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2024年7月7日

インパクトドライバとは【工具の特徴・選び方解説】

インパクトドライバとは【工具の特徴・選び方解説】

各電動工具メーカーが最も力を入れているの電動工具がインパクトドライバです。インパクトドライバは現場作業やDIYに欠かせない基本的な電動工具なので、大多数のユーザーが最初に購入する工具であり、バッテリーを共通で使いまわせる利便性から各社最も開発に力を入れている電動工具です。

本記事では、国内電動工具各社が販売するプロ向けのインパクトドライバの最新情報を紹介します。

電動工具ユーザーが最初に購入する電動工具

インパクトドライバとはネジやボルトの締結に使用する電動工具です。締結作業は最も基本的な作業なので、電動工具の購入を検討する場合、一番初めに購入することになる電動工具です。

プロユーザーの締結作業からDIYユーザーの日曜大工まで多用するので、最も使用頻度の高い電動工具として各電動工具メーカーは持てる限りの技術を投入して優れた性能のインパクトドライバを開発しています。

最近はバッテリー搭載によるコードレス化も進み、バッテリーを使いまわせる利便性も高いため、初めに買った電動工具メーカーと同じメーカーで揃える傾向が強く、新規ユーザーを獲得すべく最も製品開発力を注いで開発している製品です。

プロユーザーはメーカーとバッテリーシリーズを重視

「最初に買う工具だから最も優れたインパクトが欲しい」と多くの人が思ってしまいますが、インパクトドライバを含む多くの電動工具は共通化が進み切っている製品であり、メーカー毎の差異はほとんどありません

付加機能やフィーリングなどに細かな違いはありますが、実際の現場作業において「A社のインパクトじゃ作業できなかったけどB社ならできる!」なんてことはほとんど無く、実際にメーカー差によって発生する不満や要望のほとんどが「このバッテリーで使える製品をもっと出して」や「修理やアフターサポート悪くて作業が止まる」のような電動工具本体以外の環境に対するものです

プロユーザーの大半は充電器や予備バッテリーの使いまわしで利便性を上げるために、同一メーカーの同じバッテリーシリーズで製品を選ぶ傾向が強く、インパクトドライバも同じようにバッテリーシリーズを重要視して選択します。

各電動工具メーカーが独占的に展開している製品の一例。丸ノコやドリルのような基本的な電動工具ならメーカーの違いはないが、特定の製品では一社独占展開の場合も多く、行う作業によってはバッテリーシリーズから吟味しなければならない。

プロ向けインパクトドライバとは

プロ用モデルのインパクトドライバは、住宅の建築や内装工事などの大工仕事に使用する電動工具です。

工具自体の使用頻度が高いことに加え、野外や粉じんの舞う環境なども想定されており過酷な環境下でも長時間作業できるような高い耐久性を必要とされています。近年では、耐久性の他にもパワー機能やテクスモードなど制御方式にも工夫がみられ、トリガーを引いて回転するだけのDIY向けインパクトドライバとは一線を画す機能も搭載されています。

プロ向けインパクトドライバに搭載されている具体的な機能としては、メンテナンスフリーで軽量なブラシレスモーター、防水防じん規格への対応、大容量バッテリーの装着などで、住宅建設に数棟使用しても耐えられるような耐久性を備えています。

インパクトドライバー スペック(仕様)の要点を解説

バッテリーシリーズ

充電式電動工具の対応バッテリーを表しています

電動工具メーカーの充電式工具は同じシリーズの製品であればバッテリーを使いまわせるので、バッテリーシリーズ名を見て手持ちのバッテリーが使用できるが確認します。

インパクトドライバ以外の電動工具を使用する場合は、このバッテリーシリーズの項目が最も重要です。

締付トルク[N・m]

