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2022年2月1日

バンドソーとは

バンドソーとは

バンドソーとは、帯(バンド)状の刃(ソー)を回転させて切断を行う電動工具の総称です。刃を用いる切断工具で一方向への回転運動によって切断を行うため、切断工具の中でも切断能力が高く、効率的に切断作業を進められる電動工具です。

バンドソーとは帯刃で切断する電動工具

バンドソーとは帯状(バンド)の刃(ソー)を回転させて切断を行う電動工具です。バンドソーにはさまざまな種類があり、木工切断用の据え置きタイプや金属切断用の大型定置タイプ、手で持って使用するポータブルタイプなどがあります。

バンドソーは一方向に回転する鋸刃を使用するので、非常に切断スピードが高く、金属丸棒のような他の工具では切断の難しい材料の切り出しなどに使われます。

一般的に木材・金属切断に使用する電動工具ですが、精肉・食品業界では解体・肉切断用のバンドソーなどもあり建設業界のみならずさまざまな分野で使用されている工具です。

一般的なバンドソーは木材や金属の切断に使われるが、食肉加工機として使うバンドソーもある。

金属バンドソーと木工バンドソーの違い

木工用バンドソーは、鋸刃が縦に配置され、切断用のテーブルを備えています。金属用バンドソーはバンドソー本体の自重で押し付け切断を行いますが、木工用バンドソーは材料を押し付けて切断を行うのが特徴です。

木材を切断する電動工具の中でも、バンドソーは特に高い切断能力を備えており、木材の切断スピードに関してはトップクラスの電動工具です。木材以外にも柔らかい金属の切断に対応しており、アルミ板程度なら木工用バンドソーで切断することも可能です。

糸のこ盤と異なり、振動も少なく素早い切断が可能なので、効率よく切断作業を進めることができます。欠点は、帯鋸刃に厚みがあるため曲線切断が糸のこ盤と比べ苦手なこと、「ドリフト」によって切断線がずれてしまう現象などがあります。

金属用定置型バンドソーの特徴

太径金属パイプの切断や切削・鍛造加工用の金属棒の切り出しには、非常に高い切断能力が求められています。切断スピードと切断コストの最適解として導入されるのが金属用の定置型バンドソーです。

バンドソーによる金属切断は非常に高い切断性能を持ち、火花がほとんど発生せず動作音も静かなのが特徴です。この利点を生かして住宅地などの建設現場・町工場などでも切断を行える高い作業性を備えています。

定置型バンドソーは大型の加工設備で、湿式切断と帯鋸の耐久性によって1回当たりの切断コストが低い切断機械なので、金属加工業などでは定番の設備になっています。

工場設備に導入される大型の定置型バンドソー。バンドソー本体のほか、ローラスタンドやバイス・定寸装置など連続切り出しの設備も導入する場合もある
参考:HiKOKI総合カタログCB32FB

現場向けの持ち運べるポータブルバンドソーが人気

リチウムイオンバッテリーの普及で現場用の切断工具として人気を集めているのが、持ち運びできるポータブルバンドソーです。パイプ切断や軽天などの棒形の鋼材切断に最適で、高い切断能力と持ち運び安さから、電気工事・ガス管・水道工事などインフラ中心の作業で高い評価を受けています。

ポータブルバンドソーは、現場合わせの切断作業や、設置済みパイプの解体作業など、幅広い現場でさまざまな用途に活用できます。

金属切断を行う切断工具としては比較的安全なのも大きなメリットです。高速回転するディスクを使用していないため、火花や金属破片の飛散・キックバック等の心配もなく、僅かな荷重で切断が進むので、不安定な作業現場での切断にも対応できます。

木工用バンドソーのおすすめ機種

コストパフォーマンスに優れた木工バンドソー RYOBI TBS-80

リョービ(Ryobi)
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木工用バンドソーは手芸・工芸用途ですが、その中で最も人気のあるカテゴリベストセラー1位のバンドソーが、電動工具でおなじみRYOBIの卓上バンドソーTBS-80です。

2万円代で購入できるバンドソーでありながら、最大切断厚さは80mmとDIYから木工工作まで使用できる十分なスペックを持っています。アルミ板の切断にも対応しているので簡単な金属加工にも使用できます。消耗品も電動工具メーカーのRYOBIなので替え刃の入手性が高いのもポイントです。

集塵機の接続にも対応しているので、工作用のバンドソーの購入を考えている方におすすめの製品です。

製品名TBS-80
最大切断厚やわらかい木:80mm
かたい木:50mm
あるみ:6mm
ノコ刃周速150~1,500cm/s
電圧AC100V
消費電力320W
サイズ幅622×奥行317×高さ622mm
質量13kg
発売年

