普段、サビ取りにはピカールを愛用している筆者ですが、一定以上進行してしまったサビや広い面積のサビだとピカールだけでうまくサビ取りはできません。今回はサビ取りの強い味方、ゴム砥石『五万石スティック』を紹介します。
目次
『五万石スティック』とは?
ゴム砥石とは通常の砥石と違い、結合剤に特殊なゴムを使用した砥石のことです。結合剤にゴムを使用しているため普通の砥石のように砥粒は入っていても、軟らかいのが特徴です。
ゴム砥石は通常の砥石と違い、削る相手の表面をならうように変形するので、凹凸ができにくく滑らかな仕上がりになるのが特徴です。もちろんゴムだからと言ってサビ取りする能力が劣るわけではなく、仕上げ後のバリや傷も出来にくいので用途によっては通常の砥石よりも使いやすくなっています。
五万石スティックはこのゴム砥石を使いやすい大きさにしてアルミ棒スティックに取り付けたもので、手の届きにくいスミの部分や凹凸の部分などに手軽に使用できます。
実際に磨いてみた
検証のためどこまでサビ取りできるか実際に使って試してみます。今回使用する五万石スティックは粒度#40から#320までの5本セットになったAL-12s-5を使用します。
また、ゴム砥石は通常の砥石よりも切削性が高いそうなので、#120くらいから削り始めてもよさそうです。
錆びた6角ビット
まずは錆びてしまったベッセルの6角ビットを五万石スティックで研磨してみます。
安価なビットは表面処理されていないので取り扱い方によっては簡単に錆びてしまいます。このような赤錆に対して五万石スティックはどこまでサビ取りできるのでしょうか。
ダクトレール用スポットライト
次はスポットライトの軸の部分に発生したサビを研磨してみます。
錆びの状態から推測すると、これはクロムメッキ特有のピンホールに起因するサビのようです。メタルラックなどによく発生するサビですね。
普段ならこれくらいのサビはピカールで処理してしまいますが、今回は検証も兼ねて五万石スティックだけでサビ取りしてみます。
形状オーダーもできる五万石スティック
今回はサビ取りについて紹介しましたが、五万石スティックは研磨後の焼け取りや酸化被膜取りなど幅広い研磨作業に対応したゴム砥石です。
元々産業用途に使われるゴム砥石のため、通常の平型形状の他に丸型や三角型など様々な形状の砥石を扱っており、さらにはネジ溝型など様々な形状に対応したゴム砥石も発注できます。個人用途でも農業機械や船舶のメンテナンスなどで活用できそうです。