今回紹介する機器は、テレビに接続するフロントサラウンドシステム”サウンドバー”です。近年手軽なサウンド機器として人気を集めているサウンドバーですが、今回は低価格ながらスペックに優れたサンワサプライの「サウンドバースピーカー 400-SP081 」をレビューします。
目次
迫力のある重低音を手軽に楽しめるサウンドバー
現在のテレビは薄型化とベゼルの狭化が進んでフラットなデザインのテレビが多くなりました。フラットなデザインのテレビは見た目的にシンプルデザインで良いわけですが、スピーカーの設置スペースは小さくなって、スピーカーも小型化薄型化されるようになりました。当然こうなると、テレビからは迫力のある重低音が消えていきます。
もちろん「薄型テレビは音質が悪い」と断定する訳ではありませんし「こんなに薄いテレビでも重低音は感じられる!すごい!」と感動する点もあるわけなんですが、いざ本当のウーファーを搭載したサウンドシステムと比較してしまうとやはり物足りなさを感じてしまうわけです。
そんな隠れたニーズを満たす機器として注目されているのが”サウンドバー”と呼ばれる細長い形状のスピーカーユニットです、最近では”フロントサラウンドシステム”とも呼ばれているそうです。
サウンドバーは細長いキャビネットの中に複数のスピーカーやサブウーファーなどを内蔵しており、テレビに搭載された薄型のサウンドユニットでは再現できない立体感と重低音を出力できる機器として注目されています。
高音質化と省スペースの両立を実現
「サウンドバーって音が出るだけでしょ?」と思う方も多いと思いますが、サウンドバーがこれまでの外付けスピーカーとして異なる特徴として下記の3点が挙げられます。
・一般的なサラウンドシステムに比べて設置が省スペースで済む
・スピーカーが大きく出力が高いので音の再現性が良くなる。特にサブウーファーによる重低音強化が大きい
・Bluetoothスピーカーとしても使用できる
リビングに設置する「マルチメディアを集約できるスピーカー」としての一面も持たせられるのもサウンドバーの1つのメリットです。
本格的なサウンドシステムを組めばそれ相応の音質を得る事ができますが、アンプやらスピーカーの配線やらで煩雑になって導入の難易度も上がってしまいます。サウンドバーはテレビの前に置くだけで十分なマルチメディア環境を構築でき、必要なものがオールインワンで全て入っているので設置も運用もカジュアルに済むのが大きなメリットです。
低価格ながら多様な接続に対応し性能も十二分な400-SP081
今やサウンドバーは色んなメーカーから販売されていて様々な種類があるわけですが、今回レビューするのはコンピュータ・パソコンサプライ製品メーカーとして有名なサンワサプライのスピーカーバー “400-SP081” です。
・横670mm×高さ82mm×奥行き105mm
・約2.4kg
・60W出力の2.1chサウンドバー
・フルレンジスピーカー24W(6W×4)+サブウーファー36W(18W×2)
・バスレス型フルレンジスピーカーシステム
・Bluetooth接続に対応
・入力は光デジタル、RCA(紅白プラグ)、AUX接続(3.5mmミニプラグ)に対応
・リモコン付属
・同スペック帯の製品としては1万円前半と安価
この”400-SP081″ は様々な信号入力に対応しており、光デジタル、RCA(紅白プラグ)、AUX(3.5mmミニプラグ)、Bluetoothと多彩な信号入力に対応しており音源環境を選ばないのが特徴です。
サウンド面での特徴としては「フルレンジ」×4と「サブウーファー」×2の構成になっている点が挙げられます。この価格帯のサウンドバーの構成としては「ツイーター+ウーファー」の組み合わせで2.0chとし、バスレフポートを0.1chとする構成がみられる中、フルレンジスピーカー2.0chとして、サブウーファーを0.1chとした構成は少し珍しいかなと思います。(この解釈は誤っているかもしれません)
同価格帯の他社品ではサブウーファーを搭載していない2.0chも多いので、スペック面としてもコストパフォーマンスが高いサウンドバーと言えそうです。
映画や海外ドラマの迫力ある重低音を堪能できる
この”400-SP081″で注目したい点こそ、やはり「重低音」です。サブウーファー36Wの構成はテレビ搭載のスピーカーでは到底実現できない音域であり、映画や海外ドラマの音源は普通の地デジ番組より重低音の割合が多いので、サウンドバーの実力を確認するのにはピッタリな音源です。
“400-SP081″には3種類のサウンドモードを搭載しているので、早速「映画モード」に変更して試聴してみます。このモードでは重低音がハッキリと強化され、アクションシーンの魅力を増す低音域の広がりや、広大なシーンを盛り上げるBGMなどがシッカリと強化され、テレビのスピーカーとは比べ物にならない臨場感を体感できます。
特に、36Wのウーファーから出る低音はテレビに搭載されるスピーカーとは比べ物にならない迫力を生んでおり、さながら映画館でしか体感できないような重低音を体で感じる事ができます。また、テレビ搭載のスピーカーは下側は裏側に搭載されているため、音は拡散してしまいますが、”400-SP081″はフルレンジスピーカーが正面に向いている点もあり、役者が発する言葉も自然に感じる事ができました。
RCAやBluetooth接続でオーディオスピーカーとしても実力十分
次に、iPadのBluetoothペアリングで音楽の再生能力も試してみます。最近はAmazon Music UnlimitedやApple Musicなどの聞き放題音楽ストリーミングサービスも増えたので、音楽に触れる機会はとても増えたと思います。
iPadもiPadで本体スピーカーの割にちゃんと低音を感じるのですごいな、とは思っていたんですが、やはりちゃんとしたウーファー搭載のスピーカーと直接比較する事は出来ませんでした。低音は勿論のこと、高音域に至るまでスマホ搭載のスピーカーやヘッドホンで聞くのとではまるで違う音の広がりを感じる事ができます。特に”400-SP081″で音楽を再生していて一番驚いたのが「この曲にはこんな音も入ってたんだ!」と気づいた点です。
スマホのスピーカーやイヤホン、小形Bluetoothスピーカーの小さいドライバユニットは中音、高音域の表現が強く低音域の表現が難しいのですが、”400-SP081″で音楽を聴くとその低音域も確実に再生され、今まで気にしなかった部分のメロディもしっかり再生されます。
この部分が強すぎると違和感にもなってしまいますが、サウンドモードを「音楽モード」にして再生する事でバランスの良い高音質な音楽を視聴する事ができます。
価格以上の性能を持つお手軽な「ハイコスパ」サウンドバー
サンワサプライはパソコン周辺機器メーカーなので、オーディオメーカーの製品と比較するとブランド力は低いかもしれませんが、この”400-SP081″のスペックはサウンドバーとしての実力は十分であり、販売価格も1万円前半と非常にコストパフォーマンスが高いのも特徴です。テレビスピーカーとしての使用の他にも、プロジェクターとの併用やパソコンスピーカーとしての活用など、様々なシーンに使えるのも見逃せません。
特に音楽配信サービスの音楽再生では、イヤホンや小型のBluetoothスピーカーで済ませてしまう事も多いですが、省スペースに設置出来て、手軽なオーディオ再生機器としても実力が高い”400-SP081″はコスパに優れているお勧めな製品と言えそうです。
残念ながら”400-SP081″ はテレビ電源と連動するARCには対応していないものの、ARCはテレビ側にも対応が必要となり、対応しているテレビも多くはないので、実際にはARCを搭載していても使えないユーーザーも多いと思われます。
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