インパクトドライバの締付力の強さを表しているのが締付トルクです、単位は「N・m」で表されることが多く、この数値が大きいほど締付性能が高いことを表しています。

ただし、数値はボルト締結時の締付トルクを表しているので、木ネジ締付の速さの目安にはならず、測定方法もバラバラで、各メーカーはこの数値を過大評価する傾向も強いので、一概にこの数値だけを見て判断するのは良くありません。

回転数[min-1]

インパクトドライバを無負荷で回転させたときの回転数を表す数値です。

1分当たりの回転数「min-1」で表され、4,000min-1であれば、1分間に4,000回転することを表します。

この数値は軽負荷作業時の能力を表しており、打撃しないほどの軽負荷締結作業や、穴あけ・研磨ビット作業時の目安になります。

打撃数[min-1]

インパクトドライバに負荷が加わったときの打撃動作時の打撃数を表す数値です。

打撃数は1分あたりの打撃回数を表しており、4,000min-1であれば1分間に4,000回打撃することを表しています。

締付トルクは打撃数以外にもモーター出力やハンマー重量も影響されるため、打撃数は仕様表記上あまり大きな意味を持ちません

ヘッド長[mm]

インパクトドライバ上部のモーターとハンマ部の長さを表す数値です。

打撃数は1分あたりの打撃回数を表しており、4,000min-1であれば1分間に4,000回打撃することを表しています。

短い方が取りまわしに優れ狭所でも使用できますが、ヘッド長を最重要視する作業ではアングルインパクトの使用を検討しましょう。

防じん防水

電動工具の水や粉じんに対する強さを表します。

電動工具は電子機器なので水のような異物に弱く、屋外で使用する場合には防水対応の製品を選ぶとトラブルも少なくなります。

主な防じん防水指標は国際規格のIP規格があり、各メーカーが定める独自の防水構造もあります。

現在のインパクトは使い勝手の向上に着眼点が置かれている

ここ数年のインパクトドライバの新製品で特にアピールポイントとして目を引くのが、使いやすさの向上です。特にアピールされているのが「全長の短さ」で、今やインパクトドライバーのハンマー部は18Vバッテリーよりも短い構造になっています。

最近の新製品ではテクスモードの他にも新しいモータ制御機能が追加されており、マキタでは熟練の技を再現する「楽々モード」、RYOBIではモルタルやセメントのかく拌などに使う「ロックオンモード」など新しい機能が追加されています。

現在は、あっても使わないという方も多いモード切替機能ですが、今後、この特殊な機能が作業において必須となるのかもしれません。

今後の性能向上はバッテリーとビットの革新技術待ち

現在のインパクトドライバは性能面での伸び悩みが続いており、電動工具メーカー各社は性能に代わる新しいアピールポイントとして「使い勝手の向上」に舵を切って開発を進めています。

バッテリーやモーターの性能もインパクトドライバの性能向上を妨げる要因となっていますが、インパクトドライバの性能向上を阻む大きな理由の1つに「ビット」の存在が挙げられます

現在の6.35mmビットではこれ以上パワーを上げてもビット自体が耐えられず、単純にパワーを上げただけではビットの寿命を短くしてしまう根本的な問題があり、ビットメーカーへのトーションに続く新構造や新しい金属材料の登場が待たれています。

モード切替にメーカー独自機能

ブラシレスモータの採用により細かなモータ制御が可能になったことで、弱・中・強の制御のほかテクスネジの締め付けに適したテクスモードが搭載されるようになりました。

そして、2017年以降のモデルではメーカー独自の動作モードが搭載されるようになりました。

現在、国内工具メーカーにおいて最も多彩な機能を搭載しているのがマキタのTD171Dで8種類ものアシストモードを搭載しています。今後もソフトウェアによるモータ制御やその他操作制御など多彩な機能が追加されるものと推測されます。

製品名モード数搭載モード
マキタ|TD001G10最速・強・中・弱・木材・ボルト×3・テクス(薄)・テクス(厚)
HIKOKI|WH36DC5+αソフト・ノーマル・パワー・テクス・ボルト
RYOBI|BID-11XR5強・中・弱・テクス・ロックオン
MAX|PJ-ID152R4強・中・弱・増締め
Panasonic|EZ75A74強・中・弱・テクス

