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2020年11月9日

充電式電動工具 空港持ち込みガイドライン

充電式電動工具 空港持ち込みガイドライン

電動工具用バッテリーは航空危険物の対象

リチウムイオンバッテリーは、国際連合が定める国際連合危険物輸送勧告 9の分類と区分に該当する物質に指定されています。早い話、リチウムイオンバッテリーは航空危険物に分類されており、爆発や火災により航空機の安全運航を脅かしたり、施設や物件に損傷を与える恐れがあります。

電動工具のリチウムイオンバッテリーは、スマホ内蔵のバッテリーやモバイルバッテリーよりも大容量の製品が多く、一部の大容量バッテリーでは機内持ち込みですら制限されています。本記事では、電動工具用のバッテリーの機内持ち込みについて解説します。

無申告で輸送したモバイルバッテリーが輸送中の衝撃で発煙した事例。(参考:航空危険物貨物の代表例|国土交通省

バッテリーの容量によって扱いが変わる


電動工具用バッテリーは、ある程度規格化されたバッテリープラットフォームでありながら、リチウムイオンバッテリーの性能向上に伴い容量が増加してきた歴史があり、同じ形状のバッテリーでも容量によって輸送方法や制限の区分が変わるため少し複雑です。

電動工具用バッテリーのバッテリーを空港に持ち込む場合には、バッテリーのラベルに記載されている容量(Wh)を確認します。一般的なバッテリー容量として認識されているアンペア時(Ah)ではないので注意が必要です。

一般的な電動工具用バッテリーであれば、ラベルにWh単位の容量が記載されている。

このワット時(Wh)は、計算で求めることもでき、定格電圧(V)×定格容量(Ah)で算出できます。

  • ワット時の計算例
    • 18V/5.0Ahバッテリーの場合 18V×5.0Ah=90Wh
    • 14.4V/6.0Ahバッテリーの場合 14.4V×6.0Ah=86.4Wh
    • 36V/4.0Ahバッテリーの場合 36V×4.0Ah=144Wh

容量が確認出来たら、以下の区分に従って、どの分類に入るのかを確認します。1

バッテリーを取り外せる電動工具用バッテリーは、「予備電池」に分類されます。

種類 バッテリー容量(Wh) 機内持ち込み 預け荷物
本体内蔵型 160Wh以下
160Whを超えるもの × ×
予備電池
(モバイルバッテリー等)
100Wh ×
100Whを超え、160Wh以下 2個まで ×
160Whを超えるもの × ×

これらの基準は、国際航空運送協会(IATA)の規定を基準にしているため、ほとんどの航空会社で共通の規則が施行されています。ただし、国際線では渡航先の国や渡航先よって独自の制限を設けている場合もあるので、利用する航空会社へ確認しましょう。

電動工具の飛行機持ち込み例

バッテリー内蔵式の電動工具

本体にバッテリーが組み込まれていて取り外せない電動工具は、預け荷物・機内持ち込みどちらでもOKです。

この分類には、最近話題になったUSB充電式のボールグリップ式電動ドライバーなどが当てはまります。ただし、このような工具類は、保安検査場で危険物として没収されてしまう可能性もあるため、預け荷物に入れておくのが安全です。

電動工具セット(本体+充電器+バッテリー)

プロ向け電動工具で一般的の「工具本体+充電器+バッテリー×2」の電動工具を飛行機に持ち込む場合は、工具からバッテリーを全て取り外してバッテリーは機内持ち込みにする必要があります。機内持ち込みの個数には制限がありません。

  • 機内持ち込み個数の制限がない電動工具用バッテリー
    • 14.4V/6.0Ah以下のバッテリー
    • 18V/5.5Ah以下のバッテリー
    • 36V/2.7Ah以下のバッテリー

電動工具にバッテリーを装着したまま(ケースに入れたまま)預け荷物に入れると、待機中に呼び出されたり、最悪の場合ではバッテリーを抜かれてしまうどころか工具本体一式没収の可能性もあるので注意しましょう。

電動工具 大容量バッテリーセット(本体+充電器+6.0Ahバッテリー等×2)

現在主流の18V6.0Ahバッテリーや36V/4.0Ah(18V/8.0Ah)のようなバッテリー容量100Whを超えるバッテリーは、機内持ち込みにも制限が入り、機内持ち込みできるバッテリーは2個までになります。

  • 機内持ち込みが2個までの電動工具用バッテリー(主要メーカー抜粋)
    • マキタ BL1860B
    • マキタ BL4040
    • HiKOKI BSL1860
    • HiKOKI BSL36B18
    • RYOBI/KYOCERA B-1860LA
    • Hilti B 22/5.2

電動工具以外でも100Wh以上のバッテリーであれば持ち込み制限の対象になるため注意が必要です。例えば、モバイルバッテリーでも28,000mAhを超えてしまうとバッテリー容量100Whを超えていると判断され、個数制限の対象になります。

大型大容量バッテリーは機内持ち込みも不可

背負い式電源や36V/6.0Ahバッテリーなどの160Whを超えるバッテリーは、飛行機への持ち込み自体不可なので注意が必要です。この場合は、貨物危険物申請書を作成して指定の梱包様式に基づき貨物扱いで発送する必要があります。

  • 機内持ち込みできない電動工具用バッテリー(主要メーカー抜粋)
    • HiKOKI BL36200
    • HiKOKI BSL3660
    • マキタ PDC1200
    • Hilti 8.0 22V
    • Hilti B36 3.0 36V
    • HIlti B36/5.2
    • Hilti B36 9.0

飛行機に電動工具を持ち込む場合は、18V/5.0Ahバッテリーにして機内持ち込みにすればほとんどのトラブルは回避できます。もちろん、電動工具本体から取り外すのを忘れないようにしましょう。

バッテリーカバーについての厳密な記載はありませんが、カバーが無いことを注意される場合もあるので、できるだけつけておくのがおすすめです。

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脚注

  1. 制限のあるお手荷物|JAL国内線
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