
エンジンカッターは大型の石材・鋼材の切断作業に使う工具

エンジンカッターは石材や鋼材など難切断材料の切断に使用する切断工具です。
大径切断ディスクと高出力エンジンを搭載し、電源を確保しにくい屋外で高い切断能力を発揮します。充電式で対応できる作業もあるため、必要な切込み深さや作業量、燃料補給・充電の環境に合わせて選びます。
主にインフラ関連設備の施工や解体作業などの高い切断能力を必要とする作業に用いられます。コンクリート製の水道管やU字溝などの切断に使用する事が多く、電源を確保しなくても使用できる利便性から屋外作業を中心に広く使用します。
水で冷却しながら切断する湿式切断にも対応するので、切断ディスクの長寿命化や機械の負荷に配慮した作業ができます
エンジンカッターの特徴と他切断工具との違い
エンジンカッターとディスクグラインダの違い
エンジンカッターは切断を行う工具のため、用途としては切断砥石を装着したディスクグラインダーと同じ作業を行うことが出来ます。
エンジンカッターを使用するメリットは、「エンジン搭載による高い切断能力」「カバー・ハンドル搭載による安全構造」「電源不要」「湿式切断対応」などがあり、主に電源のない屋外での高出力切断が必要な用途に使用します。

救助資機材としても使われるエンジンカッター
エンジンカッターは高い切断能力を持つため災害救助用途にも使われます。
木材から鉄筋コンクリートのような複合材まで幅広い切断材料に対応できるので、瓦礫の除去や閉じ込められた場合の切断撤去などに用いられます。
救助・撤去作業専用のエンジンカッターも販売されており、新ダイワからはレスキューカッターEC7412S-R、ハスクバーナからはK770 Rescue、そして三京ダイヤモンドからは災害救助用 レスキューカッターも販売されています。
脱エンジンによってバッテリー化も進む
世界的に排ガス規制や環境問題による脱エンジン化の流れが加速しており、エンジンカッターもその影響を受けてバッテリーモーターを搭載する製品も展開されています。
これらの製品は、エンジンを搭載していないためパワーカッターやバッテリーカッターなどの名称で呼ばれています。パナソニックはチップソーカッターをパワーカッターと呼称しているため、呼び間違いに注意しましょう。
充電式は230mm級に加え、355mmの大径ディスクに対応する製品も登場しています。バッテリーを装着するだけで使え、燃料管理が不要という利便性もあります。必要な切込み深さや1充電当たりの作業量、予備バッテリーの準備を含めて選ぶことが大切です。
代表的な製品では、マキタ CE090DZ パワーカッタやハスクバーナ K535i バッテリーカッターが販売されています。
エンジンカッターの選び方とカタログスペックの見かた
ディスク径
エンジンカッターの最大切断サイズはディスク径に左右されます。
一般的には305mm対応品が最も普及していますが、それより大きい355mmに対応するエンジンカッターも販売されています。
概ね305mmディスクの最大切断深度は100mm、355mmディスクの切断深度は125mmです。
U字溝などの切断であれば305mm品でも対応できますが、太径パイプなどの切断作業では355mmなどが必要になる場合もあるので、実際の作業で求められる切断径のサイズからディスク径を選びましょう。
出力(排気量)
エンジンカッターの切断性能を左右するのがエンジン出力(排気量)です。
排気量が大きくエンジン出力が大きい製品ほど快適に切断できますが、各社エンジン出力に大きな違いは無いため、そこまで重要な項目ではありません。
燃料
混合燃料を使用する2サイクル式では、機種に指定されたガソリンと2サイクル用オイルを、指定の混合比で調合します。混合比を示す「50:1」はガソリン:オイルの順です。1一方、本記事の新ダイワECL7412S-CDは分離潤滑式なので、レギュラーガソリンと機種に指定されたエンジンオイルを別々の専用タンクに補充します。混合燃料を事前に作る必要はありません。
製品によっては、4サイクルの混合燃料不要のエンジンカッターも販売されています。
湿式切断対応
エンジンカッターはダイヤモンドディスクを使った湿式切断にも対応します。
石材などの難切断材料にはエンジンカッター本体の負担を減らしたりディスクの寿命を延ばす目的のために湿式切断を必須とする場合もあるので、湿式切断に対応できるか確認するのがおすすめです。
エンジンカッター オススメ製品ピックアップ
エンジンカッターは園芸機器メーカーや電動工具メーカー等から販売されていますが、電動工具メーカーのマキタ・HiKOKIの2社はエンジン機器製造の撤退23を表明しています。
