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2021年5月7日

ミルウォーキーツールジャパンの今後の新製品をチェック【2021年編】

ミルウォーキーツールジャパンの今後の新製品をチェック【2021年編】

2021年4月に日本販売を始めたミルウォーキーツールジャパン

ミルウォーキーツールジャパンは2021年4月に日本でミルウォーキーブランドの正式販売を開始しました。

4月時点では、米国をはじめとする海外ほどの製品展開を進めていないミルウォーキーツールジャパンですが、早くも2021年版のカタログにおいて今後の販売予定の製品の情報が掲載されました。

今回は、海外ミルウォーキーの情報を元にどのような製品が販売されるのかを解説します。

MX FUELシリーズ

タワーライト MXF-TL

電動工具業界最大のバッテリーMX FUELに対応する大型投光器の近日発売が予告されました。

最大光束20,000lm、連続点灯時間12時間(Low時)、高さ3.35m、質量48kgと、他社充電式投光器をスペックで大きく上回るライトです。

従来の投光器で必須だったエンジン発電機が不要なので騒音も無く、住宅地での夜間作業も周囲への配慮が少なく済みます。

M18シリーズ

230mmパワーカッター M18 FCOS230

U字溝切断やコンクリートの溝入れなど、石材の切断作業に使用するパワーカッタも2021年中に販売予定です。

刃物サイズは230mmで最大切込み深さは85mm、重量は12Ahバッテリー装着時6.2kgです。もちろん湿式切断にも対応します。

現在、国内電動工具市場では同カテゴリの製品はマキタ CE090DZしか販売されていませんが、このM18 FCOS230が展開されれば強力な対抗馬になると予想されます。

125mmポータブルバンドソー M18 CBS125

パイプや長物の切断に欠かせないバンドソーも販売が予告されています。

製品仕様は、最大切断能力125mm×125mm、5.0Ahバッテリー装着時で重量7.3kgです。

対抗馬となるのは、HiKOKI CB3612DAです。切断最大面積的には僅かにM18 CBS125が勝るところですが、最大横幅径127mmのCB3612DAの方が利便性に優れるところもあり、帯のこ周速もCB3612DAのほうが2倍近く早いため、一概にどちらが良いとは言えません。

ボードトリマー M18 BCT

マキタ独壇場の製品、ボードトリマもミルウォーキーから販売されます。

製品仕様は、回転数0-28,000rpm、3.1mmと6.3mmのビットに対応し、本体重量は5.0Ahバッテリー装着時で1.5kgです。

国内電動工具市場では、マキタ CO181DRGが昨年発売されたばかりですが、強力な対抗機種として期待される製品になりそうです。

マルチツール M18 FMT

ミルウォーキーブランドのマルチツールも販売されます。

ただし、国内ではマキタがSTARLOCK MAX対応の次世代マルチツール TM52Dが売り切れ続出の大人気製品として販売されているため、「ミルウォーキーバッテリーでマルチツールも使える」程度の製品となってしまいそうです。

また、ミルウォーキーのマルチツールは国内で流通しているOIS規格に完全に適合するブレード形状ではないため、実際の使用はブレードの対応状況やミルウォーキージャパンが販売するブレードの種類について確認が必要です。

フィッシュテープ M18 FPFT

ミルウォーキー電動工具の中で個人的に最も注目しているのがこの充電式フィッシュテープです。

この工具は、電線管の内部に配線を通す通線作業に使用する電動工具です。

これまでの通線作業では、手でワイヤーを押し込んで端に到達したワイヤ先端に目的の配線をひっかけて、再び手で引っ張る作業が必要でした。そんな手作業で行っていた通線作業を、M18 FPFTでは送り・引き込みをトリガーの操作一つで行えるようにしています。

太い電力線や頭上の配線引き込みのような作業者の負担の大きい作業に対する革新的な電動工具として期待している製品です。

磁気ボール盤 M18 FMDP

まさかの磁気ボール盤まで展開されます。

国内で手配できる充電式の磁気ボール盤としては最も穴あけ径の大きい磁気ボール盤となります。最大ブローチ深さ50mm・最大ブローチ径38mm、国内既存品を凌駕する仕様です。

国内市場の対抗となる製品は、HiKOKIのマルチボルトバッテリーに対応する日東工器 アトラエース育良精機 ライトボーラーです。ただし、磁気ボール盤はサイズによって用途が異なることも多いので、使い分けが行われる製品と予想されます。

ヒートガン M18 BHG

塩ビパイプの曲げ加工から加熱包装まで幅広く使えるヒートガンも充電式になってやってきます。

最大温度は470℃、エアフローは170L/分なのでAC電源品同等のスペックとは言えませんが、電源なしで使える手軽さが魅力の製品です。

製品仕様上は京セラ DHAG180が優れていますが、ミルウォーキーには12.0Ahの超大型バッテリーが存在するため、1充電あたりの連続作業量が必要であればM18 BHG一択となるでしょう。

