電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年7月に40Vmaxシリーズの充電式高圧洗浄機 MHW001GZを発売する。最大11.5MPaの最大許容圧力を備え、外壁や農作業具等の清掃作業に対応する。40Vmaxバッテリー2本装着によって高速モード時 約28分の連続作業を実現。本体標準小売価格は112,000円(税別)
目次
マキタ 充電式高圧洗浄機 MHW001G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年7月に40Vmax 充電式高圧洗浄機 MHW001Gを発売します。
MHW001Gは、マキタ40Vmaxシリーズ初の充電式高圧洗浄機です。ハイパワーブラシレスモータの搭載と40Vmax高出力F仕様バッテリー搭載によって、AC電源モデルを超える最大許容圧力 11.5MPaの洗浄力を実現します。
高圧、中圧、低圧の3モード切替機能を備えており、農機や車、タイル、フィルターなど幅広い清掃作業に対応しており、40Vmaxバッテリー2本装着構造によってAC電源の取れない環境下でも豊富な作業量を実現しています。
販売仕様は、本体のみのMHW001GZのみ販売します。
- MHW001GZ 本体のみ 希望小売価格112,000円(税抜)
製品仕様 (18V×2モデル MHW080D比較)
製品名 | MHW001G | MHW080D |
---|---|---|
外観 | ||
最大許容圧力 | 11.5MPa | 8.0MPa |
常用吐出圧力 | 高速:8.5MPa 中速:5.5MPa 低速:3.0MPa |
標準:5.5MPa 静音:3.0MPa |
最大吐出水量 | 7.0MPa | – |
常用吐出水量 | 高速:5.5 L/min 中速:4.2 L/min 低速:3.0 L/min |
標準:5.5 L/min 静音:4.0 L/min |
最大給水温度 | 40℃ | |
最大給水高さ | 1.0m | |
バッテリー | 40Vmax | 18V×2 |
バッテリー装着数 | 2本 | 2本(必須) |
タンク容量 | 無し | 50L |
自吸機能 | 〇 | 〇 |
防水 | IPX5/WG | WG |
重量 | 12.3kg | 6.7kg |
寸法 | 344×383×520mm | 438×218×269mm |
本体価格 | 112,000円(税別) | 70,300円(税別) |
販売年月 | 2023年08月 | 2019年07月 |
製品の特徴
「AC電源式モデルを超える充電式高圧洗浄機」
MHW001Gは、充電式モデルながらもAC電源モデルを超える洗浄力を誇る高圧洗浄機です。
最大許容圧力は、驚くべきことに充電式でありながら11.5MPaという製品仕様を持ち合わせています。この力強さにより、常用吐出圧である高圧モード時には、AC電源モデル MHW0820と同等の8.0MPaの強力な洗浄力で清掃作業を行うことが可能となります。
動作モードは3つ用意されており、高圧8.0MPa、中圧5.5MPa、そして低圧3.0MPaから選択できます。これにより、高圧モードでの建築物の清掃から、低圧モードでのフィルタ洗浄まで、あらゆる清掃作業に対応可能です。
可搬性に優れるコンパクトサイズ
運搬に便利な折り畳みハンドルを内蔵。収納すれば全高サイズがコンパクトになるので車への積み込みも容易です。
製品本体には段差に強いΦ140mmの大型キャスターを搭載し、ちょっとした階段や荒れた路面でもスムーズに移動できます。
40Vmaxバッテリー×2本装着の豊富な作業量
40Vmaxバッテリーの2本装着で豊富な作業量に対応。
BL4050Fバッテリー×2本の装着でミニバン2台の洗車に対応できる稼働時間を実現しています。各バッテリーとモード時の稼働時間目安は下記の表のようになります。
バッテリー組合わせ | BL4050F×2本 | BL4080F×2本 |
---|---|---|
高速モード | 約18分 | 約28分 |
