今回紹介するのは、マキタが現在開発中と考えられる新型の背負い式バッテリーパックの試作品だ。
本情報は試作品をユーザーが試用している動画で不明な点が多い。現時点では本製品の販売時期や日本市場で展開するかも含め様々な情報が不明なため、この点は了承願いたい。
目次
バッテリーを4つ搭載!マキタの背負い式バッテリーパック
この試作品は、既存のバッテリーを「背負い式バッテリーパック」にする周辺機器だ。
内部にはマキタのバッテリーを4つ搭載するスロットがあり、バッテリーを差し込み一つの大きなバッテリーとして使用ができる。これまでのマキタバッテリー最大容量は18V6.0Ahが最大だったため、その容量は実に4倍となる。
18Vでも使用可能?大きな連続作業時間の大きな向上へ
Murray Kruger氏の発言によると、このバッテリーパックは18Vと36Vを使い分けて出力を切り替えが可能なようだ。
18Vのインパクトドライバなどでは恩恵が少ないかもしれないが、今後発売されるであろう高光度のLED投光器や、何枚も連続して打ち込むスクリュードライバなどでは大きなメリットになると考えられる。
マキタの考える、バッテリー大容量化へのベターアンサー
2019年現在、電動工具のリチウムイオンバッテリー開発は袋小路に入っている。2015年発売の6.0Ahバッテリーを最後に、それまで続いたバッテリーの容量増加が止まってしまったからだ。
各電動工具メーカーはこの技術的障壁の対応として、18650から21700サイズのリチウムイオンセルを受け入れる判断を下し、バッテリーサイズの大型化を図った。結果、電動工具バッテリーの最大容量は8.0Ahまで増加した。
しかし、マキタは安易にバッテリーサイズの変更ができない。これは早い段階で展開された18V×2シリーズが原因だ。18Vバッテリーを2個並べて装着する構造上、安易なバッテリーサイズの変更はこれまで実績を重ねてきた同シリーズの互換性を切り捨てる結果となりかねない。
マキタの製品戦略を考えれば、本製品のようなコンセプトに至るのは至極自然な流れと言えるだろう。考え方はシンプルだが、コンセプトは優秀だ。大容量バッテリーが必要なユーザーからすれば、アダプタを購入するだけで済み、バッテリーも既存のものを転用できるため初期コストは低くて済む。
万人が必要とする製品ではないが、必要な少数ユーザーへ最低限のコストで提供する。実にマキタらしい製品と言えるだろう。