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2021年1月26日

マキタ 40Vmax 電動工具の新シリーズを発表

マキタ 40Vmax 電動工具の新シリーズを発表

2019年10月6日にマキタは、Youtube上に新しい電動工具シリーズとして『40Vmax』シリーズのPVを公表しました。『40Vmax』シリーズはマキタが展開する新しい電動工具シリーズで、専用設計による新36Vバッテリーで電動工具の高性能化を実現しています。

現時点では情報も少なく、製品毎の詳細なスペック等は不明ですが、開示された情報と入手したカタログから『40Vmax』シリーズの詳細について解説します。

  • 2019年10月にマキタが展開する新しい電動工具シリーズ『40Vmax』
  • バッテリーが防水防じん構造のIP56に対応
  • 専用設計のバッテリーにより衝撃への耐久性が向上
  • 計8機種の製品がラインナップ
  • 18Vシリーズとの互換性なし

2019年10月にマキタが投入する新シリーズ『40Vmax』

マキタは2019年10月6日にYouTube上で新たな電動工具シリーズ『40Vmax』シリーズを公表しました。公表直後まで正式なニュースリリースや公式HPによる公知がなく、販売店によるカタログ公開もなく、これまでのマキタの新製品公表の方法としては異例の展開です。

40Vmaxは、18Vバッテリーのサイズのまま36V化した新しい電動工具で、従来の18V電動工具よりも高性能であることをアピールしているシリーズです。最大の特徴は、マキタがこれまで展開していた18V電動工具との互換性を排除している点です

40Vmaxは日本国内で展開されるシリーズ名です。海外では2019年6月の時点でXGTとして商標が登録されており、海外市場では『XGT』の名称で展開されています。

バッテリーは2.5Ahと4.0Ahの2種類、IP56の防水防じん構造を搭載

40Vmaxシリーズ最大の特徴は40Vmax専用設計によって18Vとの互換性を排したことで、電動工具としての信頼性を大きく向上させています。

電動工具メーカーが販売するバッテリーとして初の防水防じん規格IP56を搭載し、振動や衝撃への耐久性も約40%向上しています。

他社の36V以上のバッテリーは互換性の電圧切替構造を搭載しているために端子接点が不安定になりやすい欠点がありますが、40Vmaxでは互換性を排した事で接点の面積が広くなり、電気接続の信頼性を大きく向上させています。

バッテリー容量展開に関しても、既存の18Vシリーズの形状制限から解放されたことで、一回り大きいサイズのリチウムイオンセル(21700セル)が採用できるようになり、バッテリーの高出力化と大容量化を実現しています。

40Vmaxシリーズの製品展開(2020年12月現在)

40Vmaxシリーズは12機種の製品が展開されています。2020年12月時点で販売している製品は下記の通りです。

  • 充電式インパクトドライバ TD001G
  • 充電式インパクトレンチ TW001G , TW004G
  • 充電式165mmマルノコ HS001G, HS002G
  • 充電式125mm丸ノコ HS005G, HS006G,HS007G, HS008G
  • 充電式ドライバドリル DF001G , DF002G
  • 充電式震動ドライバドリル HP001G , HP002G
  • 充電式165mmスライドマルノコ LS001G
  • 充電式ハンマドリル HR001G, HR005G
  • 充電式100mmグラインダ GA001G , GA009G, GA017G, GA019G,
  • 充電式125mmグラインダ GA002G , GA010G, GA018G, GA020G
  • 充電式150mmグラインダ GA033G , GA034G
  • 充電式180mmグラインダ GA037G ,
  • 充電式レシプロソー JR001G
  • 充電式仕上釘打 FN001G
  • 充電式スプリット草刈機 MUX01G
  • 充電式ファン CF001G
  • 充電式ワークライト ML002G

