電動・エア工具を製造・販売する工機ホールディングス株式会社(東京都港区)は、2021年6月15日(火)より電動工具ブランド HiKOKI(ハイコーキ)の新型コードレス冷温庫 UL18DBを発売する。業界初の2部屋モードで冷蔵と冷凍を同時に実現するポータブル冷温庫。
目次
HiKOKI 新型コードレス冷温庫 UL18DB
電動工具ブランド HiKOKIを展開する工機ホールディングス株式会社は、2021年6月15日(火)から新型コードレス冷温庫 UL18DBを発売します。
UL18DBは、-18℃から60℃まで広い温度調節が可能な充電式バッテリーに対応するコードレス冷温庫です。着脱可能な仕切板により、2部屋に分割してそれぞれ異なる温度設定ができる業界初の「2部屋モード」を搭載し、冷蔵と冷凍が同時にできる冷温庫です。
庫内容量は最大25L。HiKOKIバッテリーのほかACアダプタや12V/24Vでの動作にも対応し、生活保護等級IPX4に対応するため屋外での仕様にも対応します。
カラー仕様は、HiKOKIカラーのアグレッシブグリーンと深緑のフォレストグリーンの2仕様で展開されます。
販売仕様は、大型バッテリーBSL36B18が付属する(WM)仕様と本体のみの(NM)仕様で販売されます。
- UL18DB(WM) アグレッシブグリーン 希望小売価格87,800円(税抜)
- UL18DB(WMG) フォレストグリーン 希望小売価格87,800円(税抜)
- UL18DB(NM) アグレッシブグリーン 希望小売価格69,800円(税抜)
- UL18DB(NMG) フォレストグリーン 希望小売価格87,800円(税抜)
UL18DB製品仕様(マキタ CW180Dと比較)
製品名 | UL18DB | CW180D |
外観 | ||
温度範囲 | -18~60℃ (5℃単位調整) |
-18~60℃ (7段階) |
庫内容量 | 25L | 20L |
対応電源 | 14.4V/18Vバッテリー シガーソケット12-24V ACアダプタ |
18Vバッテリー シガーソケット12-24V ACアダプタ |
バッテリー差込本数 | 最大2本 | |
USB出力 | 5V / 2.4A | |
重量 | 15.6kg(本体のみ) | 14.3kg(BL1860B×2本) |
寸法 | 653×340×450mm | 623×341×371.5mm |
カラー | 緑・深緑 | 青 |
本体定価 | 69,800円 | 69,800円 |
発売年月 | 2021年6月 | 2020年5月 |
UL18DBの特徴「2部屋モードで冷蔵・冷凍同時使用可」
UL18DBは、業界初の「2部屋モード」を搭載しています。付属の仕切板で庫内を2部屋に分割でき用途に応じて左右で異なる温度設定が可能です。
片方を-18℃にしてもう片方を5℃に設定すれば、冷凍と冷蔵の2つの機能を同時に使用することが出来ます。現場でアイスと飲み物を両方持ち込んだり、アウトドアで冷凍食品と生鮮食品を同時に1つの冷温庫に収納するような使い方もできます。
温度設定は17段階(-18℃、および-15~60℃の5℃単位)で調整できます。冷凍から保冷、保温まで、幅広く細かな温度調節が可能です。
また、庫内に入れるものが少ない時は「片部屋モード」に設定することで、電池の減りを抑えることができます。
たっぷり入る大容量25Lタンク
冷温庫内はたっぷり入る25Lの容量を確保。2Lペットボトルは6本収納、500mLペットボトルを15本(横置きで最大25本)収納できます。
バッテリー2本装着で最大18.5時間の使用が可能
大容量蓄電池BSL 36B18が標準付属(UL 18DB(WM)、UL 18DB(WMG) に1個標準付属)。バッテリー1本でも動作し-18℃の1部屋動作で約3.5時間の冷凍保冷が可能です。
バッテリー2本(BSL36B18×2)装着時では最大約18.5時間の長時間連続保冷動作にも対応します。(1部屋 5℃設定時)
大型キャスターとハンドルで移動もラクラク
5インチのゴム製大形キャスターと大型キャリーハンドルで、ちょっとした段差も楽に乗り越えられます。また、ショルダーベルトを標準付属しており、肩にかけて持ち運べます。
家庭用AC100V電源、車のシガーソケットにも対応
付属のACアダプタを使えばAC100Vコンセントからも使用できます。
さらにシガーソケットアダプタを使えば車内でも使用可能。トラック等の24V電源でも動作します。
バッテリーを装着したまま外部の電源を使用できるため、車載で使用していた時にエンジンを止めて電源供給を切ってしまった時でも、バッテリーに自動で切り替わり保冷動作が継続します。
充電機能搭載
