日立工機は新型の大容量バッテリーBSL36B18を発売する。この新型バッテリーは大型の21700サイズのリチウムイオンセルを採用により、従来のバッテリーよりも大容量の18V 8.0Ah(36V換算で4.0Ah)のバッテリーとなっている。
目次
国内電動工具史上 最大容量のバッテリーBSL36B18
BSL36B18は、既存の6.0Ahバッテリーの容量を超えた容量を持つ8.0Ahの電動工具用バッテリーだ。希望小売価格は30,800円(税抜)。
ここ数年の電動工具バッテリーは6.0Ahから容量が増加しておらず、これ以上の容量増加はバッテリーの技術革新待ちの状態だったのだが、日立工機はバッテリーのサイズそのものを大きくすることで更なる大容量化を実現することに成功した。
- BSL36B18 希望小売価格30,800円(税抜)
18Vでは8.0Ahもの容量を持つBSL36B18
BSL36B18バッテリーは、マルチボルトシリーズに分類されるバッテリーだ。
マルチボルトバッテリーは36Vと18Vに両対応したバッテリーで、36Vマルチボルトシリーズにも既存の18V電動工具にもマルチボルトバッテリーで使用できるのが特徴だ。
大容量となったBSL36B18であっても18V電動工具との互換性を有しており、バッテリー互換性を重視する日立工機の開発の姿勢が見て取れる。
BSL36B18は36V工具装着時で4.0Ah、18V工具装着時に8.0Ahとなり、国内の電動工具メーカーとしては最も容量が大きい電動工具用バッテリーとなる。
海外電動工具メーカーを含めても、2並列構成のバッテリーとしては最も容量が多いバッテリーとなっている。(米国では3並列構成のMilwaukeeの9.0Ahバッテリーが最大)
しかし、電圧や装着部に互換性は有しているものの、電池自体のサイズが大きくなった事で物理的に干渉してしまい、取り付けられなくなってしまった電動工具もある。実際に使用する場合は使用できない製品のリストの確認が必要だ。
BSL36B18は電動工具ユーザーの心を掴むか?
電動工具に求められるものといえば『性能』と『取り回し』の2つに絞れるだろう。
両方を兼ね備えた電動工具が開発されればいいのだが、この2つの要素は基本的にトレードオフの関係にあり、高性能の電動工具は自ずと大型・重量な製品になってしまう。そのためこれまで、コードレス電動工具の性能向上の背景には、リチウムイオンバッテリーやブラシレスモーターの発展など、新技術の採用が不可欠であった。
そんな中、日立工機はバッテリーのサイズを大きくして性能向上を図ると言う、トレードオフの根本的な関係から抜け出さない形でコードレス工具の性能向上を目論んだ形になる。
BSL36B18では、大径セルの採用によって大電流放電が可能になり、既存の電動工具に対しても若干性能が向上するものと考えられる。
しかし、大きいバッテリーによって稼働時間が伸びても、これまでのバッテリーの重心で考えられた電動工具では、重さで取り回しが悪くなってしまう可能性も否めない。もしかしたら、充電の手間以上の使いづらさも出てくるかもしれない。
電動工具ユーザーは『高い性能』を求めるのか、それとも『取り回しの良さ』を求めるのか、大型のバッテリーセルを採用したBSL36B18は、今後の電動工具の製品展開に一石を投じることとなりそうだ。
BSL36B18まとめ
HiKOKI 36V-4.0Ah/18V-8.0Ahバッテリー BSL36B18
VOLTECHNO製品評価 (5 / 5)
21700セル採用のマルチボルトバッテリー
競合製品 | マキタ BL4040 |
Bluetooth搭載バッテリー | HiKOKI BSL36B18B |
- 単一バッテリーで大容量
- 18V電動工具に対応
- 一部製品装着不可能
- サイズが大型化