インパクトドライバーの使い方

「マキタ」製品数とアフターサポートに強い

国内1位のシェアを持つ電動工具メーカーがマキタです。他のメーカーのような尖った性能は持ちませんが、マキタ沼とも呼ばれる強力な製品シリーズ展開が大きな魅力です。

主力の18Vシリーズでは325モデルの製品ラインナップを展開しており、ユーザーのニーズを汲んだ製品開発、全国各地の直営営業所によるユーザーサポート、マキタ取り扱い店舗の多さからプロユーザーからDIYユーザーまで最も親しまれる電動工具メーカーです。

2019年から新しく展開が始まった40Vmaxについても、先行するHiKOKI マルチボルトシリーズの36V製品数を凌ぐ驚異的な製品展開が進んでおり、次期主力の電動工具シリーズとして期待されています。

18Vスライドバッテリーシリーズ「TD172D」

製品名TD172D
締付トルク180N・m (M16高力ボルト)
回転数3,600min-1
打撃数3,800min-1
保護仕様APT
バッテリー18V, 14.4V(TD162D)
寸法114×236×81mm
カラー青・黒・赤・黄・紫
重量1.5kg
発売年2021年1月
  • マキタ18Vのフラッグシップモデル
  • ダブルボールベアリングで軸ブレを低減
  • 多彩な作業モードとモード切替機能を搭載
  • ヘッド上部の薄型化で隅打ち性能を向上

マキタTD172Dは軸受け部にダブルボールベアリングを採用しビットの振れを大幅に低減しているのが特徴のインパクトです。

ハンマーケース上部のヘッド部分を極限まで薄型化することで、壁や天井にネジを打ちこむときの隅打ち性を上げ、カムアウトを抑えた作業を行えるのも大きなポイントです。

内蔵ソフトによる多彩なモード切替を搭載しており、木材モード・ボルトモード・テクスモードのような多くの作業をアシストできます。グリップを握ったままのモード切替やモードメモリー機能などもあり、動作的な使い勝手を向上したモデルです。

40Vmaxシリーズ「TD001G」

製品名TD001G
締付トルク220N・m (M16高力ボルト)
回転数3,700min-1
打撃数4,400min-1
保護仕様IP56
バッテリー40Vmax
寸法120×245×86mm
カラー青・黒・赤・紫
重量1.6kg
発売年2019年
  • マキタの高出力シリーズ40Vmaxのフラッグシップモデル
  • 性能が全体的に向上
  • バッテリーも含めたIP56による防水・防じんを実現
  • 大容量バッテリーが存在する
  • 主力のマキタ18Vシリーズには非対応

2019年から展開が始まったマキタの新たな主力シリーズが40Vmaxで、そのフラッグシップインパクトドライバがTD001Gです。

インパクトドライバの性能は従来の18Vモデルから全体的に向上し、バッテリーも含めた防水・防じん規格IP56に対応するので高い耐久性を持ちます。36Vバッテリーにより連続作業時の温度上昇も抑えられ、連続作業でも作業が停止せず、ボルト締結やコーチボルトなど負荷の高い作業にも対応できます。

ただし、製品としては優秀なインパクトドライバですが、マキタ従来の電動工具18Vシリーズと互換性がないため、充電器やバッテリーを含むの新たな購入が必要です。

最近のマキタは40Vmaxシリーズの製品投入を意欲的に進めており、現場用の電動工具シリーズに限ればマキタ18VシリーズやHiKOKI マルチボルトシリーズにも劣らない製品ラインナップを揃えています。

「HIKOKI」コストパフォーマンスに優れるプロ向けブランド

プロ向けモデルで高い性能を備えコストパフォーマンスに優れているのがHiKOKIのマルチボルトシリーズです。

マルチボルトバッテリーは18Vバッテリーながら36Vバッテリーとしても使用できて、従来の18Vプロ向け電動工具と互換性を保ちつつ最新の36V電動工具シリーズに対応するバッテリーです。

