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2021年10月16日

US Makita ドライウォールサンダー XLS01Z

US Makita ドライウォールサンダー XLS01Z

Makita USAが2019年7月に販売するのは、コードレスのドライウォールサンダー「XLS01Z」だ。

延長管と粉じん吸い取り構造を持つドライウォールサンダーは、ドライウォール工法のなじみがない日本の住宅事情ではなかなかお目にかかることはない電動工具だが、米国の新築工事などでは多用される一般的な電動工具だ。

日本では、2020年2月に225mm充電式ドライウォールサンダ SL800Dとして販売される。

本記事で紹介する製品はMakita USAの情報を元にしているため、日本マキタへの直接のお問い合わせ等はお控え下さい。

ドライウォール工法で使用する電動工具「ドライウォールサンダー」

日本住宅の内装仕上げは主に壁紙(クロス)仕上げだが、欧米の住宅ではドライウォール工法が普及している。ドライウォール工法は壁紙の代わりに水性塗料などを直接塗って仕上げる方式で、接着剤を使わないため環境に優しく、気密性の高さや塗り替えの容易さなど様々なメリットがある。

ドライウォール工法は壁や天井の仕上げに塗料を使用するため、下地作りのため継ぎ目やネジ穴のパテ埋めを丹念にペーパーして平坦にする必要がある。その工程で使われるのがドライウォールサンダーと言うわけだ。

ドライウォール工法では壁や天井に直接塗料を塗るため、パテで埋めた部分を平坦に仕上げないとムラができて目立ってしまう。塗装前にはサンダーで入念に処理を行うが、仕上げ時には粉じんも舞うため、施工には集じん可能な専用工具のドライウォールサンダーが使用される。

業界初となるコードレスのドライウォールサンダー

マキタが販売するXLS01Zドライウォールサンダーは、業界初となるバッテリーで動作する充電式のドライウォールサンダーだ。これまでのドライウォールサンダーはAC電源で動作するものや、集じん機の先端に取り付けるアダプターのようなタイプしかなく、電源コードは作業者にとって大きな負担となっていた。

建築中の住宅は電源環境が良いとは言えず、仮設の電源から延長コードで引っ張ってきたりエンジン発電機などを使うケースも多いようだ。

コードレスとなったことで、部屋ごとに電源ケーブルを這いまわす必要もなくなり、1階から2階への移動も簡素になり、作業性は大きく向上するだろう。

XLS01Zは1充電で最大35分間の連続稼働が可能で、キットとして2個の電池が付属している。更に長い稼働時間が必要な場合には、先日発売したばかりの新製品PDC01を使用するのも良いだろう。

電子制御やソフトスタートも作業者の負担を減らす

XLS01Zが搭載しているのはブラシレスモーターだ。AC電動工具に採用されるユニバーサルモーターと比べ、体積は小さく重量も軽いのが特徴で、ブラシレスモーターを採用した軽量化によりバッテリーの重量増加をカバーできるようになったのは大きい。

モータ制御にも定回転制御やソフトスタートなど、これまでのドライウォールサンダーにはなかった機能も追加されている。これらの機能も作業者の負担を減らしてくれる機能となるだろう。

集じん機と合わせる事でマキタの強み「AWS」が生きる

XLS01Zの最大の特徴はマキタの集じん機連動機能「AWS」に対応している点だ。

ドライウォール工法にはペーパー作業を必要とするが、室内でサンダーをかけると室内に大量の粉じんが発生してしまうため集じん機の接続が必須となる。作業時にはドライウォールサンダーと集じん機で2本の電源コードが必要になり、ホースも含めて計3本もの線を引きずりながらの作業を行わなければならなかった。

XLS01ZとAWSに対応したコードレス集じん機と連動させれば作業者が引き回すのは集じんホースだけとなるため、電源コードからは完全に開放される事となる。背負い式集じん機のVC265DZを使用すれば更に取り回しは良くなるだろう。

このような取り回しの良さは作業効率を大きく引き上げるだけではなく、作業者の安全性も向上させてくれるに違いない。

正直なところ、マキタの展開するAWSはBluetoothを使用しながらもチープな機能しか実現していないことに対して当初こそ軽く失望していたが、常に作業性の向上に着眼しAWSをここまで充実させてきたマキタの取り組みに対して、AWSの評価も再度改めなければならないだろうと考えているところだ。

日本市場においては、2020年2月に225mm充電式ドライウォールサンダ SL800Dとして販売される。

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