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2023年12月27日

充電式電動工具の空港持ち込みガイドライン

充電式電動工具の空港持ち込みガイドライン

電動工具用バッテリーは航空危険物の対象

リチウムイオンバッテリーは、国際連合が定める国際連合危険物輸送勧告 9の分類と区分に該当する物質に指定されています。爆発や火災により航空機の安全運航を脅かしたり、施設や物件に損傷を与える恐れがあるため、航空機内への持ち込みが制限されています。

電動工具のリチウムイオンバッテリーは、スマホ内蔵のバッテリーやモバイルバッテリーよりも容量が大きく、一部の大容量バッテリーでは機内持ち込みも制限されています。本記事では、電動工具用のバッテリーを航空機に持ち込む方法について解説します。

無申告で輸送したモバイルバッテリーが輸送中の衝撃で発煙した事例。(参考:航空危険物貨物の代表例|国土交通省

リチウムイオンバッテリーの扱いについては、航空各社で微妙な違いはあるものの、一般的には国際航空運送協会(IATA)に準じた規則を提示しており、旅客機・貨物機共にその規則に準じた持ち込みルールを提示しています。

バッテリーの容量によって扱いが変わる

電動工具用バッテリーのバッテリーを航空機に持ち込むときには、バッテリーのラベルに記載されている容量(Wh)を確認します。

一般的な電動工具用バッテリーであれば、ラベルにWh単位の容量が記載されている。

このワット時(Wh)は、計算で求めることもでき定格電圧(V)×定格容量(Ah)で算出できます。

  • ワット時の計算例
    • 18V-5.0Ahバッテリーの場合 18V×5.0Ah=90Wh
    • 14.4V-6.0Ahバッテリーの場合 14.4V×6.0Ah=86.4Wh
    • 36V-4.0Ahバッテリーの場合 36V×4.0Ah=144Wh

容量が確認出来たら、以下の区分に従って、どの分類に入るのかを確認します。1

電ドラボールのような工具本体にバッテリーが内蔵されている製品は「本体内蔵型」。スライドバッテリーのような取り外せるタイプのバッテリーは、「予備電池」に分類されます。

種類 バッテリー容量(Wh) 機内持ち込み 預け荷物
本体内蔵型 160Wh以下
160Whを超えるもの × ×
予備電池 100Wh ×
100Whを超え、160Wh以下 2個まで ×
160Whを超えるもの × ×

これらの基準は、国際航空運送協会(IATA)の規定を基準にしているため、ほとんどの航空会社で共通の規則が施行されています。ただし、国際線の場合、渡航先の国や航空会社よって独自の制限を設けている場合もあるので、事前に確認しましょう。

特に中国系の航空会社の場合、持ち込み制限が一般の基準より厳しいケースも多いので注意しましょう。

電動工具の飛行機持ち込み例

バッテリー内蔵式の電動工具

本体にバッテリーが組み込まれ、容易にバッテリーが取り外すことのできない電動工具は、預け荷物・機内持ち込みどちらでもOKです。

この製品には、USB充電式のボールグリップ式電動ドライバーなどが当てはまります。

ただし、工具そのものは保安検査場で刃物類の危険物として没収されてしまう可能性もあるため、預け荷物に入れておくのが安全です。

電動工具セット(本体+充電器+バッテリー)

プロ向け電動工具の「工具本体+充電器+バッテリー」のような電動工具一式を飛行機に持ち込む場合は、バッテリーのみを抜き出して機内持ち込みにする必要があります。

バッテリー容量100Wh以下のバッテリーては機内持ち込み個数に制限がないため、1人でいくつも機内持ち込みができます。

  • 機内持ち込み個数の制限がない電動工具用バッテリー
    • 14.4V-6.0Ah以下のバッテリー
    • 18V-5.5Ah以下のバッテリー
    • 36V-2.7Ah以下のバッテリー

電動工具 大容量バッテリーセット(本体+充電器+6.0Ahバッテリー等×2)

18V6.0Ahバッテリーや36V/4.0Ah(18V/8.0Ah)のようなバッテリー容量100Whを超えるバッテリーは、機内持ち込みも制限され、2個までしか持ち込みが出来ません。

  • 機内持ち込みが2個までの電動工具用バッテリー(主要メーカー抜粋)
    • マキタ BL1860B
    • マキタ BL4040
    • HiKOKI BSL1860
    • HiKOKI BSL36B18
    • RYOBI/KYOCERA B-1860LA
    • Hilti B 22/5.2

電動工具以外でも100Wh以上のバッテリーであれば持ち込み制限の対象になるため注意が必要です。例えば、モバイルバッテリーでも3.6V – 28,000mAhを超えるようなモバイルバッテリーも個数制限の対象になります。

例えば、18V-6.0Ahバッテリーを2個持っていくときなど、途中で予備バッテリーやモバイルバッテリーを購入して帰る時などが制限の対象となりやすいので注意しましょう。

大型大容量バッテリーは機内持ち込みも不可

背負い式電源や36V/6.0Ahバッテリーなどの160Whを超えるバッテリーは、飛行機への持ち込み自体不可なので注意が必要です。この場合は、貨物危険物申請書を作成して指定の梱包様式に基づき貨物扱いで発送する必要があります。

  • 航空機に持ち込めない電動工具用バッテリー(主要メーカー品抜粋)
    • HiKOKI BL36200
    • HiKOKI BSL3660
    • マキタ PDC1200
    • Hilti 8.0 22V
    • Hilti B36 3.0 36V
    • HIlti B36/5.2
    • Hilti B36 9.0

2個制限の対象にならないバッテリーを持ち込むのが無難

飛行機に電動工具を持ち込む場合、18V/5.0Ahバッテリーならほとんどのトラブルは回避できます。もちろん、その時に電動工具本体から取り外すのを忘れないようにしましょう。

バッテリーカバーについての厳密な記載はありませんが、カバーが無いことを注意される場合もあるので、できるだけつけておくのがおすすめです。

主要航空会社 機内持ち込みガイドラインリンク

脚注

  1. 制限のあるお手荷物|JAL国内線
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