最近はAmazonをはじめとするネット通販や各種キャンペーンによる低価格販売を進めており、プロ向け電動工具としてはトップクラスの価格の安さを誇るコストパフォーマンスで購入できるのが特徴です。電動工具以外の製品ラインナップは乏しいものの「電動工具は現場以外に使わない」な方には特にオススメできるブランドです。

マルチボルトシリーズ「WH36DC」

製品名WH36DC
締付トルク200N・m (M16高力ボルト)
回転数2,900min-1
打撃数4,100min-1
保護仕様IP56
バッテリーマルチボルト36V
寸法116×241mm
カラー緑・黒・赤・青・深緑
重量1.6kg
発売年2020年10月
  • HiKOKIの高出力シリーズ36Vマルチボルト フラッグシップモデル
  • ヘッド長の短さとパワーを両立
  • トリプルハンマで高い締付力を持つ
  • Bluetooth通信による動作カスタマイズに対応
  • カラープレートと本体色で全25種類の外観カスタム可能
  • バッテリーが従来18Vシリーズに対応
  • 国内プロ向けインパクトとして最も安い

HiKOKI(旧日立工機)の最新フラッグシップモデルがWH36DCです。

2013年発売当時のWH18DDLの時代から堅持していたヘッド長128mmを7年ぶりに短くしたヘッド長116mmのインパクトです。

価格もHiKOKI(日立工機含む)フラッグシップインパクトドライバ史上最も安く、コストパフォーマンスと性能のバランスにおいて競合他社の一歩先を行く製品です。

軸ブレを抑える構造や、Bluetoothバッテリーの付属とそれを活用したカスタマイズ機能、カラープレートによる外観カスタムなど、インパクトドライバ単体の性能として業界最強の名を冠するに相応しいインパクトドライバです。

販売店による検証1でも、高いトルク値を持つTD001Gよりも全体的に素早く締付ができると検証しており、締付速度を重視する大工プロユーザーなどにおすすめのインパクトです。

「KYOCERA(RYOBI)」コンパクトサイズでNo1

RYOBIの電動工具事業を買収し、新たに京セラインダストリアルツールズとしてスタートしたのが旧RYOBIのブランドKYOCERAです。灰色に臙脂色をアクセントにした京セラブランドの電動工具を展開し、高性能で小型製品を開発しているのが特徴です。

インパクトドライバを代表とするEXTREMEシリーズのインパクトは、ヘッド部の全長が短く、分割コアモーターによって軽量化・小型化を実現しているのが特徴で、取り回しに優れているのが特徴です。

魅力的な製品も多い京セラ製品ですが、ホームセンター販路の家庭用DIYモデルが中心でプロ向けモデルの販売店が少ないのが欠点です。

KYOCERA「DID11XR」

製品名DID11XR
締付トルク165N・m
回転数2,900min-1
打撃数3,100min-1
保護仕様IP56
バッテリー18V
寸法99.4×79×237mm
カラー
重量1.1kg
(スリムバッテリー装着時)
発売年2018年

軽量・コンパクトさを追求したのが、京セラインダストリアルツールズのDID11XRです。

重量1.1kgの超軽量のインパクトドライバでヘッド部も99.4mmとクラス最小サイズなのが特徴です。

1.5Ahのスリムバッテリーと6.0Ahの大容量バッテリーがセットの仕様で販売していて、作業環境に合わせて装着バッテリーを使い分けられるのも大きな魅力です。

「Panasonic」常に技術で先を行くプロ向けインパクト

電動工具業界ではお世辞にも目立つメーカーではありませんが、電設・インフラ関連に大きな影響力を持つのがパナソニックです。

本体が家電・産業機器メーカーなので技術開発力は最も高く、電動工具にも最先端技術を搭載する傾向が強いメーカーです。少し前にはヘッド部を短くしたインパクトドライバを市場に投入して電動工具業界を巻き込んだ全長短縮競争を起こし、現在ではブラシレスモーターの最新技術「ベクトル制御モーター」を投入するなど、他メーカーに対して技術やコンセプトで常に一歩先んじるメーカーです。