中速モード | 約48分 | 約48分 |
低速モード | 約1時間 | 約1時間36分 |
屋外でも使用できる防水IPX5に適合
防水保護等級IPX5に適合、屋外作業時の急な雨天にも対応します。
ケルヒャー K2バッテリーセットとの比較
ここ最近は各社36V充電式の高圧洗浄機を販売しています、市場で広く普及している製品として挙げられるのはケルヒャー K2バッテリーモデルではないでしょうか。
製品仕様的な部分では、ケルヒャーの家庭向けモデルと極端な違いは無く、実際の作業性においてそこまでの使い勝手の違いを意識することは無いと考えられます。
価格的にも、別売の充電器、バッテリーを必要とするマキタ MHW001Gは高い初期費用を必要としますが、充電器、バッテリーセットのK2なら手軽にコードレス高圧洗浄機を導入できます。
ただし、ケルヒャーK2バッテリーは家庭向けモデルであり、毎日の清掃作業等に使用する場合においては、セミプロ的な業務用も視野に入れたマキタ MHW001Gも検討できそうです。
製品名 | MHW001G | K2バッテリー |
---|---|---|
外観 | ||
最大許容圧力 | 11.5MPa | 11MPa |
常用吐出圧力 | 高速:8.5MPa 中速:5.5MPa 低速:3.0MPa |
– |
最大吐出水量 | 7.0MPa | 5.6 L/min |
常用吐出水量 | 高速:5.5 L/min 中速:4.2 L/min 低速:3.0 L/min |
– |
最大給水温度 | 40℃ | 40℃ |
最大給水高さ | 1.0m | – |
バッテリー | 40Vmax | 家庭用36V |
バッテリー装着数 | 2本 | 1本 |
自吸機能 | 〇 | 〇 |
防水 | IPX5/WG | – |
重量 | 12.3kg | 4.5kg |
寸法 | 344×383×520mm | 245x303x629mm |
価格 | 本体価格112,000円(税別) | セット価格70,300円(税別) |
販売年月 | 2023年08月 | 2019年 |
40Vmaxシリーズにまた一つ魅力的な製品が加わったものの…
今回の40Vmaxシリーズの充電式高圧洗浄機は、国内市場の隙間を巧みに掴んだ製品と考えています。
既存の充電式36V高圧洗浄機では、最大手であるケルヒャーが家庭向けモデル K2と本格的な業務向けモデル HD 4/11 C Bpを揃えているものの、農作業や設備維持管理向けのセミプロ的な製品は欠如しています。そのため、この辺りのクラスに新規需要を見出し製品仕様を策定したものと予想しています。
しかし、価格面では挑戦があると思われます。例えば、MHW001Gと近い製品仕様を持つAC電源モデル MHW0820は実売価格 約4万円で販売されており、バッテリーを含めた場合にはほぼ5倍のコストになってしまいます。この点をどのようにカバーしていくかが課題となるでしょう。
充電式高圧洗浄機としてのコスト的には、業務用途なら割安、家庭用途なら割高な立ち位置になります。需要的にはマキタの40Vmaxシリーズを使用する農作業者が主要なユーザーになると思われます。
国内市場の高圧洗浄機については、店舗陳列棚のほとんどがケルヒャーの製品で占められており、他メーカーの製品が置かれる余地はほとんどありません。そのため、マキタ工具コーナーに置くことで、マキタの高圧洗浄機の拡販を促すきっかけになれば良いと考えています。
ただし、マキタの充電式製品は、家庭向けから業務用までの中間、セミプロ的なモデルに位置することが多く、先行する他社製品との正面勝負を避ける傾向にあるメーカーです。その結果、専業メーカーの業務向け製品に対してニッチな需要を狙う製品にとどまり、中途半端な製品になる傾向も見られます。マキタの充電式製品が工具以外でのブランドイメージが低く、”器用貧乏な製品を出すメーカー”と評される原因にならなければと思います。
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2022年8月発売