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2020年2月25日

TCT Japan 2020レポート #TCTJapan

TCT Japan 2020レポート #TCTJapan

TCT Japanは毎年冬に開催されている3Dプリンタの展示会です。今回2回目となるTCT Japan2020は1月29日から31日にかけてビックサイトで開催されました。

フィラメント・材料系展示ブース

polymaker

3Dプリンター用のフィラメントメーカーとして幅広いラインナップを持つのが「Polymaker」です。

今回展示していたのは、2019年に発売された繊維強化ナイロンを含んだ「PolyMide™ PA6-CF」と「PolyMide™ PA6-GF」です。この2種類のフィラメントは、強度と熱変形温度を有するフィラメントで、厳しい環境でも実用的な機能部品にできる点をアピールしていました。

Polymakerは今後も新素材のフィラメントの展開を予定しており、市場の要望や新材料の開発などにより積極的に製品展開を行うとのこと。

2019年夏に発売した炭素繊維強化ナイロンフィラメント「PolyMide™ PA6-CF」の造形サンプル。サンプルを触ってみると積層方向でも非常に剛性が強く、取っ手やネジ止め部など強度が必要な所にも使用できると話す。 [画像クリックで拡大]
左のフィラメントは「PolyDissolve S1」PLA、TPU、PVBに使用。右のフィラメントが近日発売予定の「PolyDissolve S2」PC、ABS、ASAに使用。サポート除去にはアルカリ水溶液を使う。 [画像クリックで拡大]

LEHVOSS

「LEHVOSS 3F Filament」は、工業用化学品メーカーLEHVOSS Groupで開発されたPA6(ナイロン)の性質を有する、炭素繊維を配合した高性能フィラメントです。一般的なPA6と比較しても水の吸収は少なく、予備乾燥等を行わなくても良好な造形が可能です。

造形物は引張強度と耐衝撃性に優れる機械的特性を有しており、非加熱または低温でのビルドプラットフォーム上でも反りの少ない3Dプリントを実現するとアピールしていました。

国内での入手については「株式会社ウエストワン」からの購入・サンプル手配が可能です。

3Dプリンタでの造形性を損なうことなく、PA6の強度を実現した炭素繊維配合高性能フィラメントシリーズ。 [画像クリックで拡大]
実際の造形サンプル。強度は十分にあり積層剥がれや割れなどにも強い。造形時の収縮も少ないため、反りや剥がれなどを気にする必要もないようだ。ただし、ノズル温度は高温にする必要があると話す。[画像クリックで拡大]
射出成型品と3Dプリンタ品の引っ張り強度の比較。積層方向に対する強度の低下はあるものの、特性としては通常の射出成型品と変わらない引っ張り強度を確保している。炭素配合量によって特性は大きく変わるようだ。 [画像クリックで拡大]

BASF 3D Printing Solutions

BASF 3D Printing Solutionsはドイツに本社を置く総合科学会社で、2020年1月に日本3Dプリンター株式会社と代理店契約が締結されました。2020年からは日本国内でもBASF 3D Printing SolutionsのFFF方式3Dプリンター用フィラメント「Ultrafuse」シリーズが購入できるようになりました。

BASF展示ブースでは、ガラス繊維強化ポリプロピレン(PPGF)やナイロン、メタルなど多彩な素材を使った20種類超のフィラメントが展示されていました。

様々なフィラメントの造形サンプル。標準材のPLA、ABS以外にも、エンプラ系の材料、サポート材、フレキシブル材など様々なフィラメントをラインナップしている。 [画像クリックで拡大]
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ホッティーポリマー株式会社

エンプラ系の新素材フィラメントの展示が並ぶ中、一際異彩を放っていたのが「ホッティーポリマー株式会社」のHPフィラメントシリーズです。

独特な材料を使用しているのが特徴で、スーパーエンプラの「PEEK」を使用した造形品の展示や、柔軟性が非常に高い「スーパーフレキシブルタイプ」のフィラメント、発香効果のある「アロマタイプ」フィラメントなど個性ある製品を展示していました。

