電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年1月に40Vmaxシリーズ 充電式インパクトドライバ TD002Gを発売する。希望小売価格は28,200円(税抜)。打撃部に2種のコンプレッションスプリングを搭載するデュアルスプリングテクノロジー(DST)を新たに搭載し打撃動作時のフィーリングが向上する。別売の通信アダプタ ADP11の装着によりスマホアプリを使ったBluetooth通信の動作カスタマイズにも対応する。
目次
マキタ 充電式インパクトドライバ TD002G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2021年1月に40Vmaxシリーズ 充電式インパクトドライバ TD002Gを発売します。希望小売価格は28,200円(税抜)。
打撃部に2種のコンプレッションスプリングを搭載するデュアルスプリングテクノロジー(DST)を新たに搭載し打撃動作時のフィーリングが向上。別売の通信アダプタ ADP11(A-73879)の装着によりスマホアプリを使ったBluetooth通信の動作カスタマイズに対応します。
最大締結トルクは220N・m、スマホアプリの初期プリセットで170N・m/180N・mクラスモードに変更でき、カスタマイズした設定はスマホアプリ上最大10件登録可能です。
販売仕様はバッテリー充電器付属のTD002GRDXと本体のみのTD002GZの2仕様で販売します。
- TD002GRDX バッテリーBL4025×2本・充電器DC40RA・ケース付属 希望小売価格73,000円(税抜)
- TD002GZ 本体のみ 希望小売価格28,200円(税抜)
製品仕様 (前機種 TD001G比較)
製品名 | TD002G | TD001G |
---|---|---|
外観 |
||
能力(小ねじ) | M4~M8 | |
能力(普通ボルト) | M5~M16 | |
能力(高力ボルト) | M5~M14 | |
能力(木ネジ) |
22~125mm | |
最大締付トルク | 220N・m | 200N・m |
無負荷回転数 | 0~3,700min-1 | 0~3,700min-1 |
打撃数 | 0~4,600min-1 | 0~4,400min-1 |
防水防じん | IP56 | |
LED | 4灯 | 2灯 |
カラー | 青・オリーブ・黒 ・黄・紫 |
青・オリーブ・黒 ・赤・紫 |
重量 | 1.6kg | 1.6kg |
寸法 | 119×86×247mm | 120×86×245mm |
本体価格 | 28,200円(税抜) | 26,200円(税抜) |
販売年月 | 2022年1月 | 2019年10月 |
前機種 TD001Gの情報はこちら
製品の特徴
「デュアルスプリングテクノロジー採用」
インパクトドライバの打撃部に硬さの異なるスプリングを2種搭載するデュアルスプリングテクノロジー DSTを搭載。
1つ目の柔らかいスプリングで素早く打撃を始め、2つ目の硬いスプリングでより強力に打撃を行い、低反動によるカムアウト低減と締付スピードを約10%向上します。
DSTの採用により締結トルクはマキタ史上最高の220N・mを達成、コーススレッドの締結から金物用ビスの締付まで幅広い作業に対応します。
Bluetooth通信で動作モードをカスタマイズ
スマホアプリによるBluetooth接続に対応。TD002Gの動作をカスタマイズして自分好みのフィーリングに合わせた最適な設定が可能です。
アプリ上の設定できる項目にはLEDライトの点灯動作をはじめ、打撃モード・木材モード・テクスモード・ボルトモードにそれぞれ調節できる各パラメータが用意されています。
動作モード毎の個別にカスタマイズできるパラメーターは以下の通り。
スマホアプリでカスタマイズを行うためには別売の通信アダプタ ADP11(A-73879)が必要です。現時点で標準付属仕様は販売されておらず、単体販売のみで購入できます。
Bluetoothカスタマイズ時のみ通信アダプタ ADP11を装着し、普段の運用ではアダプタを外して使用します。設定したカスタマイズの情報はインパクトドライバ内に保存され、通信アダプタを装着しなくてもカスタム動作をモード指定できるようになります。
迷彩シボ加工ハウジング
カタログ写真ではシンプルな見た目のインパクトドライバに見えてしまいますが、現物を実際に見てみると、意外とかっこよく見えるインパクトドライバです。
実際に手にしたときに際立つのが、ヘッド部上部に施された迷彩シボ加工です。
シボ加工とは樹脂製品に規則正しいシワのような加工を加えることで見た目を良くする表面加工です。TD002Gでは新たに採用した迷彩シボによって、エラストマに変わる新たな意匠性の向上を実現しています。
4灯LEDを搭載
ヘッド先端のLEDが2灯から4灯に増加。影ができずにしっかり見えます。
IP65適合のプラスチックケースが付属
防じん防水IP65に適合するプラスチックケースが標準付属(TD002GDRX仕様のみ)。通信アダプタADP11も収納可能。
防じん防水保護等級IP56に適合
防じん防水保護等級IP56に適合。粉じんの舞う作業場や屋外作業での急な雨天にも安心です。
HiKOKI コードレスインパクトドライバWH36DCとの違い
フラッグシップインパクトドライバで競合するモデルはHiKOKI コードレスインパクトドライバWH36DCです。
カタログスペックの比較ではほぼ同等の仕様を備えており、インパクトドライバそのものとして大きな違いはありません。
締結トルクはTD002Gが僅かに優位ですが、この辺りのパワー表記は参考値の1つでしかありません。コーススレッドの締結作業においては締結トルクと締結スピードとの相関が無いケースもあり得るため、あまり気にしなくても良いと考えています。
実用上比較すべき点は、実際に手に取って使った時のフィーリングの感じや製品価格・バッテリーシリーズの製品数になるでしょう。
TD002Gは製品仕様と価格を見るだけでは良い点が分かりにくいので、実際に触った時のDSTのフィーリングや40Vmaxの今後の展開にどこまで期待できるかです。
単純な価格比較では中国生産に切り替えて低価格化したWH36DCが圧倒的に優位であり、バッテリーのバラマキ販売等のキャンペーン戦略も含めコストパフォーマンス的に優れるWH36DCがおすすめです。
製品名 | マキタ TD002G | HiKOKI WH36DC |
---|---|---|
外観 |
||
能力(小ねじ) | M4~M8 | |
能力(普通ボルト) | M5~M16 | |
能力(高力ボルト) | M5~M14 | |
能力(木ネジ) |
22~125mm | |
能力(テクスネジ) | – | 3.5~6mm |
最大締付トルク | 220N・m | 200N・m |
無負荷回転数 | 0~3,700min-1 | 0~3,700min-1 |
打撃数 | 0~4,600min-1 | 0~4,400min-1 |
防水防じん | IP56 | × |
LED | 4灯 | 3灯 |
Bluetooth接続 | ADP11 | Bluetooh搭載バッテリ |
カラー | 青・オリーブ・黒 ・黄・紫 |
緑・黒・赤 ・深緑・紫 |
重量 | 1.6kg | 1.6kg |
寸法 | 119×86×247mm | 116×241×29mm (センタハイト) |
本体価格 | 28,200円(税抜) | 23,200円(税抜) |
販売年月 | 2022年1月 | 2020年9月 |
触れて見ると好印象なDST、素直に打撃が始まるインパクト
前情報ではHiKOKI WH36DCの後追い製品のように見えていたTD002Gですが、実際に触れてみて、フィーリングや外観などの部分を実感することで良い点が見えてくるインパクトドライバと言えます。見た目もカタログではモッサリした感じに見えますが、実物を見ると意外とスリムなボディに見えます。
個人的な所感ではありますが、WH18DDL2以降のトリプルハンマ搭載HiKOKIインパクトドライバはトリガーを引き始めの3打撃から1.5打撃に推移する瞬間のモーターパワー変動で手首が持っていかれる感覚が好きではないので、マキタDSTの素直に打撃が始まり振動や打撃時の浮き上がりも少なく感じるDSTの方がフィーリングとして好みです。
ただし使い勝手が向上しているとは言え、電動工具そのものとしての充電式インパクトドライバは4~5年前の時点で完成の領域に到達しています。手持ちで使えているインパクトドライバから変えてまで買い替えるのかを考えれば出費的に難しい所です。マキタ TD001GやHiKOKI WH36DA / WH36DCで満足している方は現状のインパクトドライバでも十分でしょう。
18Vユーザーの方が36V電動工具への買い替えを検討し始めているのであれば、今回のインパクトドライバをきっかけに勢いしかない40Vmaxシリーズに乗り換えてみるのも良い機会かもしれません。現状の40Vmaxシリーズは登場当初から3年が経過して十分な製品ラインナップを備えており、通常の現場作業で困ることはまず無いでしょう。
ここ最近のマキタ 40Vmaxシリーズの製品投入ペースは明らかにHiKOKIの製品開発リソースを超えており、旧日立工機からある現行18Vシリーズを入れたとしても、40Vmaxシリーズはそう遠くないうちにラインナップ数でHiKOKIの製品数を超えると予想しています。
ちなみに通信アダプタ ADP11に搭載しているUSB Type-Cポートの用途ですが、マキタ営業の方も「わからない」とのことでした。
USB PDのシンクソース両対応の充放電コントローラが入っていたらとても嬉しいのですが、インジゲーターやアダプタを手に取った時の重さから、USB PDの充放電関連の機能は搭載していないと予想してします。用途としては外部バッテリーを装着しなくてもカスタマイズをできるようにする外部入力の5V電源やアダプタ本体のファームウェアを書き換えるポートと推測してします。
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2019年10月発売
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