更に14.4Vバッテリーでも18Vバッテリーでも使える「デュアル」機能も搭載しており、手持ちの14.4Vバッテリーも活用できるのもパナソニック電動工具の優れたポイントです。

パナソニック「EZ1PD1」

製品名EZ76A1
締付トルク155N・m
回転数2,700min-1
打撃数4,100min-1
保護仕様IP56
バッテリー18V/14.4V
寸法98×59×243mm
カラー黒・赤・黄
重量1.5kg
発売年2021年
  • Panasonicのフラッグシップモデル
  • ベクトル制御モーターの搭載で性能が向上
  • 従来モデルより作業量が向上
  • 14.4Vバッテリーにも対応
  • 国内プロ向けインパクトとして最も価格が高い

パナソニックのEZ1PD1はモーター技術で他社を大きく先行するインパクトドライバで、モータ制御として最先端技術のベクトル制御「Smart BL」を搭載し、マキタ・HiKOKIのような高電圧化とは別のアプローチによってモーター技術の改良によって連続作業時の耐久性を向上し、連続作業性能も2倍近く向上させています。

業界初の専用アタッチメントの装着により、アングルインパクトや隅打ち作業などにも対応できるので、入り組んだ場所でもスムーズな作業と仕上がりを実現します。

「マックス」独自機能を突き進む個性派インパクト

釘打ち機や鉄筋結束機で高いシェアを持つメーカーがマックスです。あまり目立つ存在ではありませんが、インパクトドライバなどの一般的な電動工具も販売しています。

マックスのインパクトドライバはとにかく特殊で、トリガスイッチが他社と異なる感圧「新・トリガスイッチ【瞬】」を搭載、LEDが1時間点灯し続けるランタンモード、防じん・防水の国際規格のIP56よりも高い耐久性を持つMAX IEGSなど他社のインパクトとは違う意味で一線を画したインパクトドライバを展開しています。

マックスは充電式工具の分野が弱く、電動フィニッシュネイラ鉄筋結束機のようなマックスが得意とする製品以外の電動工具は、技術・製品ラインナップ等において業界平均から遅れ始めており、よほどマックスの充電式工具に依存していない限りはマックスの電動工具を選ぶ必要性はありません。

マックス「PJ-ID153

製品名PJ-ID153
締付トルク165N・m
回転数3,000min-1
打撃数3,000min-1
保護仕様MAX IEGS
バッテリー18V
寸法127×79×237
カラー
重量1.4kg
発売年2019年
  • マックスのフラッグシップモデル
  • 独特な感圧トリガスイッチで耐久性が高い
  • IP56よりも厳しい防じん・防水仕様MAX IEGSを搭載
  • 製品仕様上のパワーが低い

マックスの電動工具は電動フィニッシュネイラや鉄筋結束機など鉄筋コンクリート造に関わる背品が多いため、防じん防水に対して特に優れているのが特徴です。マックス独自の保護仕様「MAX IEGS」はIP56以上に過酷な製品試験を行っており、工具単体の耐久性ではトップクラスです。

独自の感圧トリガ「新・トリガスイッチ【瞬】」はトリガスイッチのストローク量も少ないためスイッチ内部に異物が入りにくく、屋外での使用において最高の耐久性を誇ります。

マックスのインパクトは製品仕様上、他社比で能力が低く、他社のインパクトは高力ボルトM14まで対応していますが、PJ-ID153は高力ボルトM12までの対応になっている点に注意が必要です。

