本記事は、XTAR様よりレビュー用サンプル品の提供を受けて構成しております。
目次
XTAR Visible Mixer VX4 Charger
今回は、中国深セン市の充電器/リチウムイオンバッテリーブランド XTARの最新充電器 VX4をレビューします。
VX4は、同社が販売する1.5Vリチウムイオンバッテリーの容量測定機能を搭載する初の充電器です。
汎用的な3.6V 3.7Vの円筒型リチウムイオンバッテリーセルの充電だけではなく、LPF (LiFePO4)バッテリーやニッケル水素バッテリーの充電にも対応しており、幅広い単セルバッテリーの充電に対応しているのが特徴です。
充電仕様は最大3Aの充電電流による高速充電にも対応しており、USB Type-Cポートの搭載でUSB充電器からの動作にも対応します。
一般的なバッテリー充電機能のほかに容量測定モードも備えており、高精度な容量テストにも使用できます。
- XTAR VX4 Li-ion 1.5V/Ni-MH 1.2V/Li-ion 3.6V3.7V/LFP 3.2V 充電対応
VX4 製品仕様
製品名 | VX4 |
---|---|
外観 | |
対応バッテリー | 1.5Vリチウムイオン 3.6V 3.7V リチウムイオン 3.2V LFP (LiFePO4) 1.2V ニッケル水素 |
充電カットオフ電圧 | リチウムイオン:4.2V LFP (LiFePO4):3.65V ニッケル水素:1.2V |
充電カットオフ電流 | ≤150mA |
充電電流 | 3A×1 / 2A×2 / 1A×4 / 0.5A×4 / 0.25A×4 |
USB入力仕様 | USB PD 20W QC3.0 (9V 2.0A) 5V 2A |
重量 | 315g |
寸法 | 172×130×41.5mm |
販売年月 | 2024年06月 |
製品の特徴
「1.5Vリチウムイオン電池容量測定対応の充電器」
VX4は、バッテリーの容量測定機能を搭載するバッテリー充電器です。リチウムイオンバッテリーを充電してから放電容量を測定して再充電する機能を備えているので、簡単にバッテリーの実測容量を測定できます。
充電容量測定機能はほかのXTAR充電器にも搭載している機能ですが、VX4は同社の1.5Vリチウムイオンバッテリーの容量測定機能にも対応しているのが特徴です。
LFP (LiFePO4)バッテリーの充電にも対応
VX4はLFP (LiFePO4)バッテリーの充電にも対応しています。MODEキーを長押しすると「LiFePO4」表示に切り替わってLFPバッテリーが充電できるようになります。
XTAR充電器でLFPバッテリーの充電に対応するモデルは、2023年12年に発売したディスプレイ無しの小型モデル MX4だけだったので、VX4になって充電電圧や容量もグラフィカルにわかるようになりました。
ちなみに、VX4はLFPバッテリーセルでよく見かける32650サイズの4本装着にも対応しており、問題なく充電はできるのですが、実際に32650セルを4本装着すると少し浮いて収まりの悪い状態になってしまいます。
最大3Aの充電に対応(1本装着のみ)
VX4では、最大3Aの充電電流の仕様を備えています。
リチウムイオンバッテリーセル向けの汎用充電器は2A仕様の製品がほとんどなので、3A充電によって素早い急速充電を実現します。
ただし、この3A充電は1本装着時のみの挙動であり、2本では各セル2A、4本装着では各セル1Aに自動調整されてしまう点に注意が必要です。
色々なサイズのリチウムイオンバッテリー充電に対応
VX4は、バッテリーセルを挟み込むだけのシンプルな構造なので、幅広いサイズの円筒型バッテリーの装着に対応しています。
一般的に流通している円筒型リチウムイオンセルの21700/18650/18500サイズに全て対応するのはもちろんのこと、角型リチウムイオンセル充電(写真内の赤いセル)も装着できます。
ちなみに、このXTAR充電器は保護回路付きの1セルリチウムイオンバッテリーの充電にも対応しているので、バッテリースペーサーなどを加工してコネクタを付ければ、秋葉原などで買えるDPTのリチウムイオンポリマー電池のバッテリーなども充電できそうです。
USB Type-C端子搭載でUSB PD給電に対応
VX4はUSB Type-C端子を備えているので、USB充電器からリチウムイオンバッテリーを充電できます。
これまでのモデルは専用ACアダプタを使用していたのでコンセントの取れる電源環境しか使えませんでしたが、モバイルバッテリーやシガーソケットなど幅広い環境でバッテリーを充電できるようになりました。
ニッケル水素バッテリーは自動認識
VX4はニッケル水素バッテリーの充電にも対応します。写真ではパナソニックのエネループを充電しています。
ニッケル水素バッテリーは自動認識で充電制御を切り替えてくれるので、特に操作する必要もなく装着するだけで充電してくれます。
ニッケル水素の充電はLi-ionモードでもLiFePO4モードでもどちらでも自動認識してくれます。
CR2 LFPバッテリーの充電も充電できます(要工夫)
最近だとSwitchBot製品の普及に伴い、リチウム電池をLPF化した充電式CR2バッテリーなども出回るようになりました。
VX4充電器はLPFバッテリーの充電には対応しているものの、接点端子がCR2に届かないのでそのままでは充電することができません。本当にギリギリのサイズなので少し押し込めば通電するのですが、手を離すと離れてしまいます。
そんなわけで、こんな感じで鉄棒を噛ませればCR2サイズのLPFバッテリーであっても充電できます。とは言えこれは想定外の使い方なので、ショートには注意しましょう。
LPFバッテリー充電対応と容量測定機能が便利な充電器
XTARはリチウムイオンセルの充電器を販売する企業として結構名の知れたメーカーです。
筆者はリチウムイオンバッテリーセルの情報収集に海外の有志によるウェブサイト(Welcome to my page about batteries, chargers and flashlights)をよく参照しており、そのサイトでもXTARを良く使っているので、リチウムイオンバッテリーを扱うマニアの間では名の知れたメーカーだったりします。
さて、XTARの最上位モデルとしてはDRAGON VP4 Plus充電器があり、バッテリーテスター/アナライザー機能を有するVisible Premium Chargerクラスに位置するシリーズがあるのですが、今回の充電器はMix Chargerクラスであり、多種多様なバッテリー充電に対応していることが特徴の充電器となります。
VX4に関しては同社の1.5Vリチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーに対応しているので、リチウムイオンバッテリーの生セルとは縁の薄い一般ユーザーにも使いやすい充電器なのではないかなと思っています。
最近ではSwitchBotデバイスの普及に伴ってリチウム電池を使うシーンも増えており、LFPバッテリーの普及に伴ってCR123やCR2サイズの充電池も見かけるようになってきたので、SwitchBotデバイスを大量に使っている方などにも良い充電器かもしれません。
そういう意味で1.5VリチウムイオンバッテリーやLFPバッテリーにも対応するUSB Type-C端子搭載のVX4充電器は、ホームユースにおいて優れた充電器と言えそうです。