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2020年7月26日

Curri 現場もIT活用の時代へ、Uberスタイルの新たな資材輸送サービス

Curri 現場もIT活用の時代へ、Uberスタイルの新たな資材輸送サービス

北米カリフォルニア州のスタートアップCurriが提供する新たなマッチングサービス「Curri」が注目を集めています。Curriは建築資材輸送のシェアリングエコノミーを提供するサービスで、個人・法人間の輸送業者と依頼者をマッチングし、柔軟性の高い低価格な資材輸送サービスを提供します。

Curri 建築資材を現場に輸送するマッチングサービス

現場に移動する時、人員や工具と共に販売店や倉庫に立ち寄って資材を積み込む作業で時間がかかってしまった経験がある方は多いと思います。ほかにも作業の途中で不足した資材や消耗品を買い足すために現場から抜けて調達に出かける、なんて場合もあるでしょう。

もし、資材や消耗品の調達輸送を他の人に頼むことが出来れば、現場までの資材輸送コストを減らすことができます。大きな輸送車両の手配や現場の移動までの短縮化、現場を空けずに済む盗難リスクの低減など、時間的・セキュリティ的にも色々なメリットもあります。

今回紹介するのは、柔軟性の高い輸送サービスを実現する北米のマッチングサービス「Curri」です。

Curriは2018年にアメリカ合衆国のカリフォルニア州で創業されたスタートアップ企業です。同名のサービス「Curri」は、アプリやWebページ上で「資材を要求する依頼者と輸送車両を持つユーザーのマッチング」によって建設関連の材料、部品、工具のオンデマンド注文・配送サービスを提供します。

資材の輸送に特化したシェアリングエコノミー

配送業者のマッチングサービスは、国内でも「movo」「軽バン.com」などが展開されています。Curriは決済手段も提供し、依頼者が資材を直接手配していなくてもマッチングした輸送者が販売店から直接資材を輸送できるサービスです。

Curriの輸送はUber Eatsのような配達車登録を行った個人・法人の輸送パートナーによって構成されています。

Curriアプリで依頼を行うと、資材の形状から最適な輸送車両を持つパートナーでマッチングが進みます。マッチングが締結すると販売店や倉庫での決済・出庫準備が進められ、輸送パートナーは購買活動を行うことなく販売店・倉庫に向かい、資材を詰め込むだけで依頼者が指定した輸送場所への配達できます。

輸送が完了すると、マッチングした輸送業者には輸送料が支払われる仕組みになっています。これら一連の処理はCurri上のアルゴリズムで進められ、発注・決済・配送・輸送価格決定まで全て自動で進みます。

資材輸送の活用シーン

Curriは法人向けの大型資材輸送にも対応しています。トレーラーやテレハンドラーのような荷役車両が登録されている地域ではパレット輸送にも対応しています。

1時間10kmの資材輸送のコストの試算比較。燃料代や車の各種消耗品で1,000円、従業員の賃金3,000円、生産性の喪失3,000円で計7,000円の輸送コスト。Curiiを使った場合のコストは2,000円以下で済みます。

月200回資材輸送をCurriに依頼した場合、約100万円/月の輸送コスト削減が期待できるとしている。

マッチングで現場が変わる、建設業もIT活用の時代

日本のマッチングサービスではフードデリバリーのUber Eatsが新たな労働スタイルとして注目を集めていますが、同じ仕組みの「シェアリングエコノミー」を建築業界や資材輸送の分野に適用したのがCurriです。

このCurriは「空いている輸送車両の稼働率を上げたいユーザー」「輸送コストを下げたいユーザー」「売上を上げたい販売店」を結びつける画期的なサービスです。

残念ながら、Curriのサービス対象地域は北米地域だけなので、日本国内では使用できません。

日本の建築業の調達活動は、大規模ホームセンターやEC主体の販売が進む海外の動向と異なり、地域密着型の販売店と強く結びついているのが特徴です。Curriのような資材輸送サービスは日本のような市場構造でこそもっとも輝けるサービスと言えるかもしれません。近年は地域密着型の金物屋・資材販売店は淘汰が進み現象が進んでいますが、IT活用による物流の変化がこの状況を大きく変える可能性もありそうです。

Curriの日本展開はアナウンスされていませんが、今後、国内ITベンチャーや既存のマッチングアプリの機能拡充などによって類似するサービスが始まる可能性はあります。

現時点で最もCurriに近い建設業向けマッチングサービスとしては、株式会社助太刀の提供する建設業マッチングサービス「助太刀」があります。助太刀は職人・協力会社と現場をマッチングさせるサービスですが、工具1やレンタル建機2の現場配送に対応するサービスも併設されており、独自の決済手段も持っています。今後のサービス拡充予定では「材料を直接現場に届くサービスを拡充予定」とも明言しています。

日本国内には全国規模で展開する巨大ホームセンターが存在しないため、資材搬送のサービスを行うのであれば、各地域の主力ホームセンターとの契約と並行して、地域密着型の店舗との協業によるUber Eats方式による展開が最適解になるかもしれません。

現場作業ではIoTやロボット化などさまざまな場面でIT技術の活用が検討されていますが、未だ建設現場を一変させるような革新的なツールは現れておらず試行錯誤が続いている状態です。

設備リソースや労働力を柔軟に提供するマッチングサービスは、現場にすぐ適用できるので最も現実的で導入しやすいITサービスと言えるでしょう。

参考リンク

脚注

  1. 工機HD、職人マッチングアプリ「助太刀」で電動工具ブランド「HiKOKI」製品の修理サービスを提供|日本経済新聞

  2. 助太刀がアクティオと協業を開始。「助太刀ストア」内で工事会社向けに建機レンタルサービスを開始予定。|助太刀
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