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白光 温度制御セラミックヒーターはんだごて『FX-600』レビュー

白光 温度制御セラミックヒーターはんだごて『FX-600』レビュー

白光のセラミックヒーターはんだこて『FX-600』は数あるはんだごてのなかで、もっとも高性能と言えるはんだごての1つです。

いままで使っていたはんだごてに代わり、新しいはんだごてとしてFX-600Aに新調したので、このはんだごての使いやすさを紹介します。

温度制御セラミックヒーターはんだごて 『FX-600』

HAKKO FX-600はんだごて
写真はFX-600のクリアタイプ、FX-600A。本体ハウジングが透明になっているだけで、形状・性能共にFX-600と同じ製品

はんだごてを使う方は、はんだごてを選ぶ際どのような基準で選んでいるでしょうか?「安いから」「使いやすそう」「ホームセンターで売ってたから」など色々な理由ではんだごてを選ばれたかと思います。

このFX-600は販売価格が5,000円前後と高価格帯のはんだごてですが、一度使うとこの1本だけで電子工作ほとんどの作業を行うことができる素晴らしさに感動します。

まず、FX-600の簡単な仕様について説明すると、ヒーターはセラミックヒーターを使用しており、温度制御範囲は200℃から500℃まで。温度制御と校正機能がついている多機能はんだごてですが、手になじむコンパクトな形状をしており非常に使いやすいはんだごてです。

本記事の写真はFX-600のクリアタイプ、FX-600Aを撮影に使用しています。

一度は使ってみてほしい高性能はんだごて

HAKKO FX-600 はんだ付け

電子工作を行う方の中には「はんだごてはニクロムの安いやつで十分」という方もいますが、筆者は最終的には温度調節はんだこてを選ぶべきだと考えています。

電子工作で一般的なプリント基板のスルーホールにはんだ付けするだけであれば、はんだごての違いはあまりないでしょうが、これがチップ部品や線材のはんだ付けになると少し変わってきます。チップ部品のはんだ付けは温度が高すぎると熱破壊することもありますし、線材のはんだ付けでは温度が低いとはんだ不良の原因になります。クリーニングスポンジで温度を調整する方もいますが、はんだ付けの品質的にははんだ状態のばらつきの原因になり不良の遠因になるので論外です。そのため、一度手軽に温度変更できるFX-600の使い勝手の良さを知ってしまうと、他のはんだごては使えません。

また、FX-600の素晴らしい点はヒーターの状態が青色LEDでわかること、こて先が設定温度に到達した事か目で見てわかる事、コンセントを抜くのを忘れていること、など作業者にとって様々な使いやすい機能が搭載されています。

ダイヤルでこて先の温度制御が可能!

HAKKO FX-600はんだごて温度調整
こて先温度制御も本体側面のダイヤルを回すだけで設定できる。

大きなダイヤルで細かい温度制御ができるため、幅広いはんだ作業に対応させることができます。

筆者がはんだ付けを行うときは「チップ部品が320℃」「アキシャル部品が370℃」「線材のはんだ付けが420℃~500℃」と作業に応じて温度を調整しています。

LEDの点灯状態で設定した温度の到達が一目でわかる

HAKKO FX-600はんだごて通電中青色LED点灯
ヒーター通電中は青色LEDが点灯する。設定した温度に到達するとLEDは点滅状態になるので一目ですぐわかる。LEDによってコンセントの抜き忘れにも気づけるので安全性も高い。

セラミックヒーターは急速に加熱することができるのが特徴ですが、どれくらいの時間を置けば設定した温度に到達するのかは、こて先温度を測定しなければわかりません。

FX-600は側面部にヒーター通電LEDが搭載されていて、このLEDの点灯状態を見ることでこて先温度の状態を把握することができます。また、一目で電源が入っていることがわかるので、電源を入れたままコンセントを抜き忘れていたことにも気づくことができます。

温度校正 CALボリューム

HAKKO FX-600はんだごて温度校正
温度制御ダイヤル横のCALは温度校正用のボリュームになっている。こて先温度計と組み合わせれば精密な温度制御ができる。

FX-600にはダイヤルの温度制御の他に、温度校正のための校正ボリュームが搭載されています。

こて先温度計と組み合わせてCALのボリュームを調整することで、温度制御ダイヤルの温度を補正することができ、はんだ作業の品質向上を図ることができます。量産現場などでははんだのこて先温度を管理することが製品の品質を高めることに繋がるので、温度校正ができるのは非常に重要です。

ダイヤルを外して温度制御をロック

HAKKO FX-600はんだごてダイヤルロック
温度制御ダイヤルを外せば、作業者が勝手にこて先温度を変えてしまう心配がなくなる。工場ラインなどの温度管理に使用できる。

温度制御ダイヤルは取り外すこともでき、はんだ作業ラインで作業者が不意に温度を変えてしまうのを防ぐことができます。不意に温度を変えられてしまうと、はんだ付けの条件が変わることもあり、はんだ量過多や熱不足などのはんだ不良が発生します。

本来、温度のロックはステーション型はんだごてに搭載されている機能の1つですが、FX-600にも搭載されているため、ロック機能のみを目的にしているのであれば初期コストを抑えることができます。

HAKKO FX-600はんだごてダイヤルロック中温度制御
ダイヤルを外した状態の温度制御は付属の専用アダプタを使う。

こて先交換で様々な作業に対応


白光 FX600用 保護パイプ (B3720)

FX-600の性能というよりも白光の強みですが、白光のはんだごては用意されているこて先のレパートリーが豊富なため、様々なはんだ付け条件を満たすことができます。こて先温度も重要ですが、最も重要なのは適切なこて先を選ぶことで、形状がよければはんだのぬれ性も安定するため、より高品質なはんだ作業を行うことができます。

また、FX-600はパーツを交換することで高熱容量型の『FX-601』と同仕様に変更することができ、より高い熱容量が必要になった場合にも対応できます。

ほぼ全てのはんだ作業に使えるオールラウンダー

今回紹介した『FX-600』は、はんだ付けのプロが必要とする機能を小さなボディの中に全て詰め込んだ高性能なはんだごてです。温度制御を幅広く・細かく行えるため共晶はんだから鉛フリーはんだ、高い熱容量を必要とするGNDベタパターンでも快適にはんだ付けを行うことができます。

チップ部品から線材のはんだ付けまで全ての作業をオールマイティに使えるはんだごては『FX-600』だけでしょう。

勿論、いいはんだごてを使っているからと言ってはんだ付けのスキルが向上するわけではありませんし、オールマイティなはんだごてと言っても必要に応じてこて先を変更などは必要になります。それでも、いいはんだごてを使うことではんだ作業時の不要なトラブルを避けることもできますし、作業性も大きく向上させることができます。

電子工作をやっていてすでにはんだごてを持っている方でも、どこかの段階で「2本目のはんだごてが欲しいなぁ」と思うことがあります。そんな方は2本目のはんだごてに『FX-600』オススメです。

 

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