40Vmaxバッテリーの中身は36V

40Vmaxと名称されていますが、実際の動作電圧は36Vバッテリーです。そのため、バッテリーの性能で他社と大きな違いはありません。

こような名前にした裏には営業的な理由が絡んでいると考えられます。リチウムイオンバッテリーの公証電圧は3.6V~3.7Vですが、充電完了直後の満充電電圧は4.2V前後になります。マキタはこの特徴を利用し、先行するHiKOKIに対して製品を少しでも良く見せるために営業戦略から『40Vmax』と命名したと予想されます。

満充電電圧でバッテリー電圧を表すのは海外電動工具メーカーによく見られる表現で、DeWALTや各社10.8Vバッテリーシリーズなどが単セル4.0Vで表現しています。

日本市場においては、慣例上全ての電動工具メーカーが単セル3.6Vで計算しているため36Vと表記していますが、マキタは「40V “MAX”は満充電電圧を表しているため間違いではない」と考えたのかもしれません。

事実、発売から1年近く経過した現在でも「マキタは40Vで凄い!」との声もあるため、一応の宣伝効果はあったものと推測されます。

動画からバッテリーのスペックを確認できる。非常に見難いが「DC36V 2.5Ah (90Wh)」と記載されているのが確認できる。40Vの隣にMAXと隣に書かれているのは景表法対応のためと考えられる。

高電圧電動工具シリーズ「80Vmax」展開の展開も進む

マキタは、40Vmaxバッテリーを2本使用する80Vmaxシリーズの展開も予告しています。

80Vmaxシリーズは36V×2本の72V電動工具の高電圧シリーズになり、より高出力な園芸工具や建築工具などの展開が期待されているシリーズです。

現在の国内展開を行っている電動工具メーカーとして最も高い電圧を扱う電動工具シリーズとなるため、一層の電動工具バッテリー化が進むシリーズになるでしょう。

マキタ大きな決断、40Vmaxシリーズに対する所感

マキタには従来の36VシリーズとしてLXTx2が展開されていますが、それらの互換性を排してまで新構造のバッテリーを展開するのはマキタにとっては大きな決断になると予想されます。

既存の18V電動工具であるLXTシリーズは、LXTx2による36V化など様々な展開が行われていましたが、電動工具メーカー各社が採用を始めた大型の21700セルを採用できなかったのが同シリーズの最大の課題だったと考えられます。

今回、18Vとの互換性を排してまで新シリーズを立ち上げたのは、今後の製品展開に対して信頼性と発展性に確実な一手を打つための戦略と考えられ、互換性を排したことで今後思い切った製品展開も可能となり、製品展開の動向によってはマキタ主力のシリーズになる可能性も考えられます。

製品戦略として考えると、18Vシリーズと36Vシリーズのユーザー層は同一であり、18Vと36Vでクラス分けやユーザー層の切り分けを行うのは電動工具メーカー各社が避けてきた難しい戦略と言えます。今後マキタが40Vmaxで「18Vと36Vでクラス分け」か「36Vに移行」のどちらの路線に進むのかはマキタユーザーにとって興味深いポイントとなるでしょう。

一方、対抗となるHiKOKIのマルチボルトシリーズは、先行する36V電動工具として製品ラインナップ数AC電源でも動作可能18Vシリーズとの互換性など大きな優位点を確保しており、「同じ36Vの電動工具を新しく揃えるなら、HiKOKIのマルチボルトの方が得」と考えるユーザーに対して、マキタが今後どのようにカバーしていくのかが重要になると考えられます。

40Vmaxは18Vとの互換性を望むユーザーの声が多く上がる事も考えられます。しかし、2020年時点のマキタ営業者ヒヤリングでは、口を揃えて「互換性を搭載する予定はない」と回答しており、PDC01や変換アダプタを使った互換機能の搭載はないようです。

電動工具メーカーが展開するバッテリーとしては、初めて防水防じん構造IP56を採用するなど、目新しい部分もある40Vmaxシリーズですが、18Vシリーズとの互換性を排した点と現行36VシリーズであるLXTx2との競合に関して、マキタが今後どのような展開を行うのか注目されます。

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