工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレスセーバソー CR36DMAを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。軽量コンパクトなマルチボルト36V動作のショートレシプロソーでリニアガイド式カウンタウェイトやローラーサポートを搭載する。本体希望小売価格は42,700円(税別)
目次
HiKOKI コードレスセーバソー CR36DMA
HiKOKIは、2023年3月からマルチボルトシリーズ コードレスセーバソー CR36DMAを発売します。
CR36DMAは、軽量コンパクトな設計で狭い場所や高所での作業に対応するショートタイプのコードレスセーバソーです。同クラス中でも最速クラスの切断速度を誇り、効率的な作業を実現します。
独自の低振動機構「リニアガイド式カウンタウェイト」を採用により切断時のバタつきを軽減し、作業者の疲労を和らげます。また「ローラーサポート構造」が先端軸受け部分の摩擦を低減することで耐久性も向上させています。
高輝度LEDライトによる暗い場所でのサポートや4段階の速度調整機能により、さまざまな切断シーンや作業環境に対応します。
販売仕様は、バッテリーBSL36A18X×2・急速充電器UC18YDL2が付属する(2XPZ)と本体のみの(NN)で展開します。
- CR36DMA(2XPZ) バッテリー充電器ケース付属 希望小売価格24,600円(税抜)
- CR36DMA(NN) 本体のみ 希望小売価格24,600円(税抜)
製品仕様 (CR36DA比較)
製品名 | CR36DMA | CR36DA |
---|---|---|
外観 | ||
能力 | 軟鋼パイプ:φ130mm 塩ビパイプ:φ130mm 木材:厚み255mm 軟鋼板:厚み19mm |
軟鋼パイプ:φ130mm 塩ビパイプ:φ130mm 木材:厚み120mm 軟鋼板:厚み19mm |
ストローク量 | 29mm | 32mm |
ストローク数 | 0~3,000min-1 | 0~3,000min-1 |
木材切断スピード | 約6.9秒 (SPF2×10材) |
約5.4秒 (SPF2×10材) |
鋼材切断スピード | 約20.1秒 (SGP40A) |
約9.3秒 (SGP40A) |
オービタル機構 | × | 〇 |
カウンタウェイト | リニアガイド式 | ツイン回転式 |
動作電圧 | 36V | 36V |
重量 | 2.9kg | 4.5kg |
寸法 | 361×219×87mm | 457×251×101mm |
本体価格 | 35,200円(税別) | 50,900円(税別) |
販売年月 | 2023年2月 | 2018年7月 |
製品の特徴
「軽量コンパクトなマルチボルト36V対応セーバソー」
CR36DMAは、軽量コンパクトなショートタイプのマルチボルト36Vのコードレスセーバソーです。ハイエンドモデル CR36DAの全長457mmから96mmの短縮しており、本体質量も1.6kg減の2.9kgボディを実現しています。
ショートタイプながらも最速クラスの切断スピードを搭載しており、木材切断作業時においてはCR36DAとほぼ同等のSPF 2×10材切断で約6.9秒の切断速度を実現しています。負荷がかかっても止まりにくく粘り強い作業が可能で。辛い体勢での作業も速やかに終えられるので作業者の疲労を軽減します。
低振動機構「リニアガイド式カウンタウェイト」と
摩耗・発熱を抑える「ローラサポート構造」を搭載
独自の低振動機構「リニアガイド式カウンタウェイト」により、小形・軽量化と低振動を実現。切断時のバタつきを抑え、作業者の疲労を軽減させます。
さらに先端軸受け部をローラーにした「ローラーサポート構造」で、摩擦による摩耗・発熱が当社従来製品より軽減され、軸受け部分の耐久性が向上しました。
4つの速度モードを搭載
トリガ操作の無段変速のほか、手元のスイッチ操作で作業内容に合わせたストローク数を選択できます。
マキタ 充電式レシプロソーJR188Dとの違い
CR36DMAに近い製品仕様を備えているのは、マキタ18V充電式レシプロソー JR188Dです。
製品サイズに関しては近い仕様を持っているものの、動作電圧やストローク量を見るとHiKOKI CR36DMAの性能が優れています。
全長ではマキタJR188Dが5cmほどコンパクトですが、独自の低振動機構「リニアガイド式カウンタウェイト」を搭載ながらも重量がほぼ同等であることから、使い勝手の面でもCR36DMAがおすすめと言えます。
CR36DMAは、最速クラスの切断速度や高輝度LEDライト、4段階の速度調整機能など、多様な作業に対応する便利な機能を備えています。さらに耐久性や安全性も重視しており「ローラーサポート構造」や「アルミハウジング構造」が採用されています。これらの特徴を考慮すると、CR36DMAは性能や使い勝手の面で優れた選択肢となるでしょう。
製品名 | CR36DMA | マキタ JR188D |
---|---|---|
外観 | ||
能力 | 軟鋼パイプ:φ130mm 塩ビパイプ:φ130mm 木材:厚み255mm 軟鋼板:厚み19mm |
軟鋼パイプ:φ130mm 木材:厚み255mm |
ストローク量 | 29mm | 20mm |
ストローク数 | 0~3,000min-1 | 0~3,000min-1 |
オービタル機構 | × | × |
カウンタウェイト | リニアガイド式 | × |
動作電圧 | 36V | 18V |
重量 | 2.9kg | 2.8kg |
寸法 | 361×219×87mm | 316×81×220mm |
本体価格 | 35,200円(税別) | 28,100円(税別) |
販売年月 | 2023年2月 | 2019年10月 |
木材解体用途なら十分なスペック
CR36DMAは、コンパクトなサイズでありながら作業性に優れている点が評価できるモデルです。特に、木材切断作業においては上位モデルのCR36DAに近い切断スピードを持っており、木材解体などの作業であれば上位モデルの大型セーバソーを持ち出さなくても十分な活躍が期待できます。
機能面や取り回しに関しても、十分な機能が備わっている点が魅力的です。ただし、ベース調整がツールレスで行えないことや、フックが装着できないという欠点も存在しています。これらの細かな部分に改善の余地があるものの、全体的には優秀な製品と言えるでしょう。
ちなみに、製品外観的には電動工具から撤退したタジマ PT-R400Aと似た印象を受けるかもしれません。PT-R400Aは、コンパクトなサイズと高い作業性能を両立させた製品として他社メーカーにはない独自性があったために、今回CR36DMAがそのコンセプトが受け継がれる形となったのは良い結果となったのかもしれません。
総じて、CR36DMAはコンパクトサイズでありながら優れた作業性を持つモデルとして、様々な現場で活躍できることが期待されます。欠点も存在するものの、その性能は多くのユーザーに評価されることでしょう。
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