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コンクリートバイブレータとはコンクリート締め固めに使う工具
コンクリートバイブレータとは、型枠内の固まっていない状態のコンクリート(生コンクリート/フレッシュコンクリート)に振動を与え、締め固めを行う電動工具です。
締め固めとは、固まる前のコンクリートを密実なコンクリートにするための作業です。振動によってコンクリートを型枠内・鉄筋の隅々まで充填し、運搬やコンクリート投入時に混入した空気泡を抜くために実施します。
締め固めを行わないと、仕上がり表面に凹部が生じて見た目も悪くなり、大きな気泡が残ると鉄筋が露出する事もあります。この状態をジャンカ(豆板)と呼び、通常のコンクリートの半分以下の強度になり、耐用年数に重大な問題が生じるため、適切な絞め固め作業が必要になります。
コンクリートバイブレータの使い方
絞め固めが完了する時間は、コンクリートの状態によっても変わりますが10-30秒程が目安です。
この時間は、スランプが低くなるほど時間は長くなります。見た目の判別では、コンクリートの席板との接触面にセメントペーストの線が現れることや、コンクリート表面にモルタルが浮上して表面が光沢を帯びるなどで判別することもできます。
絞め固め作業の注意点
コンクリートバイブレータは、指導書やガイドラインに沿うような厳密な作業を行わなくても大きな問題にはなりませんが、誤った方法での作業は避けるように注意する必要があります。
振動部の横挿しやコンクリートの端に挿し込んで横に流動させると、コンクリートの材料分離の原因を招いてしまうため、地面に対して垂直に差し込むよう心がけます。
コンクリートバイブレータそのものは直接気泡を抜く機械ではありません。振動によって生コンクリートを流動化させ、骨材と気泡の比重の差で上方に移動させやすくする機械です。バイブレータのかけ過ぎは比重の違いによってモルタルと骨材の分離も進行させ、コンクリートの強度不良を招くため絞め固めすぎも控えましょう。
コンクリートバイブレータの選び方・カタログスペックの見方
コンクリートバイブレータの登場以前は、硬練りコンクリートを突き棒や木ダコで突き・押し固める作業を行っていました。現在のコンクリート打設工事は、電気モーターで動くバイブレータを搭載する電動工具が広く普及しています。
コンクリートバイブレータの作業効率は、振動部の直径と大きく関係します。一般的に振動部の約10倍が有効範囲になります。振動部の太さがφ25mmの場合は、直径250mmの範囲が絞め固めの有効範囲になります。ただし、コンクリートの流動性や配筋等によっても異なるため注意が必要です。
コンクリートバイブレータと高周波バイブレータの違い
コンクリートバイブレータに似た名前の工具に高周波バイブレータがあります。
高周波バイブレータとは、モーター内蔵の振動部と外付けの3相インバータで構成される高出力のコンクリートバイブレータです。基本的にはコンクリートバイブレータと同じ仕組みの製品ですが振動部直径がφ100を超える製品も販売されており、大型マンションやビル、貯水池、トンネルなどのような大型コンクリート建造物で用いられます。
インバータによる給電を行うため、補助要員による電源コード取り回し補助が必要ですが、高い作業性を持つのが特徴です。
コンクリートバイブレータをピックアップ
コンクリートバイブレータは100Vで動作する電源コード式が一般的ですが、現在はリチウムイオンバッテリーの性能向上もあり、充電式のコンクリートバイブレータも普及しています。
充電式のコンクリートバイブレータは電源コード式のものと比べ連続作業時間や出力で劣ってしまいますが、電源コードが無いので電源確保の心配も少なく、取り回しに優れるので、足場が不安定な鉄筋上の作業では充電式のコンクリートバイブレータの使用が推奨されます。
マキタ VR350D 充電式コンクリートバイブレータ
形式 | フレキタイプ | 振動部 | Φ25×221mm |
作業可能深さ | 800mm | フレキアッセンブリ | 800mm |
振動数 | 13,000回/分 | 作業量 | 22.2m3 |
寸法 | 1,083×93×250mm | 重量 | 3.2kg |
電源 | 18Vバッテリー |
マキタ VR450D 充電式コンクリートバイブレータ
形式 | フレキタイプ | 振動部 | Φ25×221mm |
作業可能深さ | 1,130mm | フレキアッセンブリ | 1,200mm |
振動数 | 12,000, 15,200回/分 | 作業量 | 22.2m3 |
寸法 | 1,483×93×250mm | 重量 | 3.7kg |
バッテリー | 18Vバッテリー |
HiKOKI UV3628DA コードレスコンクリートバイブレータ
・36V/4.0Ahの大容量バッテリーが付属
形式 | フレキタイプ | 振動部 | Φ28×178mm |
作業可能深さ | – | フレキアッセンブリ | Φ28×1,200mm |
振動数 | 12,000, 15,200回/分 | 作業量 | 45分, 60分 |
寸法 | 1,045×109×224mm | 重量 | 4.2kg |
電源 | 36Vバッテリー |
エクセン E28DA 軽便電棒
形式 | 電棒型 | 振動部 | Φ28×178mm |
作業可能深さ | – | フレキアッセンブリ | Φ28×1,200mm |
振動数 | 12,000, 15,200回/分 | 作業量 | 45分, 60分 |
寸法 | 1,045×109×224mm | 重量 | 4.2kg |
電源 | AC100V |
エクセン ECV-Mシリーズ コードレス高周波バイブレータ
形式 | フレキタイプ | 振動部 | Φ43×255mm |
作業可能深さ | – | フレキアッセンブリ | Φ33×1,500mm |
振動数 | 12,000回/分 | 作業量 | 55-130分 |
全長 | 1,945mm | 重量 | 4.8kg |
電源 | マキタ電源ユニット |