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2023年5月26日

マキタ18Vリチウムイオンシリーズ徹底解説ガイド

マキタ18Vリチウムイオンシリーズ徹底解説ガイド

マキタの主力シリーズは、18Vリチウムイオンバッテリーを搭載した充電式電動工具シリーズです。シリーズ展開が始まった当初は電動工具だけのシリーズでしたが、今ではバッテリー容量も増え、園芸機器から家電まで様々な製品が展開され、マキタを象徴する人気製品シリーズになっています。

マキタの主力18V充電工具シリーズ「18V LXT」

マキタを象徴する主力製品シリーズは18Vスライドバッテリーシリーズです。

電動工具から始まったこの充電式シリーズは、園芸機器・清掃機器まで使える定番シリーズになり、現在ではテレビやライト・扇風機など家電製品まで進出が進んでいます。

マキタの18Vスライドバッテリーシリーズは2020年4月現在で283モデル、18V×2本シリーズの52モデルを合わせて計335モデルが展開されていて、国内他社メーカーを圧倒する製品ラインナップが展開されています。

18Vバッテリーは「電圧」+「容量」が製品名

マキタ18Vバッテリーシリーズの製品名は「電圧」+「容量」で表されています。

例えば、18V/6.0Ahバッテリーでは「BL1860B」。残量表示機能を搭載しているバッテリーでは末尾に「B」が追加されます。

18Vバッテリーを2本装着する36V電動工具に対応

マキタの36Vシリーズは、18Vバッテリーを2本装着して動作させることができます。18Vシリーズと共通のバッテリーを使用できるので、新たなバッテリーや充電器を購入する必要もなく手軽に大型高出力の製品を使用することができます。

旧36Vシリーズもバッテリコンバーターを使用すれば18Vバッテリー2本差しに対応できるので、マキタの古い製品まで動作できます。

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40V MAXシリーズには非対応

マキタは2019年10月に新たな電動工具シリーズ「40V MAX」シリーズを展開しましたが、18Vバッテリーシリーズとの互換性がありません。

互換性を提供するコンバーターやアダプタも現時点で販売されていないようで、今後も展開する予定はないようです。

マキタ18Vバッテリーの初期モデルに注意

マキタの18Vバッテリーの初期モデルは現行の製品に対応していないため、一部互換性に注意が必要です。

BL1830やパワ軽と呼ばれるBL1815/BL1815Nなど販売が古いバッテリーは現行製品に非対応です。中古品や古い在庫品を購入する場合には、付属バッテリーを確認しましょう。

互換バッテリーに注意、品質が悪く発火の危険性も

マキタの予備バッテリーは高価なので、通販サイトを中心にさまざまなメーカーから格安の互換バッテリーが販売されています。

互換バッテリーの実態は電動工具向けではない格安のバッテリーセルを内蔵した欠陥品で、安全保護機能も欠落しているため、普通に使用していても発煙・発火の危険性があります。

互換バッテリー業者も「純正品相当」とはアピールしていますが、実際には「最新の急速充電器DC18RFで充電しないでください」と注意書きが添えられるパターンもあり、非常に発火リスクの高いバッテリーになっています。

マキタを始めとした電動工具メーカーは純正バッテリーを使用することを喚起しており、経済産業省やNITEも互換バッテリーに対するさらなる対応策を提示するための調査や新たな規制を検討しています。12

マキタ 18Vバッテリー対応充電器の種類と解説

マキタ18Vバッテリーの充電器は現行のモデルで6製品が展開されています。最も普及しているのが急速充電器DC18RFです。

そのほかにもスライド10.8Vバッテリーとセットになった充電器DC18REや2口・4口の同時充電器も展開されていますが、バッテリーの充電時間効率ではDC18RFが最も良いため、コンセントや電源容量に余裕があるなら価格的に最も安く充電速度も速いDC18RFを購入するのをお勧めします。

この項目では、主要なマキタ18Vバッテリー対応充電器を紹介します

「DC18RF」最新の急速充電器、実用充電機能を搭載

マキタ最新の18V対応急速充電器がDC18RFです。

充電速度が速くなったのが特徴で、前モデルのDC18RC比較フル充電で15分早くなりました。さらに実用充電と呼ばれる80%程度の充電容量なら22分で完了する新モードも搭載し、現場で要求される素早い充電速度に応えられる充電器になりました。

