VOLTECHNO(ボルテクノ)

ガジェットとモノづくりのニッチな情報を伝えるメディア

2023年9月7日

HiKOKI G3610DC コードレスディスクグラインダを発売、最大1,500Wクラスのモータ出力

HiKOKI G3610DC コードレスディスクグラインダを発売、最大1,500Wクラスのモータ出力

工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からコードレスディスクグラインダ G3610DCを全国の電動工具取扱販売店などを通じて発売する。従来モデル比で最大出力が1,500Wに向上しベアリング・スイッチの防じん性が向上した。本体希望小売価格は29,500円(税別)

HiKOKI コードレスディスクグラインダ G3610DC

HiKOKIは、2022年12月からコードレスディスクグラインダ G3610DCシリーズを発売します。

G3610DCは、マルチボルト36Vで動作するコードレスディスクグラインダーです。最大モータ出力1,500Wの製品仕様を備え、ボールベアリングの防じん性アップとスイッチの防じん・耐水性アップにより耐久性も向上しています。

新構造となる3方向サイドハンドルが取り付けられる構造とツールレスホイルガードを採用、さらに先端両側にLEDライトも加わり作業性は大幅に向上しています。

1充電あたりの作業量は、コンクリート筋付け約7.6m・鉄筋切断152本の作業量を備えています。

製品仕様は装着ディスク径とスイッチ構造が異なる5仕様で展開します。販売仕様はバッテリー BSL36A18Xが付属する(2XPZ)とバッテリー BSL36B18Xが付属する(2WPZ)、本体のみの(NN)仕様で販売します。

  • G3615DC(2XPZ) BSL36B18Xバッテリー・UC18YDL2充電器・システムケース3付属 希望小売価格99,300円(税抜)
  • G3615DC(NN) 本体のみ 希望小売価格37,700円(税抜)

製品仕様

製品名 G3610DC G3613DC G3615DC G3610DD G3613DD
外観
ディスク径 100mm 125mm 150mm 100mm 125mm
スイッチ スライド スライド スライド パドル パドル
モータ出力 1,500W 1,500W
無負荷回転数 3,200~10,000min-1 3,200~10,000min-1 3,200~8,000min-1 3,200~10,000min-1 3,200~10,000min-1
動作電圧 36V
キックバック低減
ソフトスタート
変速
ブレーキ
重量 2.5kg 2.7kg 3.0kg 2.5kg 2.7kg
寸法 363×60mm 363×71mm 376×71mm 363×60mm 363×71mm
本体価格 29,500円(税別) 32,800円(税別) 37,700円(税別) 29,500円(税別) 32,800円(税別)
販売年月 2022年12月

製品の特徴
「最大モーター出力1,500Wでパワフル研削」

モーターの性能を最大限に引き出す制御方式により、モータ最大出力と押し付け時の粘りが向上。

従来モデル比で約20%性能が向上しており、ハードな作業も楽にこなせます。

無段変速ダイヤル・オートモードを搭載

用語に応じて回転数を調整できる無段階調整ダイヤルを変速可能。ステンレス研磨から荒切削・切断作業まで幅広い作業に対応できます。

負荷に応じて自動で切り替わるオートモードスイッチを搭載。負荷に応じて自動で切り替わるので効率の良い作業が可能です。

3方向サイドハンドル取り付け

サイドハンドルの受け側取り付けにも対応。左右2方向に加えた3方向サイドハンドルで狭所作業にも対応します。

回転復帰制御で1.5秒以内に自動復帰

高負荷作業で回転が停止した後、1.5秒以内に負荷状態を改善すると自動で回転が復帰します。スイッチを入れ直す必要がありません。

先端にLEDライト×2を搭載

両側に高輝度LEDライトを搭載することで、切断時の視認性がアップしました。

細系ボディで取り回しが向上

小形ヘッドで軽量コンパクトなボディにより、取り回しがよく効率のよい作業が可能です。

パドルスイッチ仕様も展開

スイッチを握っている間のみONになるパドルスイッチ仕様も展開。(G3610DD/G3613DDのみ)

マキタ 充電式ディスクグラインダ GA017Gとの違い

ブラシレスモータの変速・無線連動対応ディスクグラインダーで競合するモデルは、マキタ GA017Gです。

製品仕様的には同じような仕様を備えており、性能面でHiKOKI G3610DCが無負荷回転数の点で優勢となっています。

カタログで1,500Wと大きくアピールしているものの、これまでHiKOKIカタログでよく使われている「クラストップ」や「業界No.1」等の他社比較を基準とした性能アピールの文言が見られないので、製品性能それ自体は意外と大きな違いが無い(またはマキタグラインダの方が上)なのかもしれません。

マキタ40Vmaxシリーズに関しては、高出力バッテリーのF仕様があるため、そのあたりも含めて比較した場合どのくらいの性能差が出るかは未知数なので、何か機会があれば比較してみたいところです。

