型枠作業に使う「ボルト1モード」と、建築や設備のボルト締めに使う「ボルト3モード」が追加された。

今回のTD001Gでは木材モードやテクスモード、ボルト2モードも引き続き搭載され、全部で6つのモードが搭載されている。

マキタ独自の防水規格APTから、国際規格のIP56へ

これまでマキタのインパクトドライバの防水仕様は「APT」と呼ばれるマキタ独自の構造になっていたが、今回のTD001Gからは国際的な防じん防水規格であるIP規格を採用している。

今回の40V MAXシリーズは、バッテリー単体でもIP56に対応した点もあり、電動工具全体が保護構造を持ったのは大きな特徴と言えるだろう。

防じん防水に対応した「IP65」プラスチックケース

TD001Gで特に大きな改良が見られたのが、工具を収納するプラスチックケースだ。驚くべき事にケース単体での防じん防水保護等級のIP65対応を実現している。

ケース内部に水が入ってしまうと、メカ部分に錆が発生したり、端子やスイッチの接触不良の原因にもなるためこのIP65の対応は非常にうれしいポイントだ。

更に、ハンドルを起こした場合の簡易ロックや、側面から取り出しやすい窪みの追加など、実際のユーザーが持ち運ぶ時の運用にも随所の工夫が見られる。

注意点となるのは、IP65に対応するのは工具収納部分のみで、上部の小物入れはIP65非適応となる。

カラーバリエーションは全4色、BL4025×2本仕様で展開

TD001Gのカラーバリエーションは、青・黒・オーセンティックレッド・オーセンティックパープルの全4色だ。TD171D以前から展開されていた白は無くなっている。

仕様としては、充電器バッテリーがセットとなったTD001GRDXが展開される。付属するバッテリは2.5Ah(90Wh)のBL4025が2本付属する。また、インパクト単体の展開も行われており、こちらはTD001GZとして販売される。

TD001Gは、36Vのインパクトドライバとして順当な製品の印象

マキタ渾身の新シリーズとなる40V MAXシリーズの1作目となるインパクトドライバ『TD001G』だが、正直な所感としては「36Vとしては順当」なインパクトと言った印象だ。

カタログスペックの締付トルク220N・mの印象は確かに大きいが、実際にこのスペックを活用できるユーザーは限られている上に、トルクの向上が作業性の向上に直接結びつかない点もあるためスペックだけで良し悪しを決めるのは難しいと言える。また、それ以外のセールスポイントについても、18V前モデルの「TD171D」やHiKOKIが展開する「WH36DA」のセールスポイントから目新しい部分がないのも少し残念な点だ。

しかし、現在のインパクトドライバは既に技術的な進歩の余地が殆ど残されていない製品であり、正直な所、サイズやバッテリー性能、用途などから考えて、既に10年以上前にほぼ完成の領域に達している製品になっている。そのため今更大きな変化がないのは致し方ないものと納得できる点もある。

カタログに記載されていないTD001Gの利点を挙げるのであれば、やはりバッテリー端子接点の安定性だ。HiKOKIを代表とする切替構造を持つバッテリーは、端子接点面の構造から接点が不安定になりやすく、摩耗が進むにつれ振動や衝撃で急に動作が止まってしまうケースが考えられる。そのようなバッテリー端子摩耗に悩まされるユーザーなどは、TD001Gの恩恵を受ける事ができるだろう。

実際のスペックやフィーリングなどはカタログだけでは不明なため、実際の製品を触る機会があれば追加で実機レビューを記載も検討したいと考えている。

マキタの新シリーズとなる40V MAX(XGT)の1作目を飾るにしては、若干華やかさが不足している印象もあるが、ある意味では無難な部分から取り掛かるマキタらしい製品とも考えられるだろう。引き続き展開される40V MAXシリーズの製品にも期待したい。

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