締結トルクトップ3

カタログスペックを見ると、マキタTD001Gだけ飛びぬけて220N・mの締付トルクと記載されていますが、これには少しカラクリがあります。

マキタとRYOBIは「M16高力ボルトで測定」を行っていて、HiKOKI一部製品とパナソニックは「M14高力ボルト測定」行っているためトルク測定時の条件が異なります。

一般的に、トルク測定時に使うボルトが太くなるほど締結トルクの測定値は高くなる傾向があり、この数値だけを見て締結トルクや締付スピードの評価はできません。またボルト締結のトルク値が高くても木ネジの締結スピードが速くなるわけではないため、あくまでも参考値程度にとどめておきましょう。

順位 製品名 外観 締結トルク
1位 マキタ
TD001G
220N・m
M16高力ボルト
2位 HiKOKI
WH36DC
200N・m
M16高力ボルト
3位 マキタ
TD172D
177N・m
M16高力ボルト

ヘッドの短さトップ3

インパクト仕様でパワーの次に気になるのが大きさです。

ヘッド部全長の大きさは作業時の取り回しに大きく影響します。狭い部分での取り回しや持ち運びの重量を気にする方や、腰袋にインパクトを入れて動き回るが多いプロユーザーの方などは、ヘッドの全長が小さいインパクトを選ぶのがおすすめです。

パワーに関しては控えめになるため、ボルト締結やコーチボルト締結に関してはパワー不足を感じることも多いので、主に木ネジに対して使用するインパクトドライバになります。

順位 製品名 外観 ヘッド長
1位 パナソニック
EZ1PD1
98mm
2位 京セラ
DID11XR
99.4mm
3位 京セラ
DID10XR
106mm

VOLTECHNOおすすめランキングトップ5

最後に、当サイトとしておすすめのインパクトドライバをランキング形式トップ5で紹介します。

プロ用途としてインパクトドライバを使用する場合、インパクトドライバ本体の性能や使い勝手よりも、製品ラインナップ数やアクセサリの対応・価格などが重視されるため、それを含めたコメント付きで順位付けを行っています。

順位 製品名 外観 理由
1位 マキタ
TD172D
製品そのものよりもそれを取り巻く環境が強い。製品スペックに尖った所はないが、マキタ18Vバッテリーシリーズの製品ラインナップと営業所の多さによる修理・部品供給体制を考えれば、プロ用途の充電式工具として最も無難な製品。サードパーティの落下防止アダプタにも対応するのでソケットビット運用にも強い。
2位 HiKOKI
WH36DC
とにかく安い。フラッグシップのプロ向けインパクトとしては圧倒的なコストパフォーマンスと性能を持つ。付属するBluetoothバッテリーを生かせるシーンは少ないが、無線連動を安く済ませたいならHiKOKIマルチボルトで揃えてしまうのもおすすめ。ただし、企業動向的にマキタ程のバッテリーシリーズ展開は期待できないので注意。
3位 マキタ
TD001G
マキタの次世代バッテリーシリーズ。当初は製品シリーズが少なかったものの、2021年時点の36VシリーズとしてはHiKOKIマルチボルトよりも製品数が多い。超高出力用途の充電式工具としては国内唯一の有力シリーズであり、今後も製品拡充が期待される。一足先にマキタの本気を感じたい方にオススメ
4位 パナソニック
EZ1PD1
最短クラスのヘッド長とオプションアタッチメントによる機動性の高さがウリ。インパクトドライバ単体で見れば最高峰に位置する製品だが、製品本体価格が最も高く、バッテリーシリーズや取扱店が少ないのも痛い。
5位 京セラ
DID11XR
本体重量1kgを切るコンパクトサイズを追求したプロ向けインパクト。取り回しに限れば最高の一言。パワーは控えめだがコーススレッド程度なら全く問題なく使える。パナと同じくバッテリーシリーズや取扱店が少ないのが残念。

脚注

  1. (マキタVSハイコーキ) 最新インパクトドライバ 36VマルチボルトWH36DC 40Vmax TG001G 締め比べ! 最新フラッグシップモデル比較! Hikoki/Makita
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