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連結ねじドライバーとは連結ビスを使えるボード用ドライバ
連結ねじドライバーとは、石膏ボード張りに使用する電動工具です。
類似する工具にはボード用ドライバやエア工具のねじ打ち機などもありますが、この連結ねじドライバーは「ボード用ドライバのねじ打ち構造」とねじ打ち機の「連結ビスの装填機能」を兼ね備えた、良いとこ撮りのボード張り工具です。
コンプレッサー不要で連結ビスの装填機能を備えているので、作業に慣れていない人でも効率よく簡単にボード張りが行えるので、手軽にボード張りが出来る話題の製品として発売当初は人気の製品でした。
なぜ、連結ねじドライバーは普及しなかったのか
連結ねじドライバーは、ねじ打ち機の作業性とボード用ドライバの手軽さを兼ね備えた良いとこ取りの電動工具ですが、この製品は普及しませんでした。
その背景には、コンセプトだけではカバーできなかったいくつかの理由があります。
- 重い
本体+バッテリーで約2kg、さらにビス重量も加わるので片手で使用するには重い。ブラシレス以前のボード用ドライバW4SA2(1.1kg)と比較しても2倍以上重い。 - ビスが高い
箱で販売されているバラのビスと比較すると1本あたり約2倍のコスト。ねじ打ち機とは連結プラスチックシートの形状が異なるため転用不可。 - 連結シートが飛散する
連結プラスチックシートが飛散して片付けの手間が増える。連結シート自体のゴミも発生する - 思ったほど作業速度が速くならない
押しつけのストローク量が大きく打ち込み作業速度は思ったほど速くならない。慣れればバラのビスでも十分早い。ねじ頭の打ち込み量が一定にならず手直しが増える場合もある。 - 壊れやすい
連結ビスの送り機構の構造が弱く、粉じんによって動きも悪くなりやすいので動作不良が起きやすい
これらの理由により、発売当初は話題だった連結ねじドライバーも人気が無くなり、現場で使われることはほとんど無くなりました。
現在、使い勝手の悪さや連結ビスの入手性の関係から連結ねじドライバーを新たに購入する利点はほとんどありません。
ボード張り用の工具の購入を検討しているのであれば、ボード用ドライバやねじ打ち機を使用するのがおすすめです。
販売継続中の連結ねじドライバ
マキタからはオートパックスクリュードライバ、HiKOKIからは連結ねじドライバの名称で販売されています。
連結ねじドライバの連結ビスは、ねじ打ち機と異なるプラスチックシートで連結されているため互換性がありません。専用連結ねじを取り扱う販売店はほとんど無いため、使うためにはメーカー取り寄せが必要になります。
現在、マキタ・HiKOKIは2社とも連結ねじドライバの後継品開発を行っておらず、現在販売されているモデルもそう遠くないうちに廃機種になると予想されます(一部モデルは既に在庫希少品)。
マキタ FR451D 充電式オートパックスドライバー
数ある連結ねじドライバーの中で、最も使い勝手に優れている製品が連結ねじドライバがマキタ FR451Dです。
エアのねじ打ち機と共通のコイル連結ビスが使用できるモデルで、ビスの調達性とランニングコストに優れているのが特徴です。現在販売されているオートパックスクリュードライバの中では、最も実用性の高い連結ねじドライバーです。
締付能力 | 25~41mm | 回転数 | 6,000min-1 |
対応連結ねじ | コイルビス | 電圧 | 18V |
対応ネジ径 | 4mm | ||
寸法 | 342×90×242mm | 重量 | 2.4kg |
マキタ 6841R オートパックスドライバー
FR451DをAC電源で使用できるようにしたオートパックスクリュードライバーがマキタ 6841Rです。
AC電源で稼働するので、バッテリー残量の心配がなく連続してビス打ちできるのが特徴です。
無負荷回転数も6,000min-1と高く、モータ出力も470Wと十分な出力を持ちます。
締付能力 | 25~41mm | 回転数 | 6,000min-1 |
対応連結ねじ | コイルビス | 電圧 | AC100V |
対応ネジ径 | 4mm | ||
寸法 | 333×83×247mm | 重量 | 1.9kg |
HiKOKI WF14DSL
HiKOKI(旧日立工機)が販売しているコードレス連結ねじドライバーがWF14DSLです。14.4V仕様のみ展開されています。
日立工機唯一のコードレス連結ねじドライバですが、この製品以降後継モデルは販売されていません。
締付能力 | 25~41mm | 回転数 | 4,200min-1 |
対応連結ねじ | 専用連結ビス | 電圧 | 14.4V |
寸法 | 379×193mm | 重量 | 2.0kg |