電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市) は2021年10月に充電式ダストブロワ AS001Gを発表した。40Vmaxシリーズ対応の小型ブロワで最大風速200m/sを備えるのが特徴。吹き出し機能のほか、アタッチメントによる吸込み作業にも対応する。本体希望小売価格は24,200円(税抜)
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マキタ 充電式エアダスタ AS001G
電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は2021年10月に40Vmaxバッテリー対応の充電式ダストブロワ AS001Gを発表しました。本体のみの希望小売価格は23,000円(税抜)
コンパクトサイズの送風機ながら最大200m/sの風速を備え、電動式の送風機としてはトップクラスの風速出力を備えるのが特徴。豊富なアタッチメントによるさまざまな送風作業に対応し、吸込みアタッチメントを装着すれば吸気作業にも対応します。
販売仕様は、バッテリBL4025×1、充電器DC40RA、ケース付のAS001GRDと本体のみのAS001GZで展開。
- AS001GRD バッテリBL4025×1、充電器DC40RA、ケース付 希望小売価格58,800円(税抜)
- AS001GZ 本体のみ 希望小売価格24,200円(税抜)
AS001G製品仕様 (充電式ブロワ UB185D比較)
製品名 | AS001G | UB185D |
---|---|---|
外観 | ||
平均風速 | 163m/s | 81m/s |
最大風速 | 200m/s | 98m/s |
風量 | 1.1m3/min(ノズルなし) | 3.2m3/min |
最大風圧 | 29.7kPa | |
重量 | 1.5kg | 1.8kg |
寸法 | 180×94×300mm | 517×156×210mm |
カラー | マキタブルー | |
本体価格 | 23,000円 | 11,900円(税抜き) |
販売年月 | 2021年10月 | 2020年3月 |
製品の特徴「コンパクトサイズで風速200m/s」
AS001Gはコンパクトサイズながら最大200m/sの高い風速を備える電動ブロワです。
一般的な電動ブロワや小型電動エアダスタより鋭い風を出せるので、フィルターに絡まったホコリの除去や細かい部分の清掃作業など風の勢いが必要な清掃作業に対応できます。
アンカーノズルからエアダスターまで幅広い用途に対応
アタッチメントの交換によって、エアダスタからブロアの用途まで幅広い使い方に対応できます。
アンカーノズルやフレキシブルノズルもあります。
吸い込みアタッチメントの装着で空気抜きも
AS001Gの後方に吸込みアタッチメントを装着すれば吸引作業にも使用できます。
プール用具の空気抜きから布団圧縮袋など娯楽用品や日用生活品にも活躍できます。
AS001Gの実機レビュー【11月28日追記】
今回の製品解説ではAS001Gの実物を手配できたので、アウトドア用途を中心に製品レビューもお伝えします。
使用バッテリーはBL4025(36V-2.5A)です。たき火の火おこしやテントの清掃・ホコリの吹き飛ばし等に頻繁に使用していましたが、バッテリーの消費はほとんど無くBL4025一本で事足りました。
吹き飛ばし性能は十分
テントや各種ギヤに付着した水・ホコリ程度なら問題なく払うことができます。
上にカラビナを付けられるのは良い
AS001Gの本体上部にはフックを取り付けられる金具があります。
カラビナを取り付けるだけなら腰取付用のフックでも良いんですが、ねじ止めで固定するベルトフックを運搬時の固定に使うには不安があります。見栄え的にも本体上側のこちらの方が良いのでこの構造は結構気に入っています。
吸込ホースを使った吸引は強力
AS001Gの吸込みホースとラバーアタッチメントを併用すると空気吸込みの作業にも対応できます。カタログスペック上の真空度は10.3kPaとそこら辺の掃除機よりも高い値を持つので、強力に空気を抜いてくれます。
検証では、スプリング入りの薄型マットレスを3つに折り畳んだ状態で布団圧縮袋に入れて空気を抜いていきます。AC100V動作のキャニスター型掃除機でも上に乗って潰しながら空気を抜かないと苦戦する大物です。
小さいサイズながらもガンガン空気を吸い出してくれて、ラバーカップを当てているだけの概ね40秒程でマットレスの圧縮が完了できるほどのパワーがありました。