とは言え、どちらも実使用的には甲乙つけがたい性能を搭載しているので、手持ちの充電式機器やバッテリーのバリエーション・稼働時間の点から選ぶのが良いでしょう。

製品名 G3610DC GA017G
外観
ディスク径 100mm 100mm
スイッチ スライド スライド
無負荷回転数 3,200~10,000min-1 3,200~8,500min-1
動作電圧 マルチボルト36V 40Vmax
キックバック低減
ソフトスタート
変速
ブレーキ
Bluetooth接続 Bluetoothバッテリー AWS
防水 非適合 IPX6
重量 2.5kg 3.0kg
寸法 363×60mm 418×117×164mm
本体価格 29,500円(税別) 32,400円(税別)
販売年月 2022年12月 2020年5月

製品的には優秀な製品。製品以外では歪みが見えてしまう部分も

今回のG3610DCは、モータ出力の向上による基礎スペックの向上や付加価値による使い勝手の向上など、コードレスディスクグラインダとして1つの到達点に達したとも言える製品です。

とは言え少し気になるのは、カタログにもある「モータ出力1,500W」の謳い文句です。バッテリー性能を基準に考えた場合、HiKOKI G3610DC(2XPS)に付属するBSL36A18XバッテリーのSAMSUNG 25Sセル最大出力仕様は35Aであり、計算上の最大出力は1,260Wに留まるはずです。

本来、コードレス製品の消費電力は電力換算して表記しないことが通例だったのですが、前例だったコンクリートの筋付けスピードからW表示としてのは、何かしらの事情があるのかもしれません。

例えば、「定格はそのままに過電流の遮断値を増やした」や「大型バッテリー BSL36B18を使用した時に限定」のようなカラクリはありそうなのですが、販売店やユーザーの評判を見る限り性能や使い勝手が向上しているのは間違いなさそうなので、これ以上は深く詮索しないことにします。

さて、スペック的には優れた能力を持つ製品なのですが秀久 YouTubeチャンネル内で語られている通り、切断砥石を標準付属のツールレスホイルガードで装着すると干渉して回らなくなってしまうため、切断砥石装着時には専用ホイルカバーの装着が必須となっています。

好意的に解釈すれば安衛則へ適合した結果と見ることもできるのですが、製品カタログ上に切断トイシ用ホイルガードを記載しながらも、切断トイシ用ホイルナットの記載を省いている点を見てしまうと、メーカー側が切断トイシについての扱いを軽んじており、製品背景やアクセサリ仕様について深く理解していなかったのだろうと推測してしまいます。

スペック的には優れた仕様を持ち高い完成度を誇る製品ではあるのですが、発売に至るまで色々あったのだろうなと邪推されてしまう面が目立った製品です。G3610DC以外の製品展開が軒並み近日発売の状態であり、メーカーではなく販売店によって製品情報の初動開示された点などがこれまでの工機HDになかった動き方であり、トラブルやスケジュールを限界まで詰めて販売に至った製品なのだろうなと思っています。

HiKOKI BSL36A18バッテリーが搭載しているSAMSUNG 25Sセルのデータシート
10本構成のバッテリーにおける最大出力は36V×35A=1,260Wになるはずだが、本機のモータ出力は1,500Wなので定格最大出力で整合が取れない。瞬間的になら過負荷出力にも対応できる考えられるので、1,500Wは定格出力を意味しているわけではないのかもしれない。
(左) G3610DC カタログ裏面のアクセサリ一覧 (右) G3610DC 取扱説明書 P15
取扱説明書では切断トイシ用ホイルガードと切断用ホイルナットの使用が必須となっているが、製品カタログ上ではホイルガードしか記載されておらず、アクセサリの展開として不親切に思える

まとめ

HiKOKI コードレスディスクグラインダ G3610DC

VOLTECHNO製品評価 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

最大モーター出力1,500Wのコードレスディスクグラインダ

良い点
  • モーター出力1,500Wの高出力
  • 高負荷で回転を止めても自動で復帰
  • 2灯LEDライトを搭載
  • 耐久性が向上
  • ツールレスホイルガード付属
  • 3方向サイドハンドル取付けに対応
悪い点
  • ACアダプタET36A非対応
  • X-LOCK仕様なし
  • 標準ツールレスホイルガードで切断トイシがつけられない

G3610DC (100mm/スライドスイッチ)

G3613DC (125mm/スライドスイッチ)

G3615DC (150mm/スライドスイッチ)

G3610DD (100mm/パドルスイッチ)

G3613DD (125mm/パドルスイッチ)

よく比較される工具

HiKOKI G18DSL2

2021年1月発売

マキタ GA017G

2020年5月発売

マキタ GA045G

2022年3月発売

関連アクセサリ・別販売品・消耗品

切断トイシ用ホイルガード

切断トイシ用ホイルナット

ガイドベース

マルチボルトバッテリー

Bluetooth搭載マルチボルトバッテリー

背負い式電源

マルチボルト対応ACアダプタ

要対応機種確認

HiKOKI 充電器

Return Top