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目次
愛知県 安城市のマキタ本社で開催された株主総会に出席
2023年6月28日(水)開催の株式会社マキタ 第111回株主総会に出席しました。
2023年のマキタ第111回株主総会は、マキタ本社内(愛知県安城市)で10時から始まりました。マキタの株主総会の出席者は毎年100名以下なので、会場は開発棟(筆者仮称)5Fの研修室で開催されています。
議案は「余剰金処分」「取締役選任」「監査等委員選任」「役員賞与」の4つが提案されており、質疑応答後に承認可決されました。
出席人数は70人ほどで、10時20分に終了した約20分間の短い株主総会でした。
タイムスケジュール
- 10:00 株主総会開催(議長:後藤宗利氏)
- 10:01~10:03 監査報告
- 10:03~10:09 事業報告
- (内 10:08~10:09) サステナビリティの取り組み説明
- 10:09~10:12 議案上程
- 10:12~10:13 質疑応答
- 10:13~10:17 決議・取締役紹介
- 10:17~10:19 株主総会終了
- (内 10:18~10:19) 監査 児玉氏退任のあいさつ
今年の株主質疑応答は無し
本年のマキタ株主総会では、株主からの質疑応答はありませんでした。
例年通りの株主総会、市場の不満点は開催前に解消済み
コロナ一応の終息(5類移行)もあってか、今年の株主総会で設置された座席の数は例年の2倍程度(約200席)用意されていました。
ここ1年でマキタの個人投資家は3,000人ほど増えていたため、それを見越して座席数を増やしたのでしょうが、マキタ経営そのものに興味を持つユーザーは少ないようで、一般認知度的にもまだまだ「謎の工具メーカー」なのだなと再認識しました。
結構今更な話なのですが、現在のマキタ社長である後藤宗利氏は1975年生まれの48歳です。それ以外の取締役は全員60歳を超えていることもあり、経営安定力に優れる一方で、市場変化に対する対応力やリスク許容度の低下は憂慮すべきものであり、先行するSBDやTTIに対して技術開発的に遅れている点も目立ちます。転職サイトのコメントなどにおいても、組織の硬直化や古い企業体質を指摘する内容も目立ちます。
とは言え、ここ数年は企業投資も行っており、一応の成長も続けているので杞憂なのかもしれませんが、主要な海外メーカーや新興の中国工具ブランドなどは、柔軟な製品開発と経営戦略を併せ持っているイメージが強いため、今後のマキタがそのような中で少しずつ時代遅れにならないか少し不安に思う部分もあります。
最近のマキタ株価の状況としては、概ね横ばいの状態であり、過去1年くらいの間に株主となった個人投資家としては特に何も言うことの無い状態にあると予想しています。特に、最近は自社株買いも実施したことから、今の状況は概ね好意的に見えているのでしょう。機関投資家に関しては、昨年末に詰みあがった在庫にピリピリしていた印象もありましたが、その処理に目途も見えたことから、総じて現状の経営に異論は無い状態にあると観測しています。
売上成長が続いていたマキタですが、2024年3月期の予想では6,800億円と前期比で11%の減少を見込んでいることから、この辺りの対応をどのように遂行していくかが今後の要点となりそうです。
電動工具市場そのものの鈍化や競合企業の台頭、原料高騰などは大きな課題ですが、中長期的な取り組みとして充電式OPEに注力すると表明があり実際の取り組みも見られるので、この辺りの発展によって一兆円売上に届く企業になることを期待しています。