電動工具を展開するマキタは、海外市場で砥石の新しい取り付け構造「X-LOCK」に対応するディスクグラインダを販売した。X-LOCKはBOSCHが2019年に提唱し、展開を進めている新しい規格だ。マキタはBOSCH以外のX-LOCKに対応する工具メーカーとして最初のメーカーとなる。
「マキタ」がBOSCHの『X-LOCK』に対応
マキタフランスはディスクグラインダーの新たな新製品として、砥石のワンタッチ取り付け規格「X-LOCK」に対応した『DGA519ZX1』を販売します。
X-LOCKは昨年2019年にBOSCHが提唱したディスクグラインダーのワンタッチ砥石取り付け構造です。BOSCH以外からX-LOCK対応のディスクグラインダーが販売されるのはマキタが初となります。
ディスクグラインダー単体として見た場合、DGA519ZX1の製品仕様に目新しい部分はありません。しかし、今回のBOSCH以外の他社によるX-LOCK構造の対応は電動工具業界及び砥石製造メーカーに大きな影響を与える可能性があります。
BOSCHが展開するX-LOCKついては、既にナット締めのディスク取り付け構造が普及している以上、普及に懐疑的な面もありました。しかし、今回のマキタによるX-LOCK対応製品の展開はX-LOCKの流れを大きく変えることになると予想されます。
マキタのX-LOCK対応グラインダの販売によって、マキタ以外の電動工具ブランドによるX-LOCK対応の追従とアクセサリの販売が進む契機となり、業界的にX-LOCK構造が普及する可能性が高くなりました。
X-LOCK : système de changement d’accessoire rapide et sans outil
砥石装着の次世代系、ディスクグラインダーの新構造 X-Lock|Bosch製品情報
日本市場でもX-LOCK対応グラインダは発売予定
今回のマキタによるX-LOCK対応グラインダの販売はフランスなどの欧州地域の一部での販売に限られており、現時点では世界的な販売は行われていないようです。日本の株式会社マキタからもX-LOCK対応製品の販売に関するアナウンスは一切行われていません。
追記:2020年3月から日本国内でもX-LOCK対応グラインダ GA420D,GA520Dの販売が開始されるようです。
日本市場ではX-LOCK展開そのものが海外市場より遅れています。BOSCHによる日本での展開は2019年10月に始まったばかりであり市場への浸透はあまり進んでいません。特に日本の電動工具市場はBOSCHのシェアが低く、X-LOCK対応製品どころかX-LOCK対応の砥石すらまともに流通していない状態です。
マキタはこの点を考慮して、日本市場でのX-LOCK展開を先送りにしたものと推測されます。
今後、日本市場でのX-LOCK普及が進むか、マキタによるX-LOCK対応砥石の調達販売ルートが目途が立ち次第、日本市場でのX-LOCK対応製品販売を進めるのではないかと考えられます。