試作品のフィラメントも展示しており、「PPS」「PEI」などの新たなスーパーエンプラ材料も展示されていました。

非常に柔らかい特性を持つ「HPフィラメント スーパーフレキシブルタイプ」。造形厚みを大きくしても柔軟性を失わない。右の青色の造形品はAmazonで購入した比較サンプルだが、HPフィラメントは比べ物にならないほど柔らかい。 [画像クリックで拡大]
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今年のTCTJapanで最も際立っていた「HPフィラメント アロマタイプ」造形した製品から良い香りがするフィラメント、約半年ほど香りが持続する。樹脂自体はエラストマ材料で柔らかい。香りは「フローラル」と「ソープ」の二種類。オリジナルの香りは要相談とのこと。 [画像クリックで拡大]
今後発売予定の試作品フィラメント。右から二番目の放熱ポリカタイプのフィラメントは、実際に触ると少しひんやりしており、発熱する電子回路の放熱ケースとして活用できそうだ。 [画像クリックで拡大]

金属3Dプリンタ展示ブース

LightSPEE3D / WARPSPEE3D

金属3Dプリンターといえば、金属粉をレーザーで熱して溶融・焼結させながら積層硬化させる方法や、積層体を二次工程で脱脂焼結させる方法が一般的です。今回展示されていたSPEE3D社のLightSPEE3Dでは、超音速3次元積層法(SP3D)と呼ばれる新しい方法で、熱を直接加えない方式での金属造形を実現しています。

LightSPEE3D / WARPSPEE3Dは、通常の金属3Dプリンタと異なり、金属粉を超音速で吹き付けて造形させる方式を採用しており、従来の金属3Dプリンタの造形速度に対し、最大1,000倍の速度での高速造形を実現しています。アルミ・純銅・ステンレスなど様々な材料にも対応しています。

国内では、「日本バイナリー株式会社」が正規販売代理店です。

造形部品事例。一般的な金属3Dプリンタではどのサイズでも数時間以上かかる大きさだが、SP3D法では僅かな時間で造形が完了する。写真真ん中の水枕ほどのサイズであれば5分ほどで造形が完了する。 [画像クリックで拡大]
銅製バルブの造形サンプル。このサイズでも1~2時間で造形が完了するようだ。従来の金属3Dプリンタに比べ非常に素早い造形を実現しているのが特徴と解説していた。 [画像クリックで拡大]

その他・サービス

徳吉工業

新潟県の研磨加工専門企業「徳吉工業」が展示していたのは、定額制のバレル研磨サービス「BOXオーダー」です。ヤマトの宅急便コンパクト専用BOXに入る量であれば、定額価格で研磨を行う魅力的なサービスです。

定額サービスに対応しているのは、Jet Fusion・ナイロンSLS、メタルプレスの3種類。FDM方式の造形品は1つ5,000円から受け付けています。

製造に速度を求める3Dプリント製品だからこそ、気軽に素早く依頼できる「見積もりなしの定額研磨サービス」を開始したとのこと。

Jet Fusionのの造形品も、ヤマトのコンパクト専用BOXに入る量であればどれだけ入れても20,000。バレル研磨によって表面は滑らかになり粉末材料特有のザラザラ感はなくなる。 [画像クリックで拡大]
こちらはナイロンSLSの研磨品。こちらも焼結特有のザラザラ感が無くなる。 [画像クリックで拡大]
茶色の樹脂がウルテム、白い樹脂がABS。写真では分かりにくいが表面の積層跡は綺麗に消えている。表面を研磨しても内側の積層跡までは消せないため、透明系の樹脂を使うと見た目の積層跡は残る。 [画像クリックで拡大]

FilaBot EX2

FilaBot EX2は、誰でもフィラメントを作れるフィラメント材料制作エクストルーダーシステムです。ペレットを混ぜたりフィラーを投入して自分だけのオリジナル樹脂を作ったり、1度成形した3Dプリンタ樹脂を再度リサイクルしてフィラメントに戻すなどの様々な使い方が可能です。

本来の用途は、新素材フィラメントの検証やワンオーダーフィラメントの製造ですが、食品を出力するフードプリンターに使う専用フィラメントの製造にも使われた実績あるようです。

国内では、「日本バイナリー株式会社」が正規販売代理店です。

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