安価なディスプレイはVESAマウント用の穴がないことが多いので、ディスプレイアームが取り付けられません。そこでディスプレイを分解改造してVESAマウントを取り付けられるようにしてみました。
モニターアームを使うとディスプレイを手早く動かして片づけたり、姿勢に応じて位置や角度を簡単に調節できたりと、パソコンデスクの環境を大きく改善することができます。
が、この2012年くらいに購入した格安ディスプレイ、両方ともVESAマウントがついてないからアームがつけられない。
どうしても作業環境を広くしたくてVESA穴が付いてる24インチへの買い替えも考えたけど、アーム含めてディスプレイ二台も同時に買うなんて無理
んで、なんかいい方法ないかなーと思ってネットを検索してみると…
「VESAが無い」は甘え。(参考:VESAマウントが無い液晶をVESAマウントする│SEF)
なるほど、甘えか…
早速ディスプレイをバラシてVESA穴つけるかー。と偉大なる先人者様を参考にノリだけで行った改造もうまくいったので、VESA非対応のディスプレイにVESAマウントを付けた方法なんかを紹介したいと思います。
目次
つくりかた
揃えるもの
- 鉄製の平角棒 厚さ2mm以上(ちょっと大きめのホームセンターに売ってます)
- 鉄工ドリル Φ3.5mm(推奨はΦ3.3mm)
- タップ M4×0.7
- マイナスドライバー×2
- グラインダ (鉄が切断できれば何でもOK、ホームセンターでカットしてもらえるなら不要です)
- ボール盤 (鉄に穴が開けばなんもいいです、手持ちの電動ドリルとかでも可)
VESAマウント取り付け金具の作成
VESA穴を取り付けるための取り付け金具を作ります。この鉄の棒に穴を開けた後、ねじ山を切ってディスプレイの裏に張り付けてVESAマウントが取り付けられるようにします。
まず、材料となる鉄製の平角棒をホームセンターから買ってきました。VESA100(100mm四方の企画)に使われるM4ネジは1山あたり0.7mmピッチなので、ねじ山が3つくらい切れるよう2mm以上の板厚が必要です。
鉄棒の切断
ホームセンターで売っていた鉄棒は1Mの物だったので、これをちょうどいい長さに切断します。
切断には100mmのコードレスディスクグラインダG14DSLとグラインダースタンドを使って11cmの長さに切断しました。
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ネジ切り加工
ネジ穴を切るためにボール盤で穴を開けてタップでねじを切っていきます。
下穴を開けるのには鉄工ドリルを使います。本来M4タップの下穴はΦ3.3の穴を開けなけらばいけないらしいのですが、別に精度や強度はいらないのでΦ3.5の鉄工ドリルを使って穴を開けました。
穴が開いたらタップを使ってねじを切っていきます。タップは折れやすいので材料に対して垂直にまっすぐねじ込んでいきます。
ディスプレイへの取り付け金具の埋め込み
ディスプレイの分解
取り付け金具が完成したら次はディスプレイの分解です。
液晶ディスプレイのはめ込みされているところはたいていの場合ツメなので、端っこからマイナスドライバーを突っ込んでこじ開けていけば開けることができます。
綺麗に開けることは難しいので傷がつくこと前提で少しづつ開けていきます。
取り付け金具の貼り付け
ディスプレイのふたが開けられたらVESAマウントに合わせて穴を開けます。
穴を開けたら、最後にディスプレイの真ん中に接着剤で取り付け金具を固定します。接着剤にはセメダインスーパーXを使いました。
アームへ取り付け
まとめ
今回、正直なところを言ってしまえば、裏側にナットを仕込むだけでも同じことはできましたが、ナットだけだと強度の不足やディスプレイ内部での脱落が怖かったので、鉄製の平角棒を加工してVESAマウントを作るところから始めました。
ちょっと手間はかかりましたが、鉄棒切って穴開けただけですし、取り付け後の安定感も抜群なので結構よくできたと思います。作った今となっては鉄じゃなくてアルミ板で作ってもよかったかな?と思いますがやはり強度や値段を考えると鉄ではないでしょうか。
使っているディスプレイアームはエルゴトロンのLXデュアル デスクマウントアームスタッキングです、改造してから一年近く経っていますが、ディスプレイの破損や表示の異常などは全く発生せず問題なく使えています。
大抵の液晶ディスプレイは同じ方法でマウントを仕込むことが可能だと思いますが、傷を付けずに分解することや超極薄のディスプレイ、あと淵が小さいディスプレイなどの改造は非常に難しいので注意してください。