充電器単体でも低価格で販売されているのが特徴で、買い増しもしやすい充電器です。マキタ1口充電器では初のUSB端子を搭載しているのもポイントです。

対応バッテリー14.4V-18V
入力容量330VA
USB端子5V/2.1A
充電時間3.0Ahバッテリー:実用充電17分/フル充電22分
6.0Ahバッテリー:実用充電22分/フル充電40分
寸法156×190×84mm
質量0.98kg

「DC18RC」1世代前のロングセラーモデル

マキタの充電式リチウムイオンシリーズを長年支え続けたロングセラー充電器がDC18RCです。

充電時間はDC18RF比較で若干見劣りしてしまいますが、マキタ充電器の中では十分実用的な充電器です。

型式の古い充電器ということもあり、マキタ旧モデルの7.2V-14.4Vニッケル水素バッテリーにも対応しているのが特徴で、古いマキタ充電式工具を愛用している方なら今でも現役で使える充電器です。

対応バッテリーNi-MH 7.2V-14.4V
Li-ion 14.4V-18V
入力容量410VA
USB端子
充電時間3.0Ahバッテリー:フル充電22分
6.0Ahバッテリー:フル充電55分
寸法156×190×84mm
質量0.83kg

「DC18SE」車載専用の12-24V電源充電器

移動しながらバッテリーを充電したい、なんて要求に応えられるのが車載用充電器DC18SEです。DC18SEはシガーソケットの12Vまたは24Vに対応している充電器で、車から直接マキタバッテリーを充電することができます。

便利な充電器に見えますが「AC100Vには非対応」「充電時間が非常に長い」ので、緊急時・災害用や長距離移動時しか活用方法が無さそうなのが欠点です。

対応バッテリー14.4V-18V
入力容量70W
USB端子
充電時間3.0Ahバッテリー:フル充電60分
6.0Ahバッテリー:フル充電130分
寸法164×190×106mm
質量1.0kg

「DC18RE」10.8Vバッテリー兼用の2口充電器

マキタのもう1つの主力充電式シリーズ スライド10.8Vバッテリーの充電に対応しているのがDC18REです。

充電ポートを2口備え、18Vと10.8Vの2種類のバッテリー充電に対応しているのが特徴です。18Vシリーズと10.8Vシリーズの2種類の電動工具を使用しているユーザーには必見の充電器です。

2023年で廃盤になり現在は入手不可能です。

対応バッテリー10.8V/14.4V-18V
入力容量240W
USB端子
充電時間10.8V/1.5Ahバッテリー:フル充電22分
3.0Ahバッテリー:フル充電22分
6.0Ahバッテリー:フル充電55分
寸法164×190×106mm
質量1.2kg

「DC18RD」バッテリー同時2個充電に対応する2口充電器

バッテリーを2個同時充電できる充電器がDC18RDです。18V×2本シリーズの電動工具セットに付属してる充電器です。

マキタの36V電動工具は、18Vバッテリーを2個装着して動作させる方式を採用しているので、2個同時に充電すればすぐに36V工具を使用できて非常に便利です。18V×2本電動工具を使う時以外にも、コンセントが不足している仮設現場で何台もマキタ製品を使用している場合などにも活躍できます。

対応バッテリー12V-18V
入力容量690VA
USB端子
充電時間3.0Ahバッテリー:フル充電22分
6.0Ahバッテリー:フル充電55分
寸法205×340×100mm
質量2.1kg

「DC18SH」2口充電器の低価格モデル

2口充電器の低価格モデルがDC18SHです。18V×2本シリーズの低価格帯の製品に付属している充電器です。

基本的な使い方はDC18RDと変わりませんが、充電時間が長いので頻繁に充電が必要になるような高負荷な使用はできないので注意が必要です。

対応バッテリー14.4V-18V
入力容量
USB端子
充電時間3.0Ahバッテリー:フル充電60分
6.0Ahバッテリー:フル充電130分
寸法
質量

「DC18SF」バッテリー4個の装着に対応する4口充電器

マキタバッテリーを4つ装着できる4口充電器がDC18SFです。

2口充電器の上位モデルにも見えますが、実際の充電性能はDC18RDよりも低いので4本装着時に全て充電し終わるまで最長260分かかります。充電も2本ずつなので、ガンガン充電する用途には向かないので注意が必要です。