金属用 定置型バンドソーのおすすめ機種

小型定置バンドソー HiKOKI CB12FA2

AC電源のバンドソーでは定置式のバンドソーが主流です。定置式バンドソーは自重による切断に対応しており、材料をセットした後は自動で切断を行うことが出来ます。

スタンドを使用しているため、切断時の歪みが少なく、無理な切断荷重による焼けや刃の摩耗も少ないため、安定した切断が可能です。

大型のバンドソーは工場の据え付け設備として使用され、音が小さく素早く切断できる利点を活かして、住宅地が近い町工場での切断作業や1度の切断で数本切断する束ね切りなどに使用します。

製品名CB12FA2
最大切断幅丸パイプ:115mm
角パイプ:100×100mm
ノコ刃周速0.4~1.3m/s
電圧AC100V
全負荷電流3.5A
質量21.0kg
発売年

ポータブルバンドソーのおすすめ機種

圧倒的切断スピードのΦ120mm対応バンドソー HiKOKI CB3612DA

CB3612DAはΦ120mmの切断に対応するバンドソーです。

高出力のブラシレスモーターと3段ギア減速機構の採用で作業効率を向上させ、電源コード式比較で約6倍の速さの切断スピードを実現していて、充電式モデルでありながら高い切断性能を実現しています。

別売りの定置式スタンドを使用すれば寸法に合わせた高精度な切断やコンター切断にも対応できる高性能モデルです。

製品名CB3612DA
最大切断幅丸パイプ:120mm
角パイプ:127×120mm
ノコ刃周速1.2~3.2m/s
動作電圧マルチボルト36V
寸法500×305×139mm
重量7.2kg
発売年2020年

120mm対応のポータブルバンドソー マキタ PB180D

小型のACバンドソー以上の最大切断幅を持つのが、マキタのポータブル充電式バンドソー「PB180D」です。

充電式のポータブルバンドソーでありながらAC電源のバンドソーに劣らない切断能力を持ち、最大切断能力は120mmと幅広い現場で自由に使えるのが魅力のバンドソーです。

製品名PB180D
最大切断幅120mm
ノコ刃周速1.4~2.7m/s
電圧18Vバッテリー
寸法508×231×302mm
重量6.5kg
発売年2014年

切断径と取り回しのバランスに優れたモデル HiKOKI CB18DBL(S)

切断能力と重量のバランスが取れているのが、HiKOKIのコードレスバンドソー「CB18DBL(S)」です。

最大切断幅83mmに本体重量は3.5kgと軽量小型ボディなのが特徴で、切断能力と取り回しに優れたバランスの良いモデルです。

マキタ製品では取り扱っていない14.4Vバッテリー仕様のバンドソーも販売されているため、軽くて切断幅の大きいバンドソーが必要なユーザーにもオススメです。

製品名CB18DBL
最大切断幅丸パイプ:83mm
角パイプ:80×80mm
ノコ刃周速1.3~3.2m/s
電圧18Vバッテリー
14.4Vバッテリー(CB14DBL)
寸法413×173×266mm
重量3.5kg
発売年2015年

アルミフレームで剛性アップ&安定切断 マキタPB183D

アルミフレームを搭載して本体の剛性と切断性能を向上したのが、マキタの最新型バンドソー「PB183D」です。

小型のポータブルバンドソーは樹脂製フレームが多く、強い押し付けや温度による変化でフレーム本体が曲がってしまうため、切断時の歪みやノコ刃外れなどが発生してしまいます。

PB183Dでは小型ながらアルミフレームを採用し、剛性の向上と本体サイズの小型化を実現し安定した切断が可能です。

製品名PB183D
最大切断幅66mm
ノコ刃周速1.3~3.2m/s
電圧18Vバッテリー
寸法392×174×242
重量3.8kg
発売年2020年

バンドソーの鋸刃は高価、切断コストは高いので注意

金属切断工具の中バンドソー用の鋸刃は若干コストが高い傾向にあります。

バンドソーは製品毎にバンド長が異なるため、ほとんどの場合バンドソー純正の替刃を使用します。製品によっては社外品の替え刃も販売されていますが、純正品と大きな価格差はありません。

ちなみに、刃を長持ちさせるためと言って乾式切断のバンドソーに切削油を垂らして切断するのはNGです。

のこ車に油が付着すると空回りやのこ刃外れの原因になるため、乾式切断にしか対応していないバンドソーはそのままの状態で切断を行いましょう。

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