UL18DBは冷温庫本体に充電機能を搭載。HiKOKIバッテリー用の充電器なしでもバッテリーの充電が可能です。
ただし、Bluetooth機能搭載バッテリー(BSL36A18B, BSL36B18B)の充電は非対応なので注意しましょう
防水保護IPX4適合
屋外でも使用できる生活防水 防水保護等級IPX4に適合。水のかかる場所や急な雨でも安心して使用できます。
水抜きできるドレン穴搭載
本体底面から水を抜けるドレン穴を搭載。庫内が汚れてしまった場合でも洗浄していつでも清潔な状態を維持できます。
庫内LEDライトで内部を明るく照らす
庫内を照らすLEDライトを搭載。暗い場所でのアウトドアや現場などでも目的のものがすぐに探せます。
USBコネクタ搭載
USB機器を充電できるUSB出力コネクタを搭載。5V-2.4Aの出力仕様でApple製タブレットなどの大容量バッテリーモバイル機器も素早く充電できます。
別売のアクセサリでより使いやすく
冷温庫をより使いやすくする別売のアクセサリも同時販売。
マキタ 充電式保冷温庫 CW180DZとの違い
HiKOKI UL18DBと比較される充電式冷温庫は、昨年5月に販売されたマキタ CW180DZです。
基本的な製品仕様についてはマキタ CW180Dと大きな違いはありません。温度調節範囲が-18~60℃と同じ仕様であり、1充電当たりの運転時間もHiKOKI UL18DBは大型のBSL36B18を標準付属仕様としているため長く見えますが、バッテリー容量単位当たりの時間に大きな差異はありません。
UL18DBが優位となるのは「冷蔵・冷凍同時使用」「BSL36B18対応による1充電当たりの使用時間の延長」「25Lの庫内容量」「充電機能の搭載」などの付加価値の部分です。
希望小売価格は同じ価格設定なので、在庫不足によるプレミア価格化さえしなければ付加機能が追加された分だけ今作のUL18DBの方がお得と言えるでしょう。
バッテリープラットフォームは大きな違いです。マキタ18Vシリーズの優位点をHiKOKIの製品ラインナップで崩すことは難しいでしょう。ただし、UL18DBはバッテリー充電機能を内蔵しているため、マキタユーザーの方でもUL18DB専用のバッテリーとして割り切れば実用上問題はありません。
今回のHiKOKI UL18DBはコンセプト面や付加機能の面で優れており、これに匹敵し得る製品は中々ないかと推測しています。
ちなみに、マキタのCW180Dは70°以上傾けてしまうと約2時間は使用できなくなってしまいますが、UL18DBは本体を大きく傾けても約1分後に自動で運転が再開する仕様になっています。
付加機能は評価十分、基本的な性能は他社相当
HiKOKIの従来コードレス冷温庫はペルチェ素子を搭載する電子冷却方式を販売していましたが、マキタが昨年発売したコンプレッサ方式のCW180DZに大敗を喫していました。
日立工機からHiKOKIにブランドを変更して以降、プロ向け電動工具の製品展開に絞り家電ジャンルの製品開発に対して消極的になっていたHiKOKIですが、さすがにマキタ保冷温庫の売れ行きを目の前に黙認はできなかったようです。
今回のUL18DBに関してはマキタの後出しだけあり、機能や使い勝手の細かい部分までの付加価値にこだわった優れたコードレス冷温庫と言えるでしょう。2部屋機能についてはBSL36B18が付属する大型バッテリー仕様も合わせて夏のアウトドア向けに特化した機能であり、大型キャンパーユーザーの方には話題の製品です。
ただし、純粋な充電式保冷温庫として考えれば性能面は他社相当です。
冷温庫自体が電動工具以上に共通化が進み切った家電製品であり、専門外の電動工具メーカーが特徴的な差異を出せるような製品ではありません。「全く新しいコードレス冷温庫」と記載していますが、保冷・保温機能のような基本的な部分の性能で大きな違いはありません。
製品外観で気になるところと言えば、製品本体に刻印されたHiKOKIロゴが大きすぎることでしょうか。メインカラー深緑でサブカラー黒のデザインは、マキタブルー以上にホワイトロゴが目立つので「ここまでマキタの後追いをしなくても良いのに」と考えてしまいます。
UL18DBまとめ
HiKOKI コードレス保冷温庫 UL18DB
VOLTECHNO製品評価 (5 / 5)
HiKOKI待望のコンプレッサー式冷温庫、業界初の庫内2部屋分離構造が特徴。現場からアウトドアまで幅広く使えるモデル。
旧モデル | HiKOKI UL18DA |
競合製品 | マキタ CW180D マキタ CW001GZ |
- 冷蔵・冷凍同時使用可能
- 25Lの大容量
- 充電機能搭載
- 傾斜からの復帰が早い
- 14.4Vバッテリー対応
- 仕切り収納バックは別売り