全ネジ(寸切ボルト)のバリに悩まされる人は多いと思います。ネジ山にバリが出てしまった場合には、ニッパーややすりなどで整える必要がありますが、専用のバリ取りツールを使えば簡単にバリの処理ができます。
今回紹介するのは、HiKOKIの全ネジバリ取りツール「全ネジトリマー」です。
目次
全ネジの切断作業を妨げる『バリ』
電気工事や設備工事でよく使う資材といえば全ネジです、寸切ボルトとも呼ばれています。
全ネジは配線や電気機器の吊り下げ全般に使われ、電気工事以外にも軽天の施工やアンカーの打ち込みなどにも活用される便利な資材です。
全ネジは切断も比較的容易なので、長い全ネジを買って必要な長さにカットしながら使われるのが一般的です。
そんな便利な全ネジですが、全ネジを施工する時の最大の欠点が「バリ」です。全ネジは切断とナット締めを前提に使われる資材なので、バリでナットが掛からなくなってしまうとそれを除去する工程が必要になります。
バリを発生させにくい全ネジカッターなどの専用工具もありますが、カッターの摩耗具合や全ネジの材質によって、どうしてもバリが発生してしまう場合があります。バリが出てしまったときはニッパーやヤスリでネジ山のバリを除去しなければいけません。
ポケットに1つ入れておきたい『全ネジトリマー』
そんなバリを手軽に除去できるツールとして便利なのがHiKOKI(日立工機)が販売する『全ネジトリマー』です。
全ネジトリマーはダイスに樹脂のボディをつけて回しやすくしたネジ山修正ツールです。バリやネジ山が潰れてナットが掛からなくなっても、簡単にネジ山を修正できてナットが掛かる状態にできます。
他にも、ナットの取り付け前に塗装してしまった場合にも塗装部分だけ削るような使い方もできます。
サイズの種類は「W3/8」「W5/16」「M6」「M10」の4種が展開されています。
本当に全ネジトリマでバリが除去できるか試してみる
本当に全ネジトリマーを通すだけでナットが掛かるようになるのか、実際に全ネジを切断して試してみます。
全ネジ切断には様々な方法がありますが、今回はバリの発生しやすい切断砥石で切断してバリを除去してみます。
トリマーを使う手間こそありますが、一回トリマーを通してしまえば確実にナットが掛かるようになるので、作業的な負担は大きく減りそうです。また、高速切断機でまとめ切りした場合などにも全ネジトリマーは活用できそうです。
ラチェットに装着できる『ネジ修正アダプター』
同じような製品では、トップ工業から『ネジ修正アダプター』が販売されています。
こちらは金属製のローレット加工されたボディとダイスが交換できる構造になっているのが特徴です。
ボディは六角ボルトの取り付け口がついているので、ラチェットレンチに装着できる構造になっていて径の大きい全ネジに対してはレンチを使ってバリ取りができるようになっています。
また、ダイスは自由に付け替え出来るので用途に応じて自由に対応ねじ径を変えられるのもメリットです。
HiKOKIの全ネジトリマーのように凸部のガイドはありませんが、使い方によっては凸ガイドのないこちらの方が使いやすいかもしれません。