
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年2月に165mm充電式スライドマルノコを発売する。165mm径チップソー装着仕様を備え1尺材の切断仕様を搭載する。希望小売本体価格は126,300円(税抜)
マキタ 165mm充電式スライドマルノコ LS009G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年2月に165mm充電式スライドマルノコ LS009Gを発売します。

LS009Gは、2019年12月発売のLS001Gの後継モデルとなる40Vmax充電式スライドマルノコです。最大切断幅312mmのスライド仕様を備えフロア材などの切断作業にも対応します。
墨線が見やすい右側スライドポールを採用しており、40Vmaxバッテリーとハイパワーブラシレスモータ採用の定回転制御により、従来AC機比較で約2.5倍の切断スピードを実現し、綺麗な切断面と快適な作業性を両立します。
販売仕様は、本体のみのLS009GZでのみ展開します。

- LS009GZ 本体のみ 希望小売価格126,300円(税抜)
製品仕様 (マキタ40Vmaxスライドマルノコシリーズ比較)
製品の特徴
「1尺切り対応の165mm充電式スライドマルノコ」

LS009Gは、1尺切断に対応する165mmチップソー装着の充電式スライドマルノコです。幅の広い1尺フロア材の切断作業に対応します。
墨線が見やすい右側スライドポールを新たに採用しており、左右両傾斜45°構造を備えているので材料を反転する必要もなく素早く作業ができます。



165mm鮫肌チップソー標準付属

マキタのコーティングレーザースリットチップソー「鮫肌」が標準付属。
摩擦抵抗が約1/4低減し、1充電当たりの作業量が約50%アップします。
マキタの集じん機連動AWSに対応

マキタの無線連動AWSに対応。別売のワイヤレスユニット A-66151の装着とAWS対応集じん機の接続で効率よく切断くずを集じんできます
HiKOKI C3606DRBとの違い
165mmクラスのコードレススライドマルノコで競合するのは、HiKOKI C3606DRBです。

今回のマキタ LS009Gとの大きな違いは、1尺切りの対応可否です。
1尺切り対応のスライドマルノコは190mm径モデルが一般的です。一応、165mm径モデルでは2011年発売の旧日立工機 C6RSHCが対応していましたが、ここ最近は165mmモデルの主力は8寸仕様となっていました。
1尺のフロア材を切断する165mmスライドマルノコを欲しい方からすれば、マキタLS009Gは喉から手が伸びる程欲しいモデルだと考えられますが、重量・価格面では190mmモデル相当なので少し難色のある製品になっています。
165mmの1尺切断モデルとしては唯一の製品ではあるものの、製品仕様的に190mm径モデルと変わらない製品なので、それならコンパクトに収まったHiKOKI C3606DRBの方が特色のあるモデルに見えてしまうと言えそうです。
製品名 | LS009G | C3606DRB |
---|---|---|
外観 | ![]() |
![]() |
チップソー径 | 155~165mm | 155~165mm |
回転数 | 4,000min-1 | 4,200min-1 |
ターンベース範囲 | 左:45° 右:57° |
|
切断能力 | ![]() |
![]() |
LEDライト | アーム白色LED | 内臓式ツイン白色LED |
無線連動 | AWS | Bluetoothバッテリー |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト36V |
重量 | 11.9kg | 10.3kg |
寸法 | 639×418×486mm | 据え付け寸法 220×242mm |
本体価格 | 126,300円(税別) | 110,000円(税別) |
販売年月 | 2023年1月 | 2020年3月 |
待望の尺切断165mmではあるものの…
正直な感想として、「待望の1尺切断165mmモデルではあるものの、特徴付けに失敗してしまったモデル」の印象を受ける製品です。
1尺切断はあれば便利な仕様であることに間違いありませんが、昨今はフローリングの種類も増えているので1尺幅のフローリングを使うシーンは減りつつあります。それ故に、165mm径のモデルは軽量化重視にシフトした背景があり、結果として八寸切断が主流となっていました。
今回のLS009Gに関しては、190mm径モデルのLS008Gとほぼ同じ重量で全く同じ価格の充電式スライドマルノコであり、カタログスペックで比較したならば普通にLS008Gを購入するのを推奨する、と言えます。
ユーザーの要望からすれば、名機とも言えた旧日立工機 C6RSHCの印象が強いので165mm径モデルの1尺切断のモデルを求める声が大きいのは理解するものの、自社製品ラインナップ的にほとんど意味のない製品になってしまった時点で時点で開発を中止すべき製品だったと考えています。
この辺りは講釈を垂れてしまうようですが、「ユーザーが思い描く製品」と「実際に形にした時の製品」には乖離があるので、どこまで許容してくれるのかを慎重に見極めないと売れる製品を作るのは難しい、とわかりやすい教訓になった製品ではあったと言えるのではないでしょうか。
まとめ

マキタ 165mm充電式スライドマルノコ LS009G
VOLTECHNO製品評価 (3.5 / 5)
165mmチップソーで1尺切断に対応する充電式スライドマルノコ
- 165mm径仕様で1尺が切れる
- 190mmモデルと製品仕様差がない
よく比較される工具

2020年3月発売

2022年8月発売

2020年5月発売