3Dプリンタは様々な産業での活用が進んでいるが、ほとんどの用途が試作やデザイン検証など製造段階での利用で普通のユーザーがその活用シーンを見る事は少ない。しかし、その中にも3Dプリンタならではの特徴を生かした製品も考案されている。その中で最も注目されているのは「3Dプリントスニーカー」だ。
今回は、3Dプリンタで作られたソールが特徴的なスニーカー「Light more than light」を紹介しよう。
目次
足の負担を軽減する「3Dプリント立体網目構造」
現在、3Dプリンタで最終製品まで作る分野において、最も開発が盛んな分野なのが「スニーカー」です。
従来のスニーカーには、ソールの素材に衝撃吸収材やジェル・エアバックが使わていましたが、近年急速に注目されているのが、3Dプリント技術による立体網目構造の採用です。
3Dプリントで作られたミッドソールは、網目状の細かいメッシュ素材になっており、確実に衝撃を吸収しながらも、長期間のランニングなどにも安定した特性を持ち、オーダーメイドにも簡単に対応できる点などが注目されています。
スポーツメーカー各社様々な3Dプリントスニーカーを開発していますが、今回紹介するのは、中国深センの「天羽輪滑」が制作した3Dプリントソールとニット素材が特徴のスニーカー「Light more than light」です。
靴下のような履き心地、履きやすさと動きやすさを両立
「Light more than light」のソールは、かかととつま先部分で材料を分けているのが特徴です。
かかと部分は、先ほども解説した立体網状構造の3Dプリントソールで作られていて、衝撃、振動の吸収力が高く、通常のスニーカーに比べて足にかかる負担が少なくなる特徴を持ちます。
つま先部分には軟らかくて伸縮性のあるETPU素材を使用しています。耐摩耗性や反発弾性にも優れた材料です。
これら2種類の異なる素材を使用しているのが「Light more than light」の特徴で、快適な走り心地と耐久性を実現しています。
「Light more than light」のもう1つの特徴が、確実に足にフィットする「ニット素材」の採用です。スニーカー全体でニット素材によるストレッチ効果が働くため、足の大きさや足首の太さに関わらずしっかりと固定し、フィットしてくれます
靴紐もないので非常に履きやすく、スニーカー本体の軽さも合わせて、履きやすさと動きやすさを両立しています。
とにかく軽い!全力で走れる靴下を履いている気分
実際にレビューサンプル用の「Light more than light」を提供頂いたので、実際に履いて使用感を確かめてみます。
履いた時に最初に感じるのがスニーカー本体の「軽さ」です。
普段履いているスニーカーと同じソールの高さなのに、足に感じる重さは非常に軽く、でも頑丈なスニーカーを履いた時のようなしっかりとしたソールの固さを感じる事ができます。
実際に軽く走ってみると、初めに履いた時のソールの固さの印象からは、想像もできないほどの柔らかさを感じられます。
3Dプリントで作られた立体網状構造の衝撃・振動の吸収の違いが実感できます。
3Dプリントスニーカーが手に入るクラウドファンディング
3Dプリント技術を利用したスニーカーの開発には様々なスポーツメーカーが参入しており、今後、3Dプリンタフットウェアの市場規模は2029年には年間売上高65億ドルに成長すると予測するレポートも出ています。1
現在はアディダスの3Dプリントスニーカー「alphaedge 4D」などが一般販売されていますが、まだまだ3Dプリントスニーカーは高価な製品です。
今回の「Light more than light」は3Dプリントスニーカーの中では比較的安価で。サイズも履きやすいニット素材を採用しているため非常に履きやすく「3Dプリントソールに興味はあるけど手が出し難い」と考えていた方が気軽に試せるスニーカーだと思います。次世代の新しいスニーカーを試せるチャンスなので、興味があれば是非一度試してみてはいかがでしょうか。
Makuakeで「Light more than light」を見る