PACKOUT 乾湿両用集塵機 M18 FPOVCL

箱形状の乾湿両用集じん機です。本体サイズは430×280×330mmで重量は5.9mm、タンク容量は9.5Lで液体吸込み時は7.0Lまで対応します。

可搬性に優れ、段差や持ち込みが難しい場所で使用しやすい集じん機です。本体上部の蓋は小物ケースになっているのも特徴です。

PACKOUTに対応する製品なので、ほかのPACKOUTストレージの近日展開も期待したいところですが、現在までほかのPACKOUTストレージの販売予告は無いようです。

ちなみにこの製品はミルウォーキーツールジャパン上の通販サイトで既に販売ページが公開されていますが、サイト開設から現在に至るまで常に在庫切れの状態になっています。

リベッター M18 FRT

ミルウォーキブランドのリベッターは米国Milwaukeeでも2021年3月に発売されたばかりの新製品です。

ただし、厳密には海外で販売されているリベッター 2660-20と別モデルであり、日本で販売されるM18 FRTリベッターはONE-KEYを搭載しないオミット版になるようです。

リベット径の使用範囲は4.8/6.0/6.4/7.2mm、アルミ・スチール・ステンレスに対応、ストロークは30mmです。

M12シリーズ

ハイスピードラチェットレンチ M12 FHIR14/FHIR

従来の充電式ラチェットレンチに対し、回転数を約2倍近く上げた高速回転タイプの充電式ラチェットレンチです。

製品仕様上の最大回転数は0~450rpm、本体重量はバッテリーを含めても0.8kgと取り回しに優れているのが特徴です。

64mmコンパクトバンドソー M12 FBS64

バンドソーと言えば14.4Vや18Vバッテリーの製品のイメージがありますが、10.8Vバッテリー対応のバンドソーが登場です。

M12 FBS64はM12バッテリーながら、最大切込み深さは64mm×64mmを実現、6.0Ahバッテリー搭載で重量3.2kgと業界トップクラスの取り回しの良さを実現しています。

対抗となるのはマキタ PB184です。こちらの最大切断能力は51×51mmで本体重量3.5kgと僅かにM12 FBS64に勝てないのが惜しいところ。勝敗を分けるのはアルミフレームによる剛性の高さの切断フィーリングの違いとなるでしょう。

ちなみにM12 FBS64のカタログ上仕様では、ストローク数[spm]表記となっていますが、恐らく周速[m/分]の誤記と推測されます。

サンダーポリッシャー M12 BPS

カー整備に嬉しい小型軽量のサンダーポリッシャーも登場です。

製品仕様は低速回転時0~2,800rpm、高速回転時0~8,300rpm、ディスク径は76mm対応です。本体重量はバッテリー込みで1.0kgと超軽量ボディが特徴です。

少し前にマキタ PV300Dサンダポリッシャが発売したばかりですが、製品仕様的に大きな違いも無いので、軽さを重視するユーザーであればM12 BPSに軍配が上がってしまうかもしれません。

加圧式配管清掃機 M12 DCAG

あまり見かけない特徴的な排水管清掃機です。液体配管の詰まりや清掃に使用します。

水管の詰まりを空気圧で強制的に押し出して除去する工具のようで、圧縮空気の汲みだしにバッテリーとモータを使用しています。

6mmドレンクリーナー M12 BDC6

こちらはよく見かける排水管清掃機です。

ワイヤーを配管内に挿入して、先端の爪に異物をひっかけたり削り取ったりして詰まりを除去する工具です。

カタログ上では「ドレインクリーナー」と記載されていますが、一般的には「ドレンクリーナー」名称の製品です。

小型チェーンソー M12 FHS

10.8Vの小型チェーンソーも発売予定です。ガイドバー長さは152mm、切断可能長さは140mmです。

アウトドアの薪の切断から竹林の整備まで手軽に使える家庭用のチェンソーとして期待の製品です。

国内電動工具メーカーに迫る魅力的な製品が目白押し

2021年の追加製品ラインナップでは、国内で大きなシェアを持つマキタ・HiKOKIの2社を強く意識した製品展開が行われています。マキタとしては独占販売状態だった製品に対抗機種が出現し、HiKOKIではマキタ以外の新たな競業の登場により、国内販売戦略にも少し影響してくるかもしれません。

M12シリーズについては、マキタスライド10.8Vシリーズで展開していないカテゴリの製品を中心に追加しているのが印象的です。戦略としては、マキタが手を出していない製品展開を推し進め、新規電動工具ユーザーの獲得に早期攻勢をかけたものと予想されます。

※本記事で使用しているミルウォーキー製品の画像はuk.milwaukeetool.euから引用しています。ミルウォーキーツールジャパンが販売する製品とは異なる場合があります。

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