今から新しくエンジンカッターを購入するなら、現在も生産を継続している新ダイワ・Husqvarna・STHILなどのエンジン機器メーカーの製品がおすすめです。
バッテリーで動作するパワーカッターにも、ディスク径355mm・最大切込み深さ127mmに対応するマキタCE001Gのような大径モデルがあります。充電式が使えるかどうかは、切込み深さ、切断する材料、作業量と充電環境で判断しましょう。燃料の補給で作業を続けるエンジン式と、予備バッテリーや充電を組み合わせる充電式では運用方法が異なります。
新ダイワ ECL7412S-CD
やまびこのエンジン機器ブランド 新ダイワのエンジンカッターがECL7412S-CDです。
新ダイワのエンジンカッターは、ガソリンとオイルをそれぞれの専用タンクから自動混合してエンジンに供給する分離潤滑方式を搭載するのが特徴です。混合燃料を作る手間が無いので使い勝手に優れています。
さらに、タンク残量がわかるスケルトンタンクや粉じんからエンジンを守る4ステージエアクリーナシステムなど、細かな部分の使い勝手も考えられたエンジンカッターです。
| ブレード径 | 300mm | 最大切断深さ | 110mm |
| 燃料 | レギュラーガソリン(分離潤滑) | 燃料タンク | 700mL |
| 排気量 | 73.5 | 出力 | kW |
| 寸法 | 721×248×381mm | 重量 | 10.2kg |
ハスクバーナ K770 12インチ
ハスクバーナのエンジンカッターオールラウンドモデルがK770です。
SmartTension™機能(内蔵のテンションスプリング) により、ベルト張りの調整がセミオート化されメンテナンス性を向上し、軽量なボディと優れたパワーウェイトレシオを実現したモデルです。
抜群の低振動性(2.5m /s2以下)により身体的疲労を低減しているのが特徴で、カッティングラインに沿った理想的な切断を実現します。
| ブレード径 | 350mm | 最大切断深さ | – |
| 燃料 | 混合燃料 | 燃料タンク | 700mL |
| 排気量 | 73.5 | 出力 | 3.9kW |
| 寸法 | 605×225×415mm | 重量 | 10.1kg |
マキタ CE090DZ パワーカッタ
バッテリーに対応するパワーカッタがマキタ CE090DZです。
マキタ18Vバッテリーに対応するのでほかのマキタ電動工具との運用が可能で、重量も6.2kgと取り回しに優れるボディによって手軽に切断作業を行えるのが特徴です。
切断深さも88mmまで対応しておりU字溝(呼360B)を一発切断できるので、公共設備の施工作業から解体作業まで幅広い作業に従事できます。
| ブレード径 | 230mm | 最大切断深さ | 88mm |
| バッテリー | 18V×2 | 1充電作業量 | コンクリート7.8m |
| 排気量 | – | 出力 | -kW |
| 寸法 | 554×241×283mm | 重量 | 6.2kg |
マキタ CE001G 355mm充電式パワーカッタ(大径モデルの例)
大径の充電式モデルの例が、2022年に登場したマキタCE001Gです。40Vmaxバッテリー2本を使う80Vmax仕様で、ディスク径355mm、最大切込み深さ127mmに対応します。
コンクリートの切断で深い切込みが必要な作業や、燃料を管理せずバッテリーで運用したい現場に向くモデルです。40Vmaxシリーズのバッテリーを活用できます。仕様と特徴はマキタCE001Gの製品解説で紹介しています。
ハスクバーナ K535i バッテリーカッター
ハスクバーナが販売するカッタがK535i バッテリーカッターです。
バッテリーはハスクバーナの36Vシリーズに対応する36V/9.6Ahのバッテリーに対応しており、日本で購入できるパワーカッター用のバッテリーとしては最大容量を誇ります。
ハスクバーナのバッテリーシリーズは園芸機器とも共通なので、さまざまな機器に使用することができます。
| ブレード径 | 230mm | 最大切断深さ | 76mm |
| バッテリー | 36V | 1充電作業量 | – |
| 排気量 | – | 出力 | 1.2kW |
| 寸法 | – | 重量 | 3.5kg(バッテリー抜き) |
記事内で紹介したアイテム
脚注
- 例えば、K770の取扱説明書(英語版、2024年5月改訂)は、ガソリン:2サイクル用オイル=50:1を指定しています。機種・販売地域・使用オイルに対応する取扱説明書の指定に従います。
- マキタ、エンジン製品の生産終了を発表
- 工機ホールディングスは電動工具及び空気工具に注力します|工機ホールディングス












