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充電式電動工具のリチウムイオンバッテリー飛行機持ち込みガイドライン【2026年春改定ルール版】

充電式電動工具のリチウムイオンバッテリー飛行機持ち込みガイドライン【2026年春改定ルール版】

電動工具用バッテリーは航空危険物の対象

リチウムイオンバッテリーは、国際連合が定める国際連合危険物輸送勧告 9の分類と区分に該当する物質に指定されており、爆発や火災により航空機の安全運航を脅かしたり、施設や物件に損傷を与える恐れがあるため、航空機内への持ち込みが制限されています。

実際のリチウムイオンバッテリーの機内持ち込みの扱いについては、航空各社で微妙な違いはあるものの、一般的には国際航空運送協会(IATA)に準じた規則を提示しており、旅客機・貨物機共にその規則に準じた持ち込みルールを提示しています。

電動工具のリチウムイオンバッテリーに関しては、スマホ内蔵のバッテリーやモバイルバッテリーよりも容量が大きく、一部の大容量バッテリーは機内持ち込み自体も制限されています。

本記事では、電動工具用のバッテリーを航空機に安全に持ち込む方法と判別方法について解説します。

無申告で輸送したモバイルバッテリーが輸送中の衝撃で発煙した事例。
(参考:航空危険物貨物の代表例|国土交通省

バッテリーの容量によって機内持ち込み時の扱いが変わる

電動工具用バッテリーのバッテリーを航空機に持ち込むときには、バッテリーのラベルに記載されている容量(Wh)を確認しなければいけません。

Whとはバッテリーの容量を表す単位で、飛行機に搭乗する前の手荷物検査でモバイルバッテリーを見せる場合には、Whの数字を見せて確認しなければいけません。

一般的な電動工具用バッテリーであれば、ラベルにWh単位の容量が記載されている。

このワット時(Wh)は、基本的にPSEマークが書かれているラベルに記載されていますが、書かれていない場合は定格電圧(V)×定格容量(Ah)でも算出できます。

  • ワット時の計算例
    • 18V-5.0Ahバッテリーの場合 (HiKOKI BSL36A18X など)
      18V×5.0Ah=90Wh
    • 14.4V-6.0Ahバッテリーの場合 (マキタ BL1860B など)
      14.4V×6.0Ah=86.4Wh
    • 36V-4.0Ahバッテリーの場合 (マキタ BL4040、HiKOKI BSL36B18Xなど)
      36V×4.0Ah=144Wh

容量が確認出来たら、以下の区分に従って、どの分類に入るのかを確認します。1

電ドラボールのような工具本体にバッテリーが内蔵されている製品は「本体内蔵型」、スライドバッテリーのような取り外せるタイプのバッテリーは、「予備電池」、USB端子を備えた電源供給機能だけのバッテリーは「モバイルバッテリー」に分類されます。

種類 バッテリー容量(Wh) 機内持ち込み 預け荷物
本体内蔵型 160Wh以下
160Whを超えるもの × ×
予備電池 100Wh以下 〇(個数制限ありの場合も) ×
100Whを超え、160Wh以下 2個まで
(100Wh以下の電池がある場合1個まで)
×
160Whを超えるもの × ×

これらの基準は、国際航空運送協会(IATA)の規定を基準にしているため、ほとんどの航空会社で共通の規則が施行されています。ただし、国際線の場合、渡航先の国や航空会社よって独自の制限を設けている場合もあるので、事前に確認しましょう。

モバイルバッテリーを持っている場合【2026年春新ルール改定】

2026年春の新ルール改定で機内持ち込み時のモバイルバッテリーの取扱いが大きく変わりました。

今回のルール改定はあくまでもモバイルバッテリーを対象とするもので、電動工具バッテリーは予備電池に分類されていますが、機内持ち込みを行うモバイルバッテリーの個数によって機内持ち込みができる予備電池に制限がかかる場合があります。

100Wh以下のバッテリー個数制限なし (航空会社によっては独自の上限を設けている場合あり)
100Wh超~160Wh以下
バッテリー
持ち込むモバイルバッテリーの組み合わせによってバッテリー持ち込み数が変化
①モバイルバッテリーが100Wh以下×2個の場合:2個まで
②モバイルバッテリーが100Wh超~160Wh以下×2個の場合:持込み不可
③モバイルバッテリーが100Wh以下×1個+100Wh超~160Wh以下×1個の場合:1個まで
160Whを超えるバッテリー持ち込み禁止

基本的な考え方としては、モバイルバッテリーの容量100Wh以下なら電動工具バッテリーの持ち込み条件は変わりませんが、100Wh超~160Whのモバイルバッテリーの機内持ち込みを行うと、電動工具バッテリーの持ち込み数も変わります。

