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2024年1月22日

コンパクトな8インチノートパソコン『CHUWI MiniBook』は性能も拡張性も優れた高コスパPC

コンパクトな8インチノートパソコン『CHUWI MiniBook』は性能も拡張性も優れた高コスパPC

近年、UMPC(ウルトラモバイルパソコン)が盛り上がりの兆しを見せています。中国PCメーカーが主導となって展開されているUMPCですが、店頭などでは取扱店舗も少なく、興味はありながらも触れる機会がなかなかなかったのですが、今回はMakuakeでクラウドファンディング中のCHUWI MiniBookをお借りしたのでレビューします。

かつてのUMPCから大きく進歩、CHUWI MiniBook

今回紹介するのは、中国深セン市を本拠地に置くCHUWIブランドの8インチウルトラモバイルPC『MiniBook』です。このCHUWIが販売する『MiniBook』は「日本語キーボード」「M.2スロット搭載」「デジタイザーペン対応」が特徴のUMPCです。

初期のUMPCは、ASUSのeeePCを皮切りに低価格コンパクトな廉価PCとしてモバイルルーターの抱き合わせプランなどもあり一大ブームを巻き起こしましたが、直後のiPadやスマホの台頭によりブームは収束。その後は細々とした製品展開でマイナーなモデルになってしまいました。

現在は中国ブランドを中心に再びUMPCが普及する兆しがあり、当時のUMPCとは異なり、コンパクトサイズで低価格ながらスペックも決して悪いわけではなく、USBの性能向上で拡張性にも問題ない実用性の高いUMPCがラインナップされています。

日本語対応キーボード、キー配置に慣れるには少し時間が必要

MiniBook最大の特徴が日本語配列キーボードの搭載です。UMPCは海外市場を中心に展開されている製品なので、日本語配列キーボードは非常に珍しいんですが、MiniBookの日本展開にあたり19mmの日本語配列フルピッチキーボード仕様として販売されます。

UMPC自体が超コンパクトサイズな製品なのでキー配置は一部不自然な部分もありますが、表示されているキーがそのまま表示される点や、「半角/全角キー」がちゃんと搭載されている部分からも、日本語配列キーボードを搭載するメリットは大きいでしょう。

ただ、実際にタイプしてみるとUMPC故に日本語キーボードでも不自然な部分もあり、「ホームポジションに少し違和感」「半角/全角キーはESCの下に欲しかった」など、今後改良して欲しいと思う点はいくつかあります。

キーボードはバックライトが搭載されています。暗い場所でもキーの配置確認ができるので、変則的なキー配置のキーボードでは必須かもしれません。バックライトのON・OFFも可能です。

MiniBookの搭載インターフェース

MiniBookは様々なインターフェースが搭載されています。MiniBook単体でもUSBは最大3ポート使用可能で、オーディオ端子やHDMIなど映像と音声のインターフェースも搭載しているのでビジネスやエンターテインメントとしても活用できます。

本体右側面は「Micro SDカードスロット」「USB2.0」「オーディオジャック」です。左側のスリットはスピーカーが内蔵されています。スピーカーの音質は「低音質じゃないな」と思う程度。
本体左側面は「USB Type-C(充電兼用)」「MiniHDMI」 「USB3.0」を搭載。USB Type-CはACアダプタの給電ポートも兼ねているため、MiniBookの充電は常にUSB Type-Cコネクタで行います。
キーボードの四角い部分はポインティングデバイスになっています。この部分をなぞるようにして指を動かすとマウスポインタが動きます。
キーボード右上の赤い丸は電源ボタン兼指紋センサーになっています。このスイッチは非常に硬いので、誤って押してしまう心配はなさそうです。
本体裏側にはM.2スロットを搭載。SSDを搭載可能で、eMMCのストレージの他にSATA SSDを搭載できる仕様となっています。内部のストレージを変更できるのは非常に珍しい仕様です。
付属のACアダプタの仕様。USB Type-Cの出力端子は、5Vから20VのUSB PDの出力仕様に準じています。

タブレットより小さくて、Windowsノートの機能性を併せ持つ

実際に「MiniBook」を使用してみると、UMPCに便利な存在という事に気づきます。

MiniBookは16GBの十分な量のメモリを搭載しており、搭載CPUもCore m3-8100Yと低くはないスペックを搭載しているため、オフィスワークだけではなく、Adobe系のソフトやエンターテインメント、動画編集等もある程度は対応できるようになっています。

普段は、ASUSのZenBook Proを持ち歩いて執筆から画像編集、CADなどオフィスから自宅に至るまで様々な場所で作業を行っていますが、常にハイスペックなパソコンを必要としている訳でもないため、作業によっては「MiniBook」で十分な日もあります。

重量も650gと一般的なノートパソコンよりも非常に軽く、USB PDに対応しているのでUSB PD対応モバイルバッテリーを使えば電源のない場所でも長期間使用できます。

背面デザインも、落ち着いたグレーの艶消しデザインになっているため、ビジネスライクな場でも違和感なくマッチします。

10インチのiPadや15インチのノートパソコンと比較してみると大きさは一目瞭然です。MiniBookは8インチとiPadより小さいサイズでありながら、Windowsノートの十分な実用性と拡張性を備えており、バッテリーも満充電で約6時間ほど稼働できるので、ACアダプタが無い場合でも十分に作業が行えます。

画面サイズは8インチと小型サイズなので画面の小ささによる見難さは否めませんが、発色や視野角自体はiPadやZenBook Proとさほど違いがありません、価格的に考えれば安価なUMPCとは思えないほど良いディスプレイです

小物で散乱した机の上でも、MiniBookであれば僅かなスペースにパソコンを置くことができます。

USB Type-Cのマルチハブを使用すれば、MiniBookの充電と一緒にUSBコネクタも拡張できるので、マイコンのライターや計測機器のUSB接続機器としても使いやすくなります。

本体の天板はCHUWIロゴの非常にシンプルなデザインです、ロゴサイズも小さくLEDなども搭載していないため目立ちません。

反対側に折りたためば、タブレットモードで使用できる

MiniBookは360度回転するYogaディスプレイを搭載しており、ディスプレイを裏返せばWindowsタブレットとしても使用できます。裏返した時にキーボードは反応しなくなるので、文字が誤って入力される事もありません。

別売のペンと合わせればOneNoteを使ったメモ帳やアイデアノートとしても使用できそうです。対応ペンはChuwi HiPen H3 Stylus Penだとか(未確認です)。

タブレットモードで裏側に折りたたんだ時にディスプレイが少し浮いてしまうのは少し残念。
実用的にはほとんど問題ありませんが、カパカパしてしまうのは少し気になる部分

Makuakeでクラウドファンディング中、コスパ・性能良しの良モデル

現在、CHUWI MiniBookはMakuakeでクラウドファンディングを実施しており、早割価格で購入できるようになっています。2019年11月いっぱいで終了となるので、新しいパソコンを検討している方は要チェックです。

実用的な面で言ってもスペックに十分な余裕があり、価格的にも6~8万円で購入できるのでなかなかお手軽価格なパソコンだと思います。購入するのであれば、メモリが多くCPUパワーも高い「CHUWI MiniBook m3-8100Y版」がおすすめです。

2台目の持ち運び用のパソコンや、実験室や設備に設置するパソコンとしても使いやすいパソコンかもしれません。

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