工機ホールディングス株式会社(本社:東京都港区)は、電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)からツールボックスの新シリーズ「MULTI CRUISER(マルチクルーザー)」を12月26日から発売する。工具の保管や輸送、搬入/搬出の効率化を可能にし、シーンや用途に合わせてツールボックスを追加し組み合わせて使うことができる。
目次
HiKOKI ツールボックス MULTI CRUISER(マルチクルーザー)
HiKOKIは、2022年12月からツールボックス MULTI CRUISER(マルチクルーザー)を発売します。
「MULTI CRUISER」は、工具の保管や輸送、搬入/搬出を効率化するために作られたツールボックスの新シリーズです。
シーンや用途に応じた3サイズのケースをそれぞれ積み上げることが可能で、電動工具やバッテリーはもちろん、アクセサリ類もたっぷり収納でき、現場で使う工具を安全に一括管理できます。
卓越したボディ強度で耐荷重最大120kgを実現しているほか、防じん耐水IP65を取得しているので土ほこりや急な雨でも安心して使える仕様を備えています。
製品仕様は容量の異なる3サイズを展開、カラーバリエーションはフォレストグリーンとサンドベージュの2カラーで販売します。
- ツールボックス(M)(0037-9481) 希望小売価格27,000円(税抜)
- ツールボックス(L) (0037-9484) 希望小売価格34,000円(税抜)
- キャリーボックス(0037-9487) 希望小売価格49,000円(税抜)
- ツールボックス(M)(0037-9482) 希望小売価格27,000円(税抜)
- ツールボックス(L) (0037-9485) 希望小売価格34,000円(税抜)
- キャリーボックス(0037-9488) 希望小売価格49,000円(税抜)
製品の特徴
「HiKOKI独自の新仕様システムケース」
MULTI CRUISER(マルチクルーザー)は、HiKOKIが展開する新構造の高耐久連結型ツールボックスです。
卓越したボディ強度で耐荷重最大120kgを実現し、防じん耐水IP65の適合、キャリーボックスでは樹脂+ゴム材の大径9インチの大型タイヤを採用しているので荒れた路面や段差でも安定した走行性を発揮します。
ボックス同士を固定する左右2箇所のスタックラッチが衝撃によるズレ落ちを防ぐので安定した運搬にも対応し、シーンや用途に合わせて、ツールボックスを追加して組み合わせて使うことができます。
フッキングプレートでボックスの側面に道具の引っかけが可能
フッキングプレートを使えばボックスの外にすぐに使いたい道具類を取り付けることができます。ツールボックスM/L/キャリーボックス1個あたり最大で2個装着可能です。
大形ハンドルで運搬もらくらく
持ちやすさを追及した大形ハンドルを全てのボックスに装備しました。積み下ろしや収納時に役立ちます。
防じん耐水IP65適合で資材・工具を保護
防じん耐水IP65に適合しているため、土ほこりや急な雨でも収納した資材や工具類を守り安心して使用できます。
サンドベージュカラーも展開
カラー展開では基本カラーのフォレストグリーンのほか、サンドベージュ仕様も展開します。
ミルウォーキー PACKOUT との違い
高機能・高耐久の連結対応ツールボックスでは、ミルウォーキー PACKOUTシリーズが競合します。
MULTI CRUISERとの比較としては、対応製品数・価格共にPACKOUTが圧倒的に優位であり、新興のMULTI CRUISERが太刀打ちできるような状態ではありません。普通に考えれば、種類豊富で価格も安いPACKOUTシリーズを選ぶのが無難です。
MULTI CRUISERを選ぶ際に最もネックになっているのは価格です。
発売直後の現時点においてMULTI CRUISERの方が1.5倍~2倍程度も高く販売されているため、市場におけるMULTI CRUISERの競争力はほとんど無いと言える状態です。
ケース類は電動工具よりもライフサイクルが長くなる可能性があるので、「良いもの買って長く使う」ような考え方も無くはないものの、競合他社品と機能・性能的に大きな違いのない製品たいしてあまりにも強気の価格設定としたのは、根本的に製品企画や販売計画を間違っているのではないかと疑ってしまう程です。
とは言え、MULTI CRUISERシリーズは登場したばかりのシリーズであり、今後の売価調整やシリーズ展開によってはPACKOUTシリーズに対抗できるツールボックスになれる可能性もあるので、今後に期待と言えるでしょう。
登場時点でPACKOUTには到底及ばないが…
今回のMULTI CRUISERは、ミルウォーキーのケースシリーズ PACKOUTと同じコンセプトを持つツールボックスです。辛辣な評価で言い切ってしまえば「現時点で製品バリエーションが3種しかないMULTI CRUISERを敢えて選ぶ必要は無い」と言える状態であり、この手のケースを必要としているのであれば普通にPACKOUTシリーズを選ぶのが良いでしょう。
個人的な心情としても「せめて引き出しボックス仕様があれば検討の余地はあったが、ボックス3種のバリエーション程度では話にならない」と考えています。この手のツールボックスに興味はありながらも今すぐ必要としていないユーザーの方であれば、MULTI CRUISERシリーズの第2弾展開やマキタが構想中と考えられる新型マックパックの発表を確認してから改めて検討を初めても良いと思っています。
今後の展開における懸念点としては、連結構造の違いからツールボックスとしての拡張性でPACKOUTに及びそうにない点と、昨今のHiKOKIの傾向として展示スペース不足や在庫切れが多発する可能性が考えられる点です。
充電式製品が増え販売スペースの確保競争が激化している昨今においては、MULTI CRUISERのような大型製品でバリエーションの少ない製品は在庫スペースや陳列棚の確保も難しそうです。圧倒的な製品展開と営業力で販売棚を確保しているマキタや有力店にPACKOUTシリーズ入れ終えているミルウォーキーの背景を考えると、実店舗販売においては陳列すら叶わない可能性もありそうです。
カラー的にはHiKOKIの基本カラーであるアグレッシブグリーンを避けたのは良い判断でしょうか。工具サイズならまだしも、ケースサイズになるとあの緑色は毒々しいので、フォレストグリーン/サンドベージュであればアウトドア用途にも上手くなじめそうです(先述の通り在庫スペースや販売棚確保的に2色展開は下手のような気もしますが…)
総論としては、耐久性・防水性・性能等を兼ね備えた期待のツールボックスシリーズなので、先行中のミルウォーキー PACKOUTを把握していないユーザー層への認知とそれに答えられる物流販売網の維持、今後の製品シリーズ拡充をいかに素早い段階で確定できるかのスピード感が重要の商材になるでしょう。