対応バッテリー14.4V-18V
入力容量230W
USB端子
充電時間3.0Ahバッテリー:フル充電60~120分
6.0Ahバッテリー:フル充電130~260分
寸法167×440×105mm
質量2.1kg

マキタ 18Vバッテリーの種類と解説

マキタ18Vバッテリーは展開時期の長い製品シリーズなので、数多くのバッテリーが販売されています。

4.0Ah以降の18Vバッテリーは互換性が確保されていますが、それ以前の3.0Ahバッテリーや1.5Ahのバッテリーなどは現行品に非対応の製品もあるので古いバッテリーや製品を購入する時には必要です。現行品に対応しているかはLXTロゴや☆マークの記載などで判断します。

この項目では、現行品に対応して販売が広く行われている18Vバッテリーの紹介・解説を行います。

「BL1860B」 18Vバッテリーシリーズの主力バッテリー

マキタ18Vシリーズの主力バッテリーがBL1860Bです。容量は6.0Ahでマキタ18Vバッテリーでは最大容量のバッテリーです。

セット販売品のほとんどがこのBL1860Bを付属仕様にしているので、現在最も普及しているバッテリーです。

品番A-60464
電圧18V
容量6.0Ah
重量0.7kg
寸法
定価23,200円
販売年2015年
特徴普及バッテリー

「BL1830B」 18Vシリーズの低容量低価格バッテリー

マキタ18Vシリーズの低価格低容量バッテリーがBL1830Bです。主に低価格の充電式家電製品とセットで販売されています。

過去にはBL1830無印仕様が販売されていましたが、6.0Ahバッテリー販売に合わせて新たに残量表示付きのBL1830Bとしてリニューアル販売されました。

品番A-60442
電圧18V
容量3.0Ah
重量0.7kg
寸法
定価18,000円
販売年2015年
特徴低価格バッテリー

「PDC01」背負い式のポータブル電源ユニット

マキタバッテリーを背負い式電源ユニットにするアダプターがPDC01です。厳密にはバッテリーではありませんが、バッテリーの一部としてここで紹介します。

背負いカバーの中に18Vバッテリーが4本入る構造で、6.0Ahのバッテリーを4本装着すれば最大24.0Ahのバッテリーとして長時間動作が可能になります。18V×2本シリーズのアダプタを使用すれば36V電動工具も動作させられるので、幅広い製品に対応できるオールラウンダーな電源ユニットです。

PDC01単体では使用できないので注意。ユニット搭載するための同容量バッテリー4本と、18Vまたは18V×2本のアダプタを購入が必要です。

電圧18V-36V
容量18V時最大24.0Ah
36V時最大12.0Ah
重量
寸法
定価47,700円
販売年2019年
特徴電源ユニット
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「BL1820B」コンパクトサイズのスリムバッテリー

マキタのスリムバッテリーで最も容量の大きいバッテリーがBL1820Bです。

BL1820BはBL1860B/BL1830Bの半分の大きさのバッテリーで、取り回しの良さと軽さに優れているのが特徴です。スクリュードライバなどの取り回し重視の電動工具などには無くてはならないバッテリーです。

容量が少ないので充電時間は速そうですが、3.0AhのBL1830Bと同じくらいの充電時間が必要なので注意。

品番A-61715
電圧18V
容量2.0Ah
重量
寸法
定価27,200円
販売年2019年
特徴コンパクトバッテリー

「BL1850B/BL1850/BL1840」大容量バッテリーの過去モデル

マキタが過去に展開していた大容量バッテリーの過去モデルです。

これらのバッテリーが販売していたころはリチウムイオンバッテリーの容量増加が順調に進んでいた頃で、1~2年のペースで新たなバッテリーが展開されていました。

現在は、コストパフォーマンス的にも6.0Ahでバッテリーが最も優れているので、あえてこれらのバッテリーを購入する必要はありません。処分セールなどで格安販売されていたら購入を検討する、程度の認識でOKです。

電圧18V
容量4.0-5.0Ah
重量
寸法
定価
販売年2013-2015年
特徴過去モデル

脚注

  1. 急増!非純正リチウムイオンバッテリーの事故~実態を知り、事故を防ぎましょう~
  2. 電気用品安全法の技術基準解釈通達の一部改正 電気用品整合規格検討ワーキンググループでの検討状況
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