工具を製造・販売する株式会社ベッセル(本社:大阪府大阪市)は、2022年4月に電ドラボールの新型モデル 電ドラボールプラス 220USB-P1を発売する。変速3段階切替機能とギヤ強度の耐久性向上により幅広い作業に対応し、落下防止コードを取り付けられる穴やUSB Tyep-Cの採用で使い勝手も大きく向上した。希望小売価格はオープン価格
目次
ベッセル 電ドラボールプラス 220USB-P1
工具を製造・販売する株式会社ベッセルは、2022年4月に電ドラボールの新型モデル 電ドラボール プラス 220USB-P1を発売する。
電ドラボール プラスは、2020年12月発売の電ドラボールの後継モデルとなる製品です。3段階の変速機能を備え、従来比20%強度アップの強化ギア・フロントハウジングによって耐久性が大幅に向上、手締め時の最大耐久トルクも従来の10N・mから12N・mになりました
本体外観では落下防止コードを取り付けられるストラップホールとコネクタ裏表両方挿せるUSB Type-Cコネクタを採用し、使い勝手の面でも従来モデルから大きく向上しています。
販売仕様はUSB充電ケーブル(1m)が付属する220USB-P1で販売します。USB充電器は付属しないので、別途市販品が必要です。
- 220USB-P1 電ドラボールプラス USB充電ケーブル(1m)付属 オープン価格
製品仕様 (前機種比較)
製品名 | 電ドラボール プラス |
電ドラボール ハイスピード |
電ドラボール |
---|---|---|---|
外観 | |||
品番 | 220USB-P1 | 220USB-S1 | 220USB-1 |
無負荷回転速度 | 低:280min-1 中:340min-1 高:400min-1 |
1,200min-1 | 280min-1 |
最大締付トルク | 低:1.2N・m 中:1.6N・m 高:2.0N・m |
0.4N・m | 2.0N・m |
最大耐久トルク(手動) | 12N・m | 10N・m | |
落下防止コード取付穴 | 〇 | × | |
バッテリー定格容量 | 800mAh | ||
充電端子 | USB Type-C | microUSB | |
入力電源 | 5V-1A | ||
重量 | 170g | 160g | |
充電時間 | 約60分 | ||
アクセントカラー | 赤 | 赤 | 赤(限定:青・緑・橙・ 紫・金・銀) |
寸法 | 147×Φ45mm | 140×Φ45mm | |
本体価格 | オープン価格 | ||
販売年月 | 2022年4月 | 2020年12月 | 2018年12月 |
製品解説 | – | リンク | リンク |
製品の特徴
「電ドラプラスで加わった4つの新たな特徴」
今回の電ドラボールプラスは、従来モデルには無かった新たな4つの特長を採用しています。
速度切替モードを搭載
電ドラボールプラス 最大の特長が3段階の回転数可変機能です。スライドスイッチ上側のボタンを長押しすれば低速・中速・高速の3つのモードで回転数を切り替えられます。
低速の280回転/分は従来モデルの電ドラボールと同じ回転数なので、低速モードでは繊細な端子台作業、中速・高速モードでは一般作業や長ネジへの素早いネジ締めなど、幅広い締結作業に対応します
強化ギアで耐久性が向上
内部ギアとフロントハウジングを強化し、従来比20%増の耐久性向上を実現。これにより電ドラボールプラス本体の耐久性が向上しただけでなく、手締め時の最大締付トルクも向上して最大12N・mまで加えられるようになりました。
落下防止コードを取り付けられるストラップホール
本体頭部にストラップホールを搭載。落下防止コードを取り付けられるようになったので、高所作業でも安心して電ドラボールを使用できます。
充電端子がUSB Type-Cに変更
電ドラボールプラスではUSB充電端子がmicroUSBからUSB Type-Cに変わりました。
Type-Cでは裏表なくコネクタを挿入できるようになり、コネクタそのものの耐久性も優れているので、現場で刺し間違えによる充電口の破損やコネクタ摩耗による脱落にも強くなります。
USB充電工具のパイオニア 電ドラボールの進化は続く
筆者は2018年12月の初代電ドラボールを発売した頃から現場で愛用しており、今では無くてはならない電動工具として重宝しています。
今回の電ドラボールプラスは、発売から計4年分のユーザーの声をくみ上げて、各種機能を組み込んだ改善モデルと言える製品です。電ドラボールの登場以降、複数のメーカーが類似品が販売されましたが1、電ドラボールプラスの登場で再びベッセルの電ドラボールが機能・性能面でトップに立った印象です。実勢価格的には1.5倍程度の値上がりが予想されますが、耐久性が向上したプロ用途として考えれば妥協できる価格です。
3段階変速機能を搭載したのは大きな特長ですが、意外と無視できないのが落下防止コードの搭載でしょうか。昨今の高所現場では落下防止対策を行うのが当然とされていて、工具には何らかの落下防止対策を行わないといけない現場も出てきています。電ドラボールは電動工具に分類されるので、その辺りにも対応できるようになったのは大きなポイントです。
全体的に多機能化・高耐久性・高性能化が進んでいる良い製品なのですが、唯一、気なっているのが「Type-Cの仕様に正しく対応しているか」です。
Type-Cコネクタを備えるUSB PD充電器はそのままの状態だと5V出力されない仕様を備えているため、CtoCのケーブルを使用して充電する場合、機器側にちょっとした回路を設計的に組み込まないといけません。過去、何回もUSB PD充電器で充電・動作しない「なんちゃってType-C機器」を見てきたので、果たして工具メーカーのベッセルがType-C採用でそこまで気を回せているか少し不安だったりします。
よく比較される工具
2018年12月発売
2020年12月発売