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多羽根ディスクとは?工具の特徴・選び方を解説

多羽根ディスクとは?工具の特徴・選び方を解説

多羽根ディスクとは研削作業に使うディスク

多羽根ディスクとはディスクグラインダーに装着して研削作業に使用するディスクです。

板に細かく束ねたサンディングペーパーを張り合わせた独特の構造によって、サンディングディスクよりも寿命が長く、目詰まりも起こしにくく、高い冷却効果を持つため金属から木材まで幅広い材料に使用できるのが特徴です。

通常の研削砥石との比較では、接触幅が大きいので効率的に作業でき、仕上がりにも優れています。

多羽根ディスクは100mmと125mmの2サイズで販売されていますが、一般的に広く普及しているのは100mmサイズです。

サンディングペーパーよりは長寿命だが砥石よりは短い

多羽根ディスクはサンディングディスクより寿命が長く耐久性に優れています。

表面のサンディングペーパーがボロボロになっても、その裏に張り付けられている新たなサンディングペーパーが露出するので自生作用に近い効果があります。ただし、本来の自生作用を持つ研削砥石に比べれば寿命が短く、作業面のサンディングペーパーが無くなった時点で寿命になります。

価格の面でも差があり、多羽根ディスクは200~1,000円と一般的な研削砥石よりも価格が高いので、単純な作業消耗品として考えるとあまり良くありません。

また多羽根ディスクは冷却効率に優れ、焼けが発生し難い研削ディスクですが、通常の研削砥石と同じように「火花が多く出る」ようにして削った粉じんへ熱を逃がさないとすぐに焼けが発生してしまうので注意しましょう。

研削の状態を見れて放熱性能が高いシースルータイプ

研削材メーカーのレヂトン柳瀬からは、多羽根ディスクに切れ込みを入れたシースルータイプの多羽根ディスクを販売しています。

切れ込みによって研削面が透けて見えるので、ワークの削りすぎや焼けを防止できます。

切れ込みによって研削作業中のワークがうっすら見える
引用:【YANASE】ミエルTOPディスク|YouTube

多羽根の選び方・カタログスペックの見方

  • 粒度
    数字は大きいほうが細かく、小さいほうが粗いことを表す。粗削りから仕上げまで用途に応じた粒度のディスクを使用する。
  • 研削材
    アランダム:研削力と耐久力のバランスに優れ金属から木材まで幅広く使用できる
    ジルコニア:硬く鋭い刃先を持つため大きな研削力が得られる。ステンレス・チタン合金等向け
  • 回転数
    砥石が対応できるグラインダーの回転数。rpm(1分あたりの回転数)とm/s(秒速当たりの周速)の2通りの表記方法があるため、表記が異なる場合には換算計算が必要。

多羽根ディスクおすすめ製品

多羽根ディスクは価格の幅が大きく、安いものでは1枚100円のディスクもあり高価なものでは1,000円のディスクもあります。

価格が高くなるほど品質・寿命も良くなる傾向がある製品なので、交換前提で安いディスクを選ぶのも良いですし、寿命や使い勝手重視で高いディスクを購入するのも良いでしょう。

HiKOKI テーパ式多羽根ディスク

価格・性能のバランスに優れている多羽根ディスクがHiKOKIのテーパ式多羽根ディスクです。

8度の傾斜形状が特徴で、研削幅を広く取りやすく使い勝手に優れているのが特徴です。

HiKOKI製品取扱店なら気軽に入手できるので、調達性も良く継続的に使用できます。

レヂトン シースルーヂスク

シースルータイプの多羽根ディスクではレヂトンのシースルーヂスクがおすすめです。

広い開口部によって研削部を視認できるので、ワークの削りすぎ・過剰な焼けなどを防止することができます。

柳瀬 SGクールトップ

冷却効率に優れた多羽根ディスクが柳瀬のクールTOPです。

独特なサンディングペーパー配置構造によって高い冷却効率を持ち、鉄・ステンレスなどの鉄材料だけでなくチタン・樹脂などの研削にも対応できます。

多羽根ディスクまとめ

多羽根ディスク

サンディングペーパーを積層した研削ディスク

良い点
  • 研削幅が広い
  • 冷却効率に優れ焼けが発生し難い
悪い点
  • 研削砥石より高価
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