充電式電動工具の飛行機持ち込み例

前置きが長くなりましたが、実際に電動工具のバッテリーを飛行機に持ち込む場合の例を解説します。

バッテリー内蔵式の電動工具

本体にバッテリーが組み込まれ、容易にバッテリーが取り外すことのできない電動工具は、預け荷物・機内持ち込みどちらでもOKです。

この分類は、USB充電式のボールグリップ式電動ドライバーなどが当てはまります。

ただし、ドライバービットは保安検査場で刃物類として没収されてしまう可能性が高いため、機内持ち込みは避けて預け荷物に入れておくのが安全です。

電動工具セット(本体+充電器+バッテリー)

プロ向け電動工具の「工具本体+充電器+バッテリー」のような電動工具一式を飛行機に持ち込む場合は、バッテリーのみを抜き出して機内持ち込みにする必要があります。

バッテリー容量100Wh以下のバッテリーては機内持ち込み個数に制限がないため、1人でいくつも機内持ち込みができます。

  • 機内持ち込み個数の制限がない電動工具用バッテリー
    • 14.4V-6.0Ah以下のバッテリー (マキタ BL1460Bなど)
    • 18V-5.5Ah以下のバッテリー (HiKOKI BSL36A18Xなど)
    • 36V-2.7Ah以下のバッテリー (マキタ BL4025など)

電動工具 大容量バッテリーセット(本体+充電器+6.0Ahバッテリー等×2)

18V6.0Ahバッテリーや36V/4.0Ah(18V/8.0Ah)のようなバッテリー容量100Whを超えるバッテリーは、機内持ち込みが制限され、2個までしか持ち込みが出来ません。

  • 機内持ち込み 2個までの電動工具用バッテリー(主要メーカー抜粋)
    • マキタ BL1860B (108Wh)
    • マキタ BL4040 (144Wh)
    • HiKOKI BSL1860 (108Wh)
    • HiKOKI BSL36B18X (144Wh)
    • RYOBI/KYOCERA B-1860LA (108Wh)
    • Hilti B 22/5.2 (108Wh)

また、2026年の改正によって100Whを超えるモバイルバッテリーを2個持ち込む場合は、100Whを超える電動工具バッテリーの持ち込みが禁止されてしまうため注意が必要です

例えば、18V-6.0Ahバッテリーを2個持っていくときなど、途中で予備バッテリーやモバイルバッテリーを購入して帰る時には制限の対象となるため注意しましょう。

大型大容量バッテリーは機内持ち込みも不可

背負い式電源や36V/6.0Ahバッテリーなどの160Whを超えるバッテリーは、飛行機への持ち込み自体不可なので注意が必要です。この場合は、貨物危険物申請書を作成して指定の梱包様式に基づき貨物扱いで発送する必要があります。

ただし、実際の貨物危険物申請は手間がかかり梱包要件を満たすことも難しいため、160Whを超えるバッテリーの輸送は現実的ではありません。

  • 航空機に持ち込めない電動工具用バッテリー
    • マキタ BL1890 (162Wh)
    • マキタ BL18120 (216Wh)
    • マキタ BL4050F (180Wh)
    • マキタ BL4080F (288Wh)
    • マキタ BL4080H (288Wh)
    • マキタ PDC1200 (1,206Wh)
    • HiKOKI BL36200 (720Wh)
    • HiKOKI BSL3660 (216Wh)
    • Hilti 8.0 22V (176Wh)

2個制限の対象にならない100Wh以下のバッテリーを持ち込むのが無難

飛行機に電動工具を持ち込む場合、バッテリー容量100Wh以下のバッテリーを持ち込むことでトラブルは回避できます。もちろん、その時に電動工具本体から取り外すのを忘れないようにしましょう。

また、2026年の改正でモバイルバッテリーに対する持ち込み制限のルールも始まったため、電動工具バッテリーを持ち込むのであれば、モバイルバッテリー扱いにならないUSBアダプタを使用するのが簡単です。(手荷物検査も余計な説明を行わなくて済みます。)

予備電池については短絡(ショート)しないよう個々に保護することが求められるようになったため、バッテリーを購入した時に付属していたバッテリーカバーを付けていくのを推奨します。

USBアダプタ

マキタ(Makita) 40Vmax ADP002G USB用アダプタ 本体のみ
マキタ(Makita)
¥10,500 (税抜) マキタ標準小売価格

主要航空会社 機内持ち込みガイドラインリンク

脚注

  1. 制限のあるお手荷物|JAL国内線
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