HEPAフィルタは非常に有用、ホコリが舞う場所でも使用しやすい
HEPAフィルタ内蔵のフィルタCに付け替えると、細かい異物の浸入を防げます。
屋外で使用すると灰やチリなどが舞うことも多く、本体内部にゴミが入ることもありますが、フィルタCを装着すれば気にせず使用できるようになります。
風の勢いの低下についても実用上は気になるほどではなかったので、フィルタの詰まりが気にならないのであれば常につけておくのがおすすめです。
ブロアとしてはサイズ相応、土・芝に使うなら園芸用ブロワを
AS001Gは分類上エアダスタですが、ブロワのような使い方もできます。
ただし園芸用ブロワは風速と共に風量も求められるので、風量が少ないAS001Gだと広い範囲を払ったり落ち葉を集めるような作業は苦手です。
コンクリート床の清掃吹き飛ばし程度なら対応できますが、土・芝への吹き飛ばし作業には園芸用ブロワを使用しましょう。
無段変速レンジが小さい
トリガー操作で風量を調節できる変速機能を搭載していますが、変速域が小さくトリガースイッチ採用の意味がほとんど無いのが残念な点です。
エアダスターやブロワの代わりとして清掃作業であれば問題はないのでしょうが、焚き火への送風やソフトビニールの空気入れでは「ちょい引き」くらいの送風レンジも欲しくなります。トリガースイッチを採用しているので、インパクトドライバくらいのダイナミックな変速レンジにしてほしいです。
この辺りは次期モデルでの改善やモード追加に期待です。
HiKOKI 充電式ブロワRB36DBとの違い
バッテリーで動作する小型のブロワを加えるとAS001Gと類似する製品は数多くありますが、競合する製品として最も近いのが2021年3月発売のHiKOKI RB36DBです。
製品スペック比較では風量が同じで最大風速が約2倍なAS001Gの方が高性能に見えるものの、AS001GとRB36DBの風速は共にノズルを装着した時の風速値をカタログスペックとして記載しており、AS001Gに関しては先端ノズル径Φ7mmと細いノズルで測定値を記載しています。
ノズル形状に合わせたファン構成の違い等による静圧の違いなどはありそうですが、動作電圧や製品重量・寸法・動作時間等を比較すると違いは無く、送風機そのものとして使用する場合には大きな出力差は無いと予想します。
本体価格では2倍近い価格差があるので、マルチボルトシリーズを持っている方であればコストパフォーマンスの点でRB36DBが優位です。
両モデルで最も異なる点は本体形状や付属品の有無なので、実際の使用シーンを考えて選ぶのが良いでしょう。
製品名 | AS001G | RB36DB |
---|---|---|
外観 | ||
平均風速 | 163m/s | 83m/s |
最大風速 | 200m/s | 102m/s |
風量 | 1.1m3/min(ノズルなし) | 1.2m3/min |
最大風圧 | 29.7kPa | – |
吸い込み | 〇 | × |
バッテリー | 40Vmax | マルチボルト |
ノズル | 9種+吸込み1種 | 1種 |
別売ノズル | 9種 | アンカーノズル |
重量 | 1.5kg | 1.4kg |
寸法 | 180×94×300mm | 320×224×96mm |
カラー | マキタブルー | 緑 黒 |
本体価格 | 23,000円 | 13,000円(税抜) |
発売年月 | 2021年10月 | 2021年3月 |
用途が明確ならおすすめ、過度な期待は禁物
エアダスターとしては、他社製電動エアダスターやDME・炭酸ガス系のエアダスター缶とは比べ物にならない程使い勝手に優れた良い製品です。これまでホースを無理して引っ張ってきたり、定点でしかエアダスターを使うことができなかったりするシーンにおいてはAS001Gの使い勝手を最大限生かすことができます。
ただしAS001Gはあくまでも送風機なので、コンプレッサーのエアガンと比べると劣る面もあるので過度な期待は禁物です。風圧が欲しい方はコンプレッサー、風量重視の方は園芸用ブロワをおすすめします。
ちなみに、マキタの充電器・バッテリーセットの販売仕様品全般に言えることですが、ブローケース付属の製品は、製品本体の大きさに対してケース寸法が大きくなってしまいがちなのが欠点です。せっかくインパクトドライバに近いデザインの製品なので、マックパック付属仕様にするかインジェクション成型ケースにして収納ケースもコンパクトにしてほしいところです。
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