パナソニック ライフソリューションズ社
事業名 | パナソニック ライフソリューションズ社エナジーシステム事業部 |
本社所在地 | 大阪府門真市 |
設立 | 2012年1月1日 |
事業収益 | 非開示 |
資本金 | – |
時価総額 | 3兆1千億円(パナソニック本体) |
事業 | 配線機器・分電盤・電動工具等の製造、開発、販売 |
従業員数 | 54,330名 |
事業戦略 | 電気設備資材関連の商材として |
パナソニックの製品指向性
プロ向け電動工具 | DIY向け電動工具 | ||
プロ向け園芸機器 | 家庭向け園芸機器 | ||
空気工具 | 充電式清掃機器 | ||
アウトドア製品 | 家電製品 |
パナソニックの電動工具は他のメーカーと毛色が異なり、用途・販路など全ての要素がプロ用途に特化している電動工具ブランドです。
パナソニック電動工具の歴史は、電気工事の現場を見た開発陣による「電気工事を楽にできるツールを開発する」から始まっており1、製品コンセプトのほぼ全てが電気工事に関連する製品になっています。
これまでの傾向として、電源コード式の製品や空気工具・エンジン機器・園芸関係の製品等を開発した実績は無く、今後も電気工事関係の電動工具に絞った製品開発が進められると考えられます。
本命は電設資材、電動工具は数ある商材の1つの位置づけ
大きな組織力を持つパナソニックですが、電動工具に関わっているのは社内カンパニーライフソリューションズ社のエナジーシステム事業部内の電動工具部門の位置づけになるため、企業規模に対して電動工具の展開は比較的小規模に留まります。
電動工具そのものに関しては、ほかの電動工具メーカーと事情が異なり、電動工具以上に販売を重視している電設資材の存在があり、電動工具はその「資材の施工作業に使うための道具」のような印象が強いブランドです。
パナソニック電動工具の強みは、同社の電設資材と同じ販路に乗っている点です。そのため、電気工事関連のユーザーはパナソニック電動工具のシェアが高い傾向があります。
電気工事関連のユーザーからすれば資材と同じ販路で電動工具を購入できる利点があり、メーカーとしては実際に作業を行うユーザーからの声も反映しやすいため、現場と資材開発の意見両方を吸い上げた使い勝手に優れた製品を輩出しています。
ただし、電動工具の製品ラインナップは電設資材に関連する製品が多く、アウトドアや災害時の用途でも活用しようと考えてるDIYユーザーにとっては物足りなくなるブランドなので注意しましょう。
国内ブランドとしては最も技術力が高い
パナソニックは家電メーカーと電設資材メーカーの側面も持ち、日本国内の電動工具事業としては最も恵まれた立場にいるブランドです。
例えば、キーレスチャックやマルチインパクトなど世界初となる技術の開発、自社開発のリチウムイオンバッテリー搭載による高い性能・安定性やベクトル制御を搭載するブラシレスモーターの搭載2するなど、日本国内の電動工具ブランドとしては最も高い技術基盤と開発力を持っています。
しかし、パナソニック本体の意向としては、電動工具を電材に関する1商材としか捉えていない節があり、大企業故の展開の遅さなども含め、電動工具市場のポテンシャルを生かしきれなかったブランドであると考えています。
筆者は、もしパナソニックが充電式製品市場に本腰を入れて充電式製品に対して製品開発を積極的に行っていたならば、その技術力とパナソニックブランドの強さから、現在のマキタは今ほどの企業拡大を成し得ることはできなかっただろうと考えています。
パナソニックは本体の改革に伴う事業再編中
パナソニックの企業体制は、2003年にドメイン制、2013年にカンパニー制を導入しており、常に企業構造改革を行っているメーカーです。来年の2022年には持株会社制への移行を予定しています。
持ち株会社移行後のパナソニック電動工具ブランドは、新たに設立される「パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社」に継承されます。
パナソニックの事業再編発表と時を同じくして、パナソニック電動工具は新たな電動工具ブランド「EXENA」を立ち上げました。この新ブランドからパナソニック電動工具の方針も若干の変化があるのかもしれません。