工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレスインパクトレンチ WR36DFを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。最大緩めトルク2,100N・m/最大締付けトルク1,400N・mを搭載しBluetooth接続によるカスタマイズに対応する。本体希望小売価格は51,400円(税別)
目次
HiKOKI コードレスインパクトレンチ WR36DF
HiKOKIは、2023年1月からコードレスインパクトレンチ WR36DFを発売します。
WR36DFは、緩めトルク最大2,100N・m、締付けトルク最大1,400N・mを誇るマルチボルト36V動作のコードレスインパクトレンチです。
ボルトの締め過ぎを防止するオートストップ機能(正転)、緩め過ぎによるナットの落下防止を補助するオートスロー機能(逆転)などの制御機能を追加したほか、Bluetooth接続によるスマートフォンの専用アプリによる各種カスタマイズ機能を搭載します。
1充電の作業量目安は、M27×90(F10T)締結作業時で約160本に対応します。
販売仕様は、バッテリー充電器が付属する(2XPSZ)と本体のみの(NN)で販売します。
- WR36DF(2XPSZ) バッテリーBSL36A18BX×2・充電器UC18YDL2 希望小売価格104,300円(税抜)
- WR36DF(NN) 本体のみ 希望小売価格51,400円(税抜)
製品仕様 (従来モデル WR36DA比較)
製品名 | WR36DF | WR36DA |
---|---|---|
外観 | ||
締付能力 | 普通ボルト:M12~M36 高力ボルト:M10~M27 |
普通ボルト:M12~M30 高力ボルト:M10~M24 |
先端形状 | 四角ドライブ19mm | |
最大締付トルク | 1,400N・m | 1,100N・m |
最大緩めトルク | 2,100N・m | – |
無負荷回転数 | 0~1,500min-1 | 0~1,500min-1 |
打撃数 | 0~2,600min-1 | 0~2,900min-1 |
バッテリー | マルチボルト36V | |
防じん防水 | IP56 | |
振動3軸合成値 | 17.7m/s2 | 15.4m/s2 |
重量 | 3.9kg | 3.7kg |
寸法 | 221×290×42mm | 221×290×42mm |
本体価格 | 51,400円(税別) | 48,000円(税別) |
販売年月 | 2023年01月 | 2018年05月 |
製品の特徴
「最大緩めトルク2,100 N・m/最大締付けトルク1,400 N・m」
WR36DFは、HiKOKIブランドの販売するコードレスインパクトレンチの中で最もトルクが高いモデルです。
従来モデル比で緩めトルク最大2,100N・m・締付けトルク最大1,400N・mに向上しており、さび付いたボルトやナットの緩め作業も効率的に行えます
作業効率向上のオート機能
設定された時間で自動停止してボルトの締め過ぎを防止する「オートストップ機能(正転)」と、ボルト緩みを検知後設定された時間・回転速度に自動で停止・変速しナットの脱落防止を補助する「オートスロー機能(逆転)」を搭載。
スマホアプリで動作モードをカスタマイズ
スマートフォンにアプリをダウンロードしてBluetooth蓄電池を取り付けると、専用アプリから各種設定をカスタマイズできます。
HiKOKI TOOLSでは、回転数やオートストップの時間調整の調整・LEDライトの点灯時間調整が可能です。
HiKOKI TOOLS
Koki Holdings Co., Ltd.無料posted withアプリーチ
カラープレートで自分好みのカスタマイズ
チタニウムシルバー・スカイブルー・シグナルレッド・バイオレット・ライトゴールドの5色のカラープレート(別売り)を組み合わせて外観デザインを自由にカスタマイズできます。
マキタ充電式インパクトレンチ TW001Gとの比較
緩みトルク2,000N・mクラスで競合するのはマキタ充電式インパクトレンチ TW001Gです。
今回のHiKOKI WR36DFに関しては、マキタTW001Gを強く意識したモデルであり製品仕様もほぼ同じスペックとなっています。一応クラスNo1を謳ってはいるものの、カタログスペック上の性能差は2~3%程度なので実用上の性能差は誤差範囲と言えそうです。
最も異なる部分は、付加価値として搭載されているBluetoothカスタマイズの有無です。あれば便利な機能であることは間違いないものの、操作カスタマイズ機能であれば実用的に違いはほとんど無いため、手持ちのバッテリープラットフォームを元にHiKOKI・マキタの製品を選ぶのが良いでしょう。
製品名 | WR36DF | TW001G |
---|---|---|
外観 | ||
締付能力 | 普通ボルト:M12~M36 高力ボルト:M10~M27 |
普通ボルト:M12~M36 高力ボルト:M10~M27 |
先端形状 | 四角ドライブ19mm | |
最大締付トルク | 1,400N・m | 1,350N・m |
最大緩めトルク | 2,100N・m | 2,050N・m |
無負荷回転数 | 0~1,500min-1 | 0~1,800min-1 |
打撃数 | 0~2,600min-1 | 0~2,300min-1 |
バッテリー | マルチボルト36V | 40Vmax |
Bluetooth接続 | 〇 | × |
防じん防水 | IP56 | |
振動3軸合成値 | 17.7m/s2 | 15.4m/s2 |
重量 | 3.9kg | 3.8kg |
寸法 | 221×290×42mm | 217×297×94mm |
本体価格 | 51,400円(税別) | 51,900円(税別) |
販売年月 | 2023年01月 | 2020年08月 |
インパクトレンチで若干後追いになりつつあるHiKOKI
今回、クラストップのコードレスインパクトレンチを発売したHiKOKIですが、競合他社は既に同クラスの製品を展開しているため、業界的には比較的製品展開が遅かった印象があります。
実は、HiKOKIに関してはボルト締結工具周りの製品開発にそこまで力を入れている電動工具ブランドではありません。
先述のマキタ TW001Gに数年間遅れていたのもそうですし、直近の動向としてはミルウォーキーツールジャパンは豊富なボルト締結電動工具の拡充を進めています。他社ブランドでは小型で取り回しに優れるアングルインパクトレンチから締め付けトルク2,500N・mクラスのメガインパクトまで揃えているので、作業によっては他ブランド工具の方が使いやすい面はあるかもしれません。
HiKOKIマルチボルトバッテリーの強みはあるものの、ボルト締結作業そのものにおける製品展開としてはHiKOKIの優位性に陰りが見え始めている部分もあるので、本格的な作業を行うのであれば複数のメーカーを検討したうえで